音楽備忘録376 素人に可能な防音・遮音㉕
今回は防音室内の温度管理へ言及しとくが、遮音性が高くなる程保温性も高まるのは覚えときまひょ。
気密性の他吸音材にも大抵のには断熱作用もかなりあるので、寒い方だったらこれは有難い。
んが厄介なのは暑い方で、しかし自作だと半ば当然だが専用エアコンの設置は無理だ。
クーラー自体はウインド型のだったら付けられなくも無いが、現行のそんな廉価タイプには遮音性は殆ど皆無なのだ。
体験も含め耳寄り情報として「暑くなる度合い」を記しとくと、炎天下の自動車内やサンルームみたいにはならずも普通の居室よりは暑くなり易い。
そして他のと一番違うのはひとたび温度が上がると、それを下げるのが結構大変な処だ。
防音・遮音の為に開口部が狭目最少数となってるからそれもあるが、換気以外に殆ど熱が放散されないのが大きい。
カンカン照り下ではチンチンの自動車内やサンルームでも日差しが陰ればどんどん温度は下がってくが、冒頭記が原因で防音室はやたらと「熱持ち」が良いのだ。
では次の手として換気量を多目に取ってはどうかだが、クーラーが使えない以上その方が良いけれど限度ってもんがある。
換気ダクトを太くし過ぎても風量(空気の流速)を上げ過ぎても、減衰させ切る前の音が外へ出て来たりしちまう。
だが宅の防音室を始め業者建築の多くのでも、クーラーの容量不足に悩まされてる事がかなり多い。
普通エアコンのパワーは建築様式と広さで選定されるが、中の人がシャカリキに熱を発散するのが想定にあまり含まれていない。
なので中に居ても大人しくしてる時なら充分でも、暫くエキサイトしてるとそれでは足りなくなるのだ。
尤も暑さを感じるピークの時はどの道風を受けられないと人間側の熱発散が追付かなくなるが、こんな調子だから寒さは無視して暑さだけ心配してりゃ良い位だ。
ではそんな苦しい中せめてどうすればまだマシかっつうと、防音箱へ吸い込む空気がなるべく冷たくなる様にしよう。
今時部屋にクーラーが無いケースは稀なので、その冷風吹き出し口の至近から取り込む様にするのだ。
これとは別に箱内の吸排気口の位置も問題で、先ず誰でも分かりそうなのが近過ぎたら駄目ってヤツだ。
なるべく正反対の位置に設けると部屋全体の空気が入れ替わり易くなるが、是又宅を始め色々な制約から理想には遠くなってしまってるケースが多い。
そんな場合はせめて吸排気口が向き合ったりしない様にし、少しでも風を遠回りさせようとしている。
一寸話が前後するが風なんて書いてるけど、実際には殆ど体感出来ない程度の方が多いし好ましい。
例えるなら焼肉屋の猛烈換気扇では無く、高級ホテルの空調みたいに言われないと気付けない位のがこの用途にも適している。
とこの辺で戻るが吸排気口の位置には上記の他高さも重要で、体験的にはどちらも天井スレスレなのが望ましい。
高温の空気は上の方に行くんだから排気の方は分かるとして、吸気の方も室内より吸うのが低温なら上にだ。
入って来た新鮮君は温度差で当然下に向かって行くが、その動きのお陰で多少は室内の空気が攪拌されて好都合だからだ。
もし一切動力を使わずに換気したいなら吸気は極力低い方が良いけれど、立ってないと演れないパートの人にはノボセろってなもんだ。
なので人の居る位置がある程度限定されるようなら、その頭の近くに吸気口を持って来ると有利だ。
電気・電子楽器の人とか生楽器でも最近は電子機器を常用する事も多いので、それ等の排熱を浴びない様に内部配置を工夫するのも有効だ。
概述の通り宅程極端では無いにしても、防音にすれば必ず普通の部屋よりは狭目になる。
もし機器類に「狭室用」なんてのがありゃ別だが、スマホですらトイレ内専用なんてな唯の1つだって見掛けないよね。
自動車用のだって熱に関しては機器自体が持つかどうかは考慮されてても、それが置かれた空間の環境迄はそんなに考えられちゃいない。
それから後一定以上の連続時間使用へ配慮すると扇風機の類は必須だが、録音中は当然乍ら例え只の練習中でも烈風には要注意だ。
あまりに強風だとそのせいで音が違って聴こえる場合があるので、暑いからって常にビュービューの中で演っていては危険だ。
<つづく>
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