音楽備忘録340 素人に可能な防音・遮音⑧
今回は「窓」に絞ってお送り致しますが、防音・遮音に最善なのは「無くす」でやんす。
しかし居住空間と兼用な場合それでは困る場合も当然多く、それも含めて一緒に考えてみませう。
今の暮らしでは主に省エネ面を除外したら明るさは不問としても平気になって来てて、これは何つったってLED照明発達のお陰だ。
でも洗濯物を干すだとかその為にバルコニーへ出るには、持ち家であっても別ルートが無かったら封鎖する訳には行かない。
加えて個人的にはどんなに開けられる必要性が僅少でも、折角開くのをわざわざ開かなくしちまうのは強力に非推奨だ。
災害時・通気性の他にも何かの工事の際にってのも大いに考えられ、その時が滅多に来ないせいで当分無いとつい思い込み易い。
因みに常に自由なアクセスが確保されてるのが理想だが、本件の場合に限ればガラクタが積み上げられてて直ちには通れないのでもセーフだ。
上記の様なだらしないケースでは辛うじて崩れない程度の場合も多いんで、いざって時ゃ容赦無しにひっくり返しちまえば何とか通れる。😅
元から崩れそうなんなら崩すのに道具も要らんが、構造的に開口部が狭隘化させられてたり窓戸が固定されてたらそうは行かぬ。
そんなでももし間に合う奴が居るとしたら驚異の作業速度を持つ施工者本人位で、それ以外の者だったら警官でも消防士でもロスタイム必至になるだろうからね。
これを技術面から検証しても「開けられる」分、常に完全に密閉される率は低下している。
体験ではアルミサッシの隙間ゴム(orビニール)とかの部品が経年劣化したり、極端な温度の低下で収縮して密着度がかなり低下したなんてのがある。
勿論防音扉のゴムだって劣化等は当然あるが、大きさの違い(サッシのの方が断然小さい)と状態視認のし易さ等に随分差がある。
それへ加えて原設計時点で既に性能差も結構あって、窓のは元から完全には遮蔽し切って無いのもある。
具体的にはゴム等では無く「柔らかいブラシ状」(動作抵抗低減目的)のが該当するが、どちらのでも汎用窓サッシでは美観等の為に極力目に入らない様に作られてるのが普通だ。
又改造や粘着テープに依る目張りも強力非推奨で、運悪く残ってしまった粘着剤の処理と遮蔽性能を天秤に掛けると損としか出ない。
更に追打ちになるが非防音タイプのサッシは枠に凹凸のある方が普通で、「角のある凹凸」はテープ程度では埋め切るのが困難だ。
この他にもマンションみたいなのに付いてるのだと、通気性確保の為のスリット若しくは複数の小穴が付いてるとか。
勿論嵐の時の吹込み防止等の目的で「フタ」も付けてあったりゃするけど、完全密封する必要は無いし元の目的を配慮したら隙間が残る位の方が親切ってもんだ。
この様に半ば当然乍ら目的の比重が本件とは異なってるので、改良・改造も不可能では無いにしても非効率になる。
遮音を優先すれば先ず隙間がご法度になるが、「隙間の生じる可能性」を排除するのも殆ど同等に重要化して来るのだ。
それには例え「嵌め殺し」のであっても素人施工なら極力回避が望ましく、最も玄人だけの世界のレコーディングスタジオでも開閉可能タイプの使用例は滅多に無い位だ。
今は厚みのある透明アクリル板が誰でも買えるから昔よりはマシになったが、上記「玄人様専用」!?の場で使われるガラスは簡単には買えない分厚いヤツだ。
この分厚いとなると重量も凄い事となって来るので作業時の労の他、完成後確実に継続的に支えられる様にする課題も生じる。
もし最高グレードの遮音とするならどうせ壁・床・天井・扉等全てヘヴィになるんだから心配無いが、そこ迄の性能が不要な際は窓の所だけ窓の為にゴツく作らなきゃなんなくなる。
のでどうしてものどうしてもでも付けるとしても覗き窓程度、大きいのとか開閉可能なのはお止しになるのが安全だ。
斯様にこの面からしても普通の居住性の良い部屋ってのは、防音・遮音観点からだと抵抗勢力なのである。
折角好環境なんだったらそれを損ねるのも勿体無いしで、既存の部屋を大改変無しに活用して益があるのは窓の無い納戸とか位だろうか。
幾ら作るのが面倒だったりしても今回お題のみたいなのに限ると、改造の方がもっと大変なのを知っといて損は無い。
今本邦の情勢では実感するのが益々困難化しちまってるが「案ずるより産むは易し」も、こんな偏狭では未だ地味に生き長らえているのです。
<つづく>
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