音楽備忘録377 ヘッドホンと体格の関係Ⅺ
本項前回後部で体格の影響を受け難いのはオーバーイヤータイプと書いたが、インナータイプの方がもっとそうなのではと思われる方向けに先ずは少々。
近年の最廉価の一部以外のは付属のイヤープラグに色んなのがあって、その点では個体差に対する対応は確かに図られてるだろう。
だが最初から準備されてるのはそうでもしとかないと、全然フィットさせられない場合もあるからなんて言ったら叱られるだろうか。
それは過言だとしてもとても小さいと、0.3mmとかの不一致だって大きな影響を及ぼすのは確かなのだ。
実はオーバーイヤータイプですらスピーカ→生耳聴きよりゃこの面では弱いんだが、なまじ「近い」が為に少しの差の影響が拡大しちまうからだ。
例えば左右間隔2mで聴取距離が3mのスピーカだったら、2~3人でなら殆ど同一条件で聴くのも可能だ。
或はもう少し巾も距離も小さくても、リスニングポジションに1人づつ順番に着いて聴くのなんかでも「同じ音」が聴ける。
但しこれは「耳に届くのが」同じ音なだけで、個人差で違って聴こえる分迄解消される訳じゃ無い。
でもこれこそが各自の特性を知る機会になり、各自の好みと一般への整合性等を考えて行く第一歩になるのだ。
ここが演る側のみに存在する問題点で自分が好きな音ったって、自分に聴こえるのがか他人に聴かせるのが「その音」になる様にするのか考え処なのだ。
現実的には多数派としては両者の美しい妥協点を目指すのが多いが、近年悪い意味で偏ったのが増えたのはメンバー全員で同じ音を聴く機会が減ったからではと穿っている。
本邦では益々上記の様な機会が得難くなってるが、それならせめて同一ヘッドホンで聴けばって感じなのかな。
勿論そのアイデアには一理あるけれど、飽く迄大体同じに被って聴けたらの話しだ。
昔じゃ考えられん位SONY CD-900STがリファレンス化してるのはこの辺もありそうで、しかしこ奴には大きな注意点がある。
何故体格差の影響を受け難いかを考えて貰うと良いんだが、どんなに耳の立ってる人にでも強引に押し潰して耳穴にユニットを押付ける様な構造となっている。
ユニット径が40mmなのでどんな大耳穴さんでも先ず耳穴径よりゃユニット径の方がデカいから、最低限ユニットの内側の何処かに耳穴が来る点でも条件が統一される。
しかしこんな具合だから長時間連続使用には、人次第で負担の差は極端に大きくなっているのだ。
だからかリファレンスったってClassic系ではそれ程とはなって居らず、1曲15分もあったりしたら人に依っちゃ最後の方は激痛とかで聴く処じゃ無くなってそうだからね。
世間との整合はポピュラー系には大問題だけど、だからってグループメンバーの体格次第ではこれを標準にするのはお勧めし兼ねる。
先ずは外を気にする前にメンバー間で極力「同じに聴ける機種」を探す、見つけるのを推奨しときたい。
1つでもウケる音が入ってるかアンサンブルとして成立してるか、どっちを優先させるかは決まってる訳じゃ無い。
でも「グループの音」が無いのでは意地悪く言ったら、メンバー内の誰かだけが抜け駆けして売れりゃ良いってのと同じだ。
打込みが困難だった昔なら兎も角、それなら今ならSoloプロジェクトにした方がもう手っ取り早いですよ。
同一人物でも個人とグループでは一寸違ったりする方が自然なんだけど、そんな折角の化学変化をわざわざ放棄して迄メンバー不動とか宣言されてもねぇ。
は別としてその気があってもヘッドホンのせいで、アンサンブルが纏まらないとかなってたら不幸だわよねえ。
装着性も音質も勿論大事だけど、完全独立で個人で使うのとはこんな面が違っとるんざんす。
大して深く考えてなんかいないけどそれ故俺は現行Bandのは、従兄宅の少々難有なAmpとスピーカのを一緒に聴いたので調整しとります。
難があるのは俺がAmp修理に手間取ってるせいってのが杜撰だが、例えベストじゃ無くても違うのを聴いて論じ合ってももっとしょーが無いから。
そもそもどっちの家にも人も機材も古いのしかないんだから、どうせカビ臭くなるのは避けられんて…。😢
<つづく>
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