音楽備忘録373 素人に可能な防音・遮音㉔
防音室の「配線ルート」の続きだが、魔改造シリーズの知恵!?も借用すれば必ずしも専用路じゃ無くても他にも考えられる。
理想からしたら窮鼠猫を噛むコースではあるが、防音室で絶対省けないのってったら人と空気の出入口だ。
照明はLEDが普及した今日では乾電池や充電池でも賄えるし、生楽器の人で録音等にスマホしか使わないなら電灯線も必須じゃ無くなる。
そんな中で出入口は使用時は閉鎖しなきゃなんないが、換気ダクトは極力音は遮るが常に外部と導通している。
ここへ必要配線も同居させるのも無理では無く、以下の欠点が問題にならないなら普通に候補に加えられる。
①複雑怪奇な経路と吸音材のせいで普通の分解不能な構造のダクトだったら、施工完了後の配線の交換・追加は困難。
②音の減衰の為にわざとなるべく「遠回り」させてるかせら、かなり無駄に長い線を使わなきゃなんない。
③使用時は常に風に晒されるので中の人が喫煙者じゃなくても、通しといた線はどんどんかなり汚れて行く。
では夫々について詳細へ進めて行くが、①の場合吸音材が「正しくちゃんと貼り詰められてる」程曲がる所で線が引っ掛かり易くなる。
それ位でないと空気だって素通り出来ちゃうんだから、どんなに頑張ってもどっかで引っ掛かる位の方が遮音換気ダクトとしては高性能ってもんだ。
因みにここでの「空気を素通りさせない」は流量や流速に大きな変化を加える訳じゃ無く、余計な微振動(つまり音)だけをなるべく出口迄の間にスポイルさせようって事。
内燃機関(エンジン)のマフラーがやってるのも正にこれで実際付けると流すのにより力が要ってパワーを少しロスするが、換気の場合はニーズに見合った換気扇を使うのでエンジンと違って実質的には得失は無い。
何処かに後から線を通したい際にある程度仕切られた専用経路(つまり配管等)では、通線ワイヤを押込むだとか極軽いビニール紐を出口から掃除機で吸い出す等の戦法が使われる。
線自体を直接押込むのも物に依っては可能だが、夫々伝達用途上の最適とは相反する事も多いから別の「ガイド」を先に用いるケースが多い。
この内前者は吸音材なんてのは完全想定外だし、後者の方はガイドの紐は通れても線だと引っ掛かったり曲げ回数の多さからの抵抗力増加で通せなかったりする可能性がある。
そして常に空気の通流がある処は例外無く汚れてくもんで、これこそ塵も積もれば山となるの典型だ。
この汚損からの影響で懸念されるのが材の変質や劣化で、それに依って通常使用時よりかなり寿命を縮める場合すらある。
対応策としては線材に耐候性を有すのだとか屋外用のを持って来るだとかだが、それ等は屋内専用のより割高だし種類も少な目だ。
とこんな具合なんでこれから自作するなら非推奨だが、従兄宅のみたいに何らかの事情で追設したくなったらこの方がハードルの低い場合が多いだろう。
因みにⅡで換気ダクトにネジ止めの蓋を採用したりすればこの弱点は無くせるけど、開閉可能化させると気密性の維持は大変になって来る。
つまりその部分のパッキングに一々防音ドアと同じ様なのを追加しなきゃなんなくなり、仕事量の増加に加え保守点検も少しは必要になって来たりする。
因みにⅢで従兄宅でこの裏技が候補に挙がってるのは他より廉価で素人でも出来そうだからだが、既存のダクトが現状のままでは落第だったからなのも大きい。
線なんか通さなくったってそのままにしとけ無くて、どうせ結構大掛かりに弄らなきゃなんないからだ。
弄るに際し幸い出入口至近には点検口からアクセス出来るが配管は前回述の有様だし、中間部はコンクリートの奥の穴の中で一切触れられない。
これでは線だろうと管だろうと新規に通すのは不可能で、ダクト自体も改良に最善の方法が使えないから割りは悪い。
只何等かの事情で理想の手段が使えない時とか、概施工済みの分を無駄にせず活かそうとしたらこんなでもやり様が無くは無いって話し。
<つづく>
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