音楽備忘録363 素人に可能な防音・遮音⑳
前回最後部で恥を忍んで「石膏ボード穴開き事故」を持出したのには、防音・遮音にとってはまだ大事な続きがあるからよ。
幾ら面倒でもほっぱらかしとけたのは普通の部屋だからで、こんな俺でもそれが防音室だったら他の全てを後回しにして寝る間も惜しんで修理に没頭するだろう。
個人宅の一般用途の部屋の壁だと防音・断熱等が不要にはならないが、最大必須事項は隙間風等の遮断だ。
元が簡単に穴が開く(本来ならどうかは知らんが)程度の遮断性能だと、穴が無くたって超低域は殆ど止められていない。
でも極普通の日常生活で夜間に超低域を発生させる場面なんて殆ど無く、寝室の隣で大人しく読書でもされてて気になるとしたらページがめくられる時の紙の摩擦音とかじゃないかな。
その成分は高域主体なのでこの面からも一般用途でなら、高域の遮断を優先するのは理に適っている。
そんな具合だから兎に角隙間を塞ぐのが一番で、逆に全く壊れて無くて見た目も綺麗でも何となくスース―なんてする様だったら要チェックだ。
実際宅の出鱈目補修でも、前より冷えるとか隣室の音が聴こえ易くなんてのは起きちゃいない。
それより宅内での生活騒音で気になるのは、開口部や床への衝撃力由来の低域だ。
普段家族は2Fにしか居なく1Fは俺だけなのでロクに分かっちゃいないのか、深夜の突然の「ガタン」とか「ドスン」には時々ビックリさせられている。
その原因に優先順位を付けてくと1は間違い無く無神経ではあるが、わざと主(俺)の神経を逆撫でする意図は無い処からすると2Fでは明らかな爆音とはなってないと推察される。
2としては木造アバラ家なせいだろうが他に思い当たるのが床がほぼ全部木板のフローリング仕様になってる処で、窓や扉にも軽いのが殆ど無い辺りが原因3だろうか。
アバラ家じゃ無くても明治維新以降の本邦平民木造住宅は、遮音性能等殆ど期待出来ないのしか無かった。
それで昔の人程「夜は静かに」を実践してたのは確かだけれど、居室床は畳敷き・開口部は軽量な障子や襖(ふすま)が主流だったのは見逃せない。
柔らかい物は衝撃吸収力に優れるので、振動由来系の低域騒音を生成し難い。
軽い物も「他を揺さぶる力」が重いのより弱いので古来からの典型的な和の住居様式は、遮音性は乏しくても今風に言ったら「低騒音仕様」って事になるかも知れない。
だからって本件の用途にはそんなのじゃ全然役不足だが、伝達を減らすのに柔らかいと軽いのが重要項目なのは不変だ。
特に外箱が重く頑強では無い場合これは字面通り大きく響くと思われ、柔軟・軽量を無視して遮音性能だけを追及しても効能には疑問符が残ってしまう。
これからすると防音箱を置ける部屋次第で、到達出来る性能に制限が掛るのは残念でも容認せねばならない。
んまっしかし電子ドラムのパッドすら一通り並べられない様な所を使いたがったりは普通はしないんだから、無理な贅沢みたいなのさえ望まなきゃそんなにどうって事ぁ無いさ。
大都会に暮らすなら寝ぐらは超狭小・格安に節約して、近所の練習室の費用を捻出するのも1つの道。
寧ろ問題なのは何時でも簡単にアクセス出来る範囲にスタジオが無い場合で、その代りそんな環境下なら大抵は空間等には余裕がある筈だ。
そんな失礼乍ら仮にド田舎だからって無対策でがんガラ演っちまうと、悪評が立たぬ迄も印象が芳しく無いのは間違いの無い処だ。
それでは何時迄経っても仲間を増やせなくなったりして、浦島化を促進させるだけ。
打込みでも音楽がやれる様になってる以上、充分大人になってしまってる方々には特に気を配っといて頂きたいもんだ。
それで従兄のドラム教室の問題を血祭りに上げたかの様になってるが、万一彼の所が営業不能となって真っ先に影響を受けるのは近所から習いに来てる子供達だろうから。
半ば当然だが然るに唯文句を付けるだけじゃ無く、原因究明等には全面的に協力している。
彼の所で困ってるのはある程度以上既に施工されてるし、条件も悪くないのに足りてないから却って厄介なのだ。
<つづく>
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