音楽備忘録347 素人に可能な防音・遮音⑫
ここ迄のボヤキで大枚注ぎ込もうとどうしようと、結局は一々面倒が付いて回りそうなのが少しは知って貰えただろうか。
それ故製品の購入は用途や規模がピッタリ合致しない限り、例えお金が余ってる人にでもお薦めし辛いのだ。
予定も予算も皆無だから幾らも調べちゃいないけど、ドラム用の防音カプセルなら○と□なんて即答出来ない位あったとしても希少だ。
珍しいののデメリットは情報僅少も然る事乍ら、我々のニーズで最も心配なのがアフターサービスだ。
その厳しさたるや他のあらゆる業界とは段違いで、昔従兄と俺が依頼した業者はその頃ビクターの青山のレコーディングスタジオを施工担当中だった。
従兄と違って貧な宅でも頼めたのには裏があって、上記の工事の端材活用も偶然出来たからだった。
そんな大御所ですら名前こそ少し変形して残ってても、担当者を始め中身はスッカリ入れ替わってしまった。
時代は昭和末期頃なので宅に関する資料の方も一切社の方には残って居らず、こっちにとっちゃ所謂ディーラーとしての存在意義は皆無になっちまった。
なので数年限定とかだったら別だけど、大掛かりなモノなだけに今以上に後での心配を重視すべきだと痛感してるのだ。
この点で考えればかなり非効率でも極力低い技術レベルで成立してるのが好ましく、昔の自動車でアメリカのとドイツのを比較する様なもんだ。
基本的に僅かな点を除いてドイツ車の圧勝なんだが、それで俺も若い頃はアメ車駄目じゃんとスッカリ馬鹿にしていた。
後になってアメリカでもドイツ車は買えたのにどうして需要があったかを知ったが、失礼乍ら低レベルだからこそ誰でも何処でも後になっても修理が容易だったのだ。
それでも使い捨て可能な程簡便で安価だったり、代わりが簡単にすぐ見付けられるなら良いですよ。
でも製品カプセルだと例えば引越ししたらギリギリで入らなくなったとか、ドアの位置と向きがとても不都合になったとか起き易い事おびただしい。
そんな時腕利きさんならこことアソコを何mmづつ詰めてなんてのもあり得るが、壊さずに変更するのは一番難しい作業なんだよね。
だいいちそこ迄スキルがあったら最初から自作出来る訳で、何ともドMだが作るのが大変な人程自作しといた方が後でまだマシって構造なんだわさ。
その代りっちゃ何だけど音の色々に詳しくなれるのの中には、ホントは防音とかやらなくても必須のも多いんだ。
一番の悲劇は隣人が忍耐強い上に理解のある人だったケースで、ホントは問題山積なのに裸の王様状態に陥ってるなんてのだ。
自分が弾いたり叩いてる時ゃ、誰だって外からその様子を伺う事は出来ない。
分ってるつもりだろうと幾ら気を付けてようと、一点の聴き洩らしも無しってのは先ず無理だ。
世界一の達人でも延々日々の鍛錬を休まない人が居るのも、それ位「自分の事」って把握するのが困難な部分があるんだろうね。
こう云うのは意図せず迷惑を掛けない為に大切だが、敢えて自分だけで考えても大きな意味がある。
ウルサイ物をそうじゃないと認識すれば難聴の危険も高まるが、現実と意識がズレてるって事ぁもっと大きくとか強くしたい場合にだって圧し掛かって来るのだ。
つまり現実とこっちの感覚が全体的にズレちゃってんだから、思った様な音とか加減がやってるつもりでも全部パーになっちまうのよ。
大小のどっちを専門とするにしても、最低限の両極をしっかり把握する処から行かないと始まらんのですわ。
そうする事で本当の最強最大とか繊細緻密の位置が分り、如何に音とか音楽は相対比較で成り立ってるもんなのかで御座居ますですよぉ。
<つづく>
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