音楽備忘録386 素人に可能な防音・遮音㉙
自分なりにはかなりホントに出し尽くしつつあるので、今回「扉」の後は又何か思い出したらと致しまする。
扉は空気振動に対抗させるには重く・固く・分厚い程有利ではあるが、一定以上の密閉度が確保出来るなら枚数を増やす方が遥かに効果的だ。
そりゃ銀行の大金庫の扉みたいにヘヴィになりゃ流石にもうどうでもいいけれど、コストや工作技術以前にそれを取り付ける場所が頑強じゃ無きゃ始まらない。
それに加え華奢で非力なミュージシャンでも開閉可能となると、その範囲ではどんなハイグレードにしても完全遮断は全然無理だ。
コスト等の点でも既製品や近年は素人が入手可能か分からないけど、廃材活用が出来ると実現性も高められる。
以前に気密性を得る方法は記したのでそれ以外を中心に行くが、パッキング以外に一般用途より注意が要るのが蝶番とラッチ若しくは取っ手・鍵等の閉鎖固定機構部分だ。
扉自体だってあまりにベコベコだったりしたら板を貼る等補強も要るが、それに蝶番やラッチが耐えられなければ安定して閉め切る事が出来ない。
製品版の正規の防音扉でも調整が悪かったり狂いが生じてるのを見逃すと、パッキング部の何処かに隙間が残ったりして所期の性能が得られない場合もある。
尤もそれより起きがちなのは閉め忘れや、いい加減な操作のせいでちゃんと閉まって無かったなんてのが割と日常的だけど…。
この件ではお間抜けな俺は幾らも他人の事を言えた義理じゃ無いが、防音に掛った手間や費用からしたら実に勿体無い。
敢えて思い出して少し追及してみると、しかしこれは無条件で同じ確立で発生してはいなかった。
防音扉のハンドルったらそれが水平時が開・斜め下を向いたりしてると閉となる様なのがデフォだが、これは開閉状況の視覚化の為でもある。
最近は普通の部屋の扉でも円筒では無くレバータイプのが増えたが、こちらは開閉視覚化では無くより少ない力や動作で操作可能とする目的でなっている。
それが証拠ってんでも無いが閉じてる扉を開きたい時だけ下に押し下げりゃ良い構造になってて、車のドアじゃ無いがもし半ドアになっててもドアノブ外観にはそれが一切反映しないのが殆どだ。
さて本題へサラッと戻すがだからって全くそんなのも流用出来無か無いが、パッキングからの反力に充分耐えられる必要はある。
依って汎用部品の流用時の注意点は「摩耗損」で仮に取敢えずは耐えられたとしても、擦り減るのが早いのもだがそのせいで密閉度不足を起こすのが恐い。
チープな扉だったらハンドルだけ豪勢にするのもはばかられ様が、パッキングからの反力は本格的なのの半分なんて程小さくはならないのはお見知りおきを。
又余りにも扉の剛性が低かった場合反力で反る度合いも増えるので、ラッチ周辺はピッタリくっ付いてるのにラッチから遠い部分では隙間発生なんてのもあり得る。
そんな場合は扉に板より先に梁を追加すべきで、しかし扉・パッキング・蝶番&ラッチ類は強度的にバランスさせるのが何より大事だ。
これ等からしても素人が廉価・安易にやるのには、1枚の扉に要求される性能を落せる2重式の方が断然有利だ。
防音室の2重扉ってぇと旧従兄宅のを今思い出したが、宅のと違って2枚の間隔が結構あった。
そうすると誰かが中で演ってる最中に出入りする時、外のを閉めてから中のを開けられるから「丸洩れ」が回避出来ていた。
考えてみりゃ高級な映画館やホールのドアって皆そうなってて、バネの力で手を離すと勝手に閉まる様にして基本的に丸洩れが起きない様にしてあったんだね。
尤もⅡで防音室用途では一般人が動かせる程度のバネ力じゃ、完全に閉め切るのには足りないだろうけどね。
<つづく>
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