音楽備忘録385 半導体 vs 真空管③
続いて告知通りって前回如何にも2つとも同時掲載みたいな表現だったけど、その辺は職業物書きじゃ無いから許しておくれ。
内容は忘れたりしなきゃ、必ず何処かで書くからさ。
して今回は関連部品Part 1として、コンデンサの諸問題へ突入だ。
コンデンサはさせる仕事が雑多なのもあって非専門家には分り難い部品だが、今回のテーマに対しては全貌把握をしなくてもへっちゃらだ。
必要なのだけその都度触れてくとして、タイプ次第で寿命に極端な差があるのが特徴のひとつだ。
乾電池よりゃ遥かにマシだが他よりかなり短い代表が「電解コンデンサ」で、それ以外のはタイプ次第じゃ人間レベルでは無視出来る程長いのも多い。
そしてタイプ・寿命共々そんなになってしまう原因は、主に容量(電気を一時的に貯めて置ける量)に依存している。
このテーマに対しては端的には沢山貯められると電池に近くなるから、寿命の方も電池に近付いて短くなると思っときゃそれで充分だ。(回路内での使われ方は電池と違うのが大半だが)
ここから核心へ進んでくが球と石では半分は時代の、残り半分はコンデンサのコスト等が原因で寿命の異なるタイプが夫々デフォルトで使用されているのだ。
上記前者は昔はそんなに沢山貯められるのを作れなかったからだが、後者は耐圧(扱える電圧の高さ)が影響している。
後者に関しては技術レベルが飛躍的に向上した今でも幾らも条件差が出て無くて、コストと容量以外の性能を獲得するのが諸事情から大変だからだ。
冒頭に色んな仕事に使うと書いたが、直接音をそこへ通す際にこれが特に難関となる。
結果的にだが球回路では極一部の例外以外では電源回路以外では電解タイプは殆ど使われず、石の方では耐圧が低い→ローコストなのと小型化し易い為他タイプより優先的に盛大に使われている。
折角増幅素子が長寿命で壊れ難い石のでそんなにしたらホントは矛盾してるんだが、コストと小型化を優先しないと売りが減るからか未だにこれが主流だ。
それでもスマホなんかみたいなのだったら電解コンデンサ抜きではあんなに軽く小さくなんて先ず無理だし、ニーズ次第で短寿命なのを容認するのはおかしくは無い。
って事ぁ楽器Ampみたいに実使用上ツマミの間隔が一定以上要るとかだと、それを石にするご利益はコストを除けば耐衝撃性と軽量化程度しか無いのだ。
ここでとても重大なのがコストったってそれが「初期経費」だけな処で、長く使い続ければ続ける程実情的には石の方が出費が多くなり勝ちなのは是非知っといて頂きたい処だ。
しかもそれ以上に大問題なのが「音色の維持」で、これを気にすれば最悪だともう幾ら上乗せが要るか不明な程なのだ。
電解コンデンサはLED電球等と同じ様に寿命が時間で公表されて居り、それに従えば使用頻度で差はあるが当初から交換が必要な存在だ。
しかし近年特に一般オーディオ用だと手間とコストを嫌って修理が敬遠され気味なのを悪用されたか、例えば「このAmpは使用20,000時間毎に部品交換が必要です」なんて先ず公表されていない。
これが自家用車だったらディーラーへ車検に出して、タイヤを交換しないと不合格になるからと言われて納得しない奴なんて居ないのにね。
尤も周知徹底させた処でそれより数時間オーバーした処で、全く音が出なくなったりゃしなから違いが出ても仕方無いのかも知れんがね。
只そうしてニーズが少ないと費用はより割高・扱う場所は減る等と一種の悪循環に陥り、用途上個性の少な目なオーディオ用なら未だしも楽器の場合は望まぬ変化に苦慮させれるのだ。
又他の部品と比べて短寿命な内は少しでもそれを伸ばそうと改良頻度が高くなるから、完全に同じ部品の入手は数年経っただけで難しくなってしまう。
そうなると例えば販売開始後5年後の修理費用なら算定可能でも、10年後のだともうどれだけ割増しになるか導き出すのすら難しくなる。
これは幸運な偶然で生涯の友に出逢ってもそれが「石」だったら、何時迄付合えるか分からない存在になるのも意味してるって事った。
<つづく>
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