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2020年8月16日 (日)

音楽備忘録375 ヘッドホンと体格の関係Ⅹ

少し寄り道が過ぎた感じなので本題へ戻ってくが、例えば小頭さんなら何時でも小型軽量なヘッドホンで良いのかが今回のテーマだ。
現実的に俺みたいな大頭野郎には小さくてオサレなのは物理的に縁遠いけど、それだってお得意の!?魔改造で対応させる手も残っちゃいる。

けれど現況の殆どのニーズではそれでは事足りず、単にそのままじゃ届かないから大柄なのばかりを選んでる訳じゃ無いんです。(如何にも言い訳臭いがコレホント)
以前スピーカの話しの際にも触れたが、例えば「歪み率」の非公表なのが多い秘密!?にも大いに注意が要るのだ。

エレキBassの「マトモな音」を再生したきゃ、スピーカが単発なら38cm以上のが要るのはほぼ一般論と言って良いだろう。
それはどうしてってばもっと小さいのでだって音域だけなら出せるが、音の質に難が出るから不向きなのだ。

それが前出の歪み率だったりするんだが歪めば明瞭度が落ちる方に作用し、Distortionとかみたいに歪ませた方が目立つのとは逆の性質を持っている。
これも俺が嫌がる設計時点での過剰演出に繋がってる様だが、そんな事すりゃ今度は歪まない時の音色が変になるだけなんだけどねぇ。

何故サイズ差でそんな事が起きるってば原理に逆らって無理に出そうとすると、出せるには出せても別箇所へそのシワ寄せが行ってしまうから。
目尻の小ジワを誤魔化そうとしてシワの上の皮膚を上に引っ張っても、シワの入る場所が上へシフトするだけだ。

これは髪が豊かな女性とかだったらご利益があるが、スキンヘッドの人だったら隠せる場所が無いからシフト出来たって無意味だ。
故にアンサンブル物の完成作品だったら大して気にならなくても、楽器単体だったら本来の音を知ってたらかなり多くの誰もが多分アレッとなるだろう。

ヘッドホンはスピーカとは違うからスピーカよりゃ全然大きさは要らないが、だからって出したい音量と低域次第では幾らでも小さくしても平気では無いのよ。
先ず音量から行くと音量=空気の振動量であるから、ヘッドホンの振動板(ダイアフラム)が小口径になる程ストロークを大きくしなくてはならない。

この大ストロークが上述タイプの歪みには滅法弱く、ストロークは短い程この弱点は出なくなるのだ。
依って低音要っても小音量でOKとか大音量でも低音不要だったら構わんが、両方欲しきゃ幾らヘッドホンでも振動板にそれなりの大きさが無いと苦しいのだ。

具体的にはRock Bandの生音と同音量を耳元で得るにはユニット口径が最低40mm、音質に自然さも求めるなら50mmは無いと現状では厳しい。
これは歪み率を測定すりゃ一目瞭然だがヘッドホンでちゃんと公表されてるのは、KOSSの旧型等極一部のしか無い。

俺はこれの原因は爆音と上手に付き合える奴が減ったからだと睨んでるが、可聴限界近くの音量では耳の健康維持の為にその音質は超重要素なのだ。
しかしこれは概述なので別観点の方へ進めるが、過剰演出サウンドは装着不備をも認知し辛くする欠点がある。

歪んでボヤケたのを誤魔化すのに予め硬目な音質にしたのか知らんが、確かにそうしときゃ多少ズレたって聴こえない音は出難い。
けれども飽く迄「難い」だけで欠落皆無には出来ず、なまじ差が少ないせいで却って不備が認識困難になるだけなのだ。

しかもヘッドホンを小型なのにすればする程、僅かな位置ズレ等の影響は当然相対的に大きく出て来る。
ある意味この手の用途ではサイズは楽器等と同列視すべきで、Guitarより小さいBassって普通は無いのと同じに思って貰えればだ。

俺がオーバーイヤータイプをお勧めするのにはこれもあって、マトモなヘッドホンなら大抵はどんな大耳さんでも中にスッポリ収まる様に作られている。
オンイヤーので大き目なのだと体格次第ではイヤーパッド内に、耳が完全に隠れる場合とそうじゃ無い場合の両方が出て条件差が生じたりするからね。

<つづく>

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