音楽備忘録391 半導体 vs 真空管➄
電解コンデンサのお次はこれにも関係してるけれど、平均的な部品点数の差についてだ。
実は本質的には増幅素子が球だろうと石だろうと無関係なんだが、現実は見事に球:必要最低限・石:搭載最高限みたいな様相を呈してるのだ。
その訳は後述するとして、修理に際しては部品数が少ない方が通常有利なのは論を待たぬ処だ。
尤も交換部品代は必ずしも数と正比例はしないもんだが、現況AIロボとか人力レスでは直せないから人件費の多少の方がモノを言う。
更にもう1つ懸念されるのが不良個所の見落としで、ミス以上に要修理の判定が問題だ。
例えばある程度の劣化が認められても、それが当分の間は全体の機能に一切影響しない箇所なら必須では無くなる。
必要性があるとしたら修理では無く「オーバーホール」とか、「新品状態に極力近付ける」等の要望があった場合限定とするのが普通だ。
これは依頼者がどの位の期間使用継続したいのか等に左右され、半年持ちゃ良いのに数年分の費用を請求して最適な訳ゃ無いからね。
これ等を無視したとしてもそもそも複雑だと、仮に総部品数100の内たった1つの不良で不具合を発症する事だってままある。
つまり1%のせいで憂き目を見る可能性を秘めてるとも云え、複雑化せざるを得ないの程Simple is Bestが重くのしかかって来る。
では何故石のではこれが分ってるのに盛られがちになるのかってば、球では困難な高機能・多機能化もあるがとどのつまりはローコスト化の弊害が主体なのだ。
どうゆう事なのってったら非最適だが爆廉価な部品だけを使って、補正・補足回路を追設して所望性能を得ようとしてるからなんよ。
実際電気物理的性能を極めるには増幅素子が何だろうと補正・補足回路は付けないと苦しいけど、それを音に限定すると実質的にはホントは意義がとても低いんですわ。
暴論スレスレですが拙ブログですんで吠えちゃえば、盛りアプリとか化粧で及第点を獲得された方みたいなもんなんてな。
これが人間様だったらそんな優れた「盛り技術」をお持ちなら、ニーズやTPOに合せた修正だって自力でお手の物。
でもAmpは入って来た音に合わせて盛りを変化させたりなんてロクに出来ないんで、盛れば盛る程「絶対に合わない音楽」が増えてっちゃうのよ。
なんだけど音機器の場合買う前に「1週間試聴しました」なんてのは稀なので、売り手の立場としちゃ「映え命」にしてんだよ。
実用上は毎月買換えるとか聴きたいジャンルの分だけの台数を買う奴なんて先ず居ないから、幾ら流行ってても映え命じゃちっともニーズには合ってないんだ。
が、だからって「駄目出し前に必ず1週間掛けて」って言われても皆が受容れられるもんじゃ無いし…。
それから貧相な部品を使うと耐久性が劣るが、この耐久性にも実に多様な側面がある。
必要な性能を発揮するのに余裕が殆ど無いので寿命だって最低限になっちまうが、それより深刻なのは融通が全く利かなくなる処だ。
絶対に想定外のトラブルが起きないなら別だけど、専門家じゃ無い一般が扱う機器にはマージンは多い方が良い。
当然近年の石のだってそれなりに配慮はされてるし、各種保護回路の充実の面では昔のより手厚い位。
だが楽器用のは未だしもご家庭オーディオとかだと、例えば100W迄出せますって書いてあったからって一定以上連続でそうしたら幾らもしない内に大抵は壊れてしまう。
これは基本的には表現に罪があるんだが、その100Wが1つには「絶対値」な事が多いからだ。
これに関連する2つ目の問題が、どうやって素人が厳密にそれを管理する或は出来るのかが無視されてる処。
結局の処少なくとも本邦では「どうせ家でそんなで鳴らし続けらりゃしねーだろ」と、確かに大抵はそうだろうけどある意味ユーザーが舐められてるも同然なのだ。
球だって限界はあるのに何故石程は心配しなくて平気かったら、「元から大雑把でいい加減」だから。
って随分な言い草だけど、要は「いい加減」が「好い加減」として作用してくれるからなのだ。
その秘密!?は次回を乞うご期待!?。
<つづく>
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