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2020年7月

2020年7月31日 (金)

音楽備忘録359 素人に可能な防音・遮音⑱

本項前回では石膏ボードの応援演説の様相を呈したが、極力そうしようとしたって木材ゼロで構築するのもほぼ不可能だ。
そこで今回は振動・共鳴の防止・軽減策へ進めて行くが、飽く迄事前策なのは忘れないどいて頂きたい。

金属よりゃ遥かにマシでも普通の殆どの木には繊維が含まれてるので、これの反応を皆無にするのは不可能だ。
物質性質的に共通部があるってのは仲間が大勢居るヤンキーみたいなもんで、誰か1人が敵を感知すると忽ち連絡が行って一斉に集まって来る様なもんなのだ。

この手のを音響的には物質固有共振等と呼んでるが、木で一番これを軽減してるのはパーティクルボードってヤツだ。
わざと一旦木をおが屑状態にしといて、後から接着剤と圧力で形成し直してある。

そんな手間を掛けるのが端材の活用(金儲け)が先か材の性質の為かはワシャ知らんが、薄い板状にすると繊維のあるのより強度は著しく低下する。
全体強度はかなりの分厚い塊でも狭い範囲だけの耐力は脆く、従ってスピーカの箱等で良く使われてるが素材剥き出しのは皆無だ。

これで誤認され易いのは響かないと思われがちな処で、多少響きはするが音に依っての差が殆ど出ないってだけである。
それでも差の少なさは癖を付けない利点があるので多用されてる訳だが、本用途では高密度から来る比重の重さも問題になりそうだ。

どうせ重くて脆いなら石膏ボードの方がもっと響かないからそっちを押してるんであって、絶対使えないって程じゃないがね。
それは兎も角木材はそのままでは必ず何等かの音に共鳴しちまうから、吸音材等がご登場となる。

本来の目的には吸音では無く「制振材」の方が適してて、鉛シート等がその代表だ。
当然の如く鉛シートにはそれなりの効果はあるが、これを採用するにしろしないにしろその前にどうすれば無振動に近付けるかは原理だけでも押えときたい。

その筆頭は何と言っても重いのが一番だが、重さだけで解決するには非常識に桁違いな重量が必要だ。
何処かの広大なお国だったらまだしも、どんな辺境へ行ったってそんなのより狭い日本では実現性はゼロに等しい。

そうなると最善策じゃなくても撹乱して誤魔化す方がまだマシな結果が得られるから、共振・共鳴周波数を多数に分散させてしまうのが次の目標となる。
この手の特定部に対する反応ってな、それが1点に集中する程大きく出るのが多い。

理想は反応を無効化したいけれどそうは行ってくれないから、性質を逆利用してピークを小さくしてやろうって作戦だ。
ここで防音・遮音の最大成果とは何ぞをおさらいしとくと、最終的には「一番洩れるのを許容範囲へ納める」事なのを再認識されたい。

それには限られた予算・重量・寸法の中では鉛シートの制振だけではどうにも足りず、鉛シートは壁板等自体の共鳴し過ぎ等を緩和する物とお考え下され。
因みに鉛シートだって隙間根絶に効果はあるけど、隙間をターゲットにするならビニール等の方がもっと適している。

それは接続部分の気密性の差が原因で、ビニールであればジップロックであれ熱で溶かしながら圧着させるのであれ色んな方法で比較的簡単に封鎖出来る。
なので楽器でそんな高音だけしか出ないのなんて無さそうだけど、もしそんなのだけが問題だったら園芸用の小さ目なビニールハウスにそれなりの加工を加えるだけでも充分かも知れない。

でも大抵は真っ先に低音の洩れが問題になってるから、上記みたいな特効薬が無いのだ。
そこで壁・天井・床等の板部分については概述の如く、強度は無視出来ないが「細切れの集合体」とする方が共振・共鳴のピークが表れ難くなるのでそうされている。

そうは言っても実質は他要素とのバランスを考えなきゃなんないから、全部をやたらと細切れにする訳にも行かない。
これ等「面を支え固定させる」には、メインの柱は分割しない方が圧倒的に有利だ。
因みにⅡで形を維持させるだけなら丈夫な面体だけの組合せだけでも足りたりもするが、その各面が全く撓らない→振動しない様にするのは是又非現実的な硬度が要求されてしまう。

面主体で考えたとしても所謂ツーバイフォー等が好例で、面=板には細くても柱は付いている。
制振を目的とした場合もどんな工法を選ぼうと撓りの完全排除は無理に近いが、一番撓った時でもたったこれだけを目指すと柱は多目の方が有利なのは上記と一緒だ。

プロの奏者は単純に完璧を目指すより多少の失敗があっても使える音になるのを目指してて、他分野に比べると必ずしも理想まっしぐらじゃ無いのは一寸異質かも知れない。
が本件みたいに理想が遠すぎる場合は、そんな考え方が身に付いてる人の方が成果を出し易いのを付記しとこう。

<つづく>

2020年7月30日 (木)

音楽備忘録358 ヘッドホンと体格の関係Ⅲ

さて見落し易い問題点を例示した処で、そもそものタイプ別の得失に触れとかなきゃだ。
本項に沿った分類として取敢えずはオーバーイヤー・オンイヤー、当節大流行のインナーイヤーの3タイプで比較して行こう。

概知の方も多かろうが一応各名称の説明をしとくと、イン=Inなのでこれは中に突っ込むらしきが分り易いだろう。
若干紛らわしいのがオーバーとオンで、耳の外からと頭に乗る点では同じなんだよね。

この表現実はどっちも耳に対して限定になってて、オーバーは覆い被さる・オンは耳に乗ってると捉えての様だ。
つまりオンの方は希少例外以外の多数派は被っても耳全部が隠れない程度の大きさで
、それより何より必ず耳自体に押圧が加わるのを意味している。

上記は一応世に出て来た順番にしたつもりだが、前者2つの時期差は明確では無い。
けれど小さく作るのにはその分技術が要る点と、能率を考慮すると大昔はオーバーイヤータイプしか困難そうな感じがするね。

先ずそんなに小さく出来ないからオンイヤー以上となるが、低能率や増幅器が貧相であれば遮音を良くしないとそもそも聴き取れなくなるからね。
それが技術の向上もあってどんどん小型化が進み、持運びや髪型等の阻害が無い等で今日の様相を呈している。

しかし一部趣味性でオールドスタイルを貫く者以外に対しても、声を大にして指摘しときたい点が俺からは山程ある。
必然性に従ってのインナーイヤータイプ選択にケチを付けるつもりは無いが、様々な面で音を優先するなら今の世情は褒められたものでは決して無いのだ。

一番根源的な理由は「人耳は耳穴の中で音を聴く構造にはなってない」で例え鼓膜の外側であっても、耳穴は耳全体より外で鳴ってる音を正確に聴ける様にする為の音響部品の一部だからだ。
Vocal Micの頭の丸い部分の一部でも手で覆う持ち方をする輩を我々PA屋は嫌がるが、丸い金網の部分は全部に通気性が保たれてて始めて所望の音響性能が得られる構造だからだ。

簡単に云やそんな持ち方されるとハウリングマージンが極端に低下するからで、これが声量の足りない見栄えだけしか考えて無い連中に多いから尚質が悪くていけねえ。
これも勿論困ったちゃんではあるが本項と比べたら実はまだ可愛いもんで、それは不具合が他人にも同じ様に分かるからだ。

ヘッドホンだとどんなに音が奇妙奇天烈変質してたとしても、本人以外にはそれが聴こえないから大変だ。
つまり使い方を一寸しくじっただけでも、もう裸の王様要請ギブスとなっちまうのよ。

特に近年は一般環境だと、印象面で演出の少ないスピーカから聴く機会が恐ろしく少なくなったもの。
先ずスピーカ聴取では音源との距離がヘッドホンより桁違いになり、しかしその方がまだ生楽器を生耳で聴くのには近い。

これに依って距離近過ぎが及ぼす現実とは異なって聴こえる現象からは相当開放されるが、より深刻度が増したと感じられるのが音色だ。
俺言い「印象面での演出」とは、例えば弱い音が強そうにになったりその逆になったりするのを指している。

鳴らした音の内「弱いヤツ」ってな環境が一寸でも悪化したり、音源から少しでも遠ざかったりしたら急に聴き取れなくなる様な類のだ。
自然環境下ではそんな存在感のグレーなのも、耳の直近から発せられれば間に敵が殆ど居ないんだから負ける姿が拝めなくなる。

言うなればこれはヘッドホン界でしか生きて行けない音ってなもんで、最低でも聴かれ方を指定でもしとかないとこっちの思惑通りにはならんって按配なのよ。
そりゃ楽器の生のを生耳でと例えば電子のをヘッドホンでなんて比べたら、元からかなり音は色々と違ってますよ。

でもね、音ってそもそも「空気の振動」って「自然界全面依存」の存在ですんでね。
その姿のありのままを知りたいなら、なるべく「生のを生」に近い形で聴いてみないと分からないんですって。

そんな体験が不充分なまま幾ら良い感じと思ったって、上述みたいな外敵に晒されたら通用しなくなりますねん。
他人と或は原形通りに聴こえてるかの判断は酷く困難で、余程膨大な体験を経ない限り僅かな保証も持てないずら。

<つづく>

2020年7月29日 (水)

音楽備忘録357 素人に可能な防音・遮音⑰

色々言って来ちゃったけどもし実際自前でやるとして、最初に問題になるのは材料って事が多そうだ。
基本的には木材で攻めてくのが中心になるだろうが、もし新たに購入するなら石膏ボードが欠かせない。

木材は加工性や入手性に優れるし、日本男児であれば義務教育の過程で一度位は皆切ったり打付けたりした経験もあるだろうしね。
でも既に少し触れてるが防音・遮音が目的となると、材料に共振とか共鳴されると苦しい。

何しろ響かせ易いので楽器に多用する位だから、決して木なら何でも良い訳じゃ無いけれど。
そりゃ板裏の骨組みの色々とか吸音材をしこたま貼ったりすりゃある程度は抑えられるけど、男が女に変身する様な変化を期待するのは普通は無理だ。

のでたまたま手持ちが一杯あってそれだけで全部賄えるとかででも無い限り、或は求める性能がそこそこ高いなら石膏ボードを避けてちゃ始まらない。
個人差はあろうが日曜大工に親しんでても木よりゃ馴染みが薄いのも然りで、木より割れ易いとかくっ付ける方法が少ない等の不便は確かにある。

けれどそれも加工若しくは工事の精度を気にした時の話しで、普通なら釘で打付けて止めるのも俺としてはネジ締めにするのがお勧めだ。
どっちで固定したって接着とか溶着させるよりは後の「緩み」の心配は残るが、後での修正が簡単なのはネジ締めの方だ。

貼付けたのが剥がれたとしてそれが綺麗に全部だったら、単にもう一度貼り直せば良いよ。
でも大抵は変な所だけ剥がれただの浮いただのってなるもんだから、接着剤を塗布するはおろか目的の場所へ正確に適量を流し込むのすら困難になったりするのが常ですがな。

釘の場合その緩んだ原因が木材の乾燥進行に依る所謂「目痩せ」だったら、太さをサイズアップしない限り幾ら叩いといたって暫くすりゃ又出っ張って来る。
ネジにだって頭やネジ穴の山をなめたなんて弱点は持ってるけど、施工後でも無傷で分解可能な利点もある。

ここでもしかしたらネジだと釘より「事前穴開け」(下穴)が要るのを面倒がられるかもだが、例え石膏ボードで無くても「絶対に割りたくない」ならこれは常時必須の工程なのだ。
現実レベルでは精度不要箇所だったら、例えばベニヤ板に多少ヒビが入ったって留まっててくれりゃOKなんてのもあるだろう。

木には繊維があるお陰で割れても抵抗力皆無にはなり難く、粉々になっちまうとか完全分離しちまう様なのよりゃ確かに外見上の変形は少なくて済む。
けれど固定力が著しく低下するのは避けられないので、隙間どうこうとなるとそうなっては性能不足を招く。

故にこの手の用途では可能箇所は接着と、ネジ止めの併用をするのがお勧めだ。
業者の施工では木に対してならコースレッド等と呼ばれる「専用タイプのネジ釘」を使われるのの方が多そうだが、それだと下穴省略可能な場合も出て来はする。

だが厳密には材や施工方法毎の細かい種類差もあるので、材もネジもほぼ全把握出来て無い限り素人が下穴を省くのはリスキーだ。
実際プロの職人だって失敗するのは珍しく無く、そんな時は材料を少し無駄にしてたりもする。

だが仕事量が膨大に増加すれば人件費もそれに比例するし施工期間も延びるしで、経済的な妥協点に従って選択してるって感じだ。
それに対し素人が個人でちっこい目のをたった1つしか作らんとなりゃ、材料の健全を最優先にするのが何たってお得。

それ等を総合すると当初は面倒に感じても、ケチらず地道に下穴加工をして行くのが却って近道なのだ。
面倒な代わりこれには他にもご利益があって、それは例えば電動ドライバで締める時にズレたりするのを予防出来る。

そりゃ下穴の時点でズレる危険だってあるけれど、これは最初に開けるのに使うドリルの刃等をケチらず細目のを使うと補える。
具体的には怪しげな補正方法だが4mmの穴が欲しいのを先に2mmで開けとくと、位置誤差2mm迄なら後から拡張する場所と方向に気をつりゃやらかしちゃった失敗を無かった事にも出来る。

勿論そんなの邪道道まっしぐらだから後からの分はもう普通にドリルでなんて無理で、ヤスリか何かで更に地道にと空き巣並の暗い姿になるがね。
でも失敗が許されるとか、ミスっても補えるのはとても助かると思うんだよね。

<つづく>

2020年7月28日 (火)

音楽備忘録356 ヘッドホンと体格の関係Ⅱ

しかして何の予告も無く始まってる本題だが、筆者としては魔改造も辞さぬ原因説明も兼ねてるつもりだ。
自然体に従うとこんなのも起き易くなるが、真実の声として読み辛さを辛抱して貰えると嬉しいです。

今回は具体例の一部を図示して…と思ったが見事に挫折、想像を絶する複雑な3D形状に音を上げた。
中でも曲線中心であらゆる組合せのあるのが致命的で、CGの本職さんだとどう克服してんだろねで俺にゃサッパリだ。

では耳の色々の具体内容へ進めてくが、大きさも大事だがそんなのは全く序の口だ。
その他に真横から見た角度もあるが、この2つは本件では差し詰め初心者レベルだ。

ヘッドホンとの整合性ではオーバーイヤータイプの場合、最初は大きさが無理無くスッポリ収まるのを選びゃ良い。
オンイヤータイプのについては後述するが、サイズが問題になるとしたら耳じゃ無くヘッドバンドの長さ等だろう。

だがもうここから実は秘かに第一関門の訪れてる可能性があり、それが真横視点での耳全体の傾斜角だ。
耳の左右で角度が大巾に違う人も普通は居ないので、殆どのヘッドホンではこれの調整がイヤーカップ自体では不可になっている。

下手に動くと設計角度から逸脱する懸念もあるからで、使用者側はヘッドバンドの位置即ち全体の角度を合せるので代用させられている。
すると極端に耳上部が後傾してる場合、ヘッドバンドが頭の後ろへ滑り落ちる度合が上がっちまう。

前傾してるのは記憶に無いが設計想定より傾きが少なけりゃ、今度は前へズリ落ち易くなる。
この懸案に対してはヘッドバンドの前か後ろへ紐でも追加すりゃ予防出来るが、元からより滑り易いヘッドセットMic以外ではやられてるのを見た記憶は無い。

それより見逃しがちな大問題は、イヤーカップ形状とのフィッティングだ。
無駄な空間や重量その他を減らすには長円形の方が良いが、万一角度不一致が大きいと綺麗に収まってくれなくる。

特に外側から見ると真円なのに内側から見ると細長くなってるヤツだと、鏡で確かめても中のズレはとても把握し難い。
なのでもし大きさ的には足りてる筈なのに何だか息苦しいもとい、耳苦しく感じられる様ならこれを要チェックだ。

この問題を抱えてる場合の簡単な回避策としては内側も真円になってるのを選べば、特に耳が小さ目の人なら角度問題の内収まるかに関しては開放されるだろう。
尤も頭が小さい上に縦長な方だと前後方向に隙間が出来易くなるのが弱点で、つまらん小事ですんなり行かなくなるのが残念だがこの案件の特徴だ。

何らかの理由でそれじゃ嫌だったら例えやってる人を見掛けなくても、恥も外聞も捨てて紐追加等の策を講じるしか安定は保てない。
けどもし上手く処理して「何か他と違って凄い事やってる」感でも醸し出せると、安易に諦めて望まぬ音に我慢しなくても済ませられる。

さて上記で「収まるかに関して」なんて周りクドっぽい文言になったのは、内部ユニットを傾斜させてるのなんかもあったりするからだ。
外からその様子が簡単に目視出来ればまだ良いが、予め疑って掛って確かめないと分からない位の作りになってるのもある。

そうなると耳自体は収まっても設計想定と傾斜の基準点がズレたりして、まるでわざと曲がって被ったのと似た様な状態になって当然聴こえに悪影響が出る。
この手の問題をオーバーイヤータイプで一番起き難くするには、どんな耳でも強引に平らに押し潰してしまう様なデザインにすれば良い。

しかしそれでは掛け心地は今一だし特に長時間連続でなんてのは、血流阻害が甚だしいから根性だけで解決出来るもんでもなくなる。
人体には余計な力が掛り続けるのも色んな悪影響があるもんで、仮に健康を一切度外視した処で聴こえに「変な色が付く」位は朝飯前だ。

<つづく>

2020年7月27日 (月)

音楽備忘録355 素人に可能な防音・遮音⑯

いやはや又しても時系列のおかしい後出しジャンケンスタイルになっちまうが、本項前回の通路部縁切り話し続きから。
多くの貸しスタジオ等では
そんな風にゃなってないけど…、に対する配慮が欠落しちゃってて御免なさいよ。

これは構造の相違でそうなってんだけど、上記「多くの」の多くは一般ビルの一部分にある。
詳しく調べたら違うのも少しはありそうだが、それらは基本的に外箱はビルのコンクリート躯体が活用されている。

つまり防音・遮音工事で追加されたのは内箱のみとなるが、宅のの場合は建物外部から数えたら実は3重になっているのだ。
これは戸外と接する真の外箱が只の狭小木造戸建てな為、防音・遮音的にだと外箱として殆ど機能しないからだ。

極端例示すれば鉄筋コンクリートの平小屋を建てた外へ、それを覆い被す様に木造狭小ほぼ総2階を建てた様な状況だ。
つまり見かけは1軒だが物理的には別棟同然で、それなのに通路部が普通に繋がってたから台無しになってたのだ。

一方で一般多数派宿借り貸しスタジオは外箱(ビル本体)へ、弱められちゃいるが必ず内箱からの振動は伝わってしまっている。
ホントはそれじゃ同じビル内の別室の借り手には迷惑な話しだが、それがもし大衆居酒屋やカラオケだったら却って安心して騒げるだろうってセコイ考えだ。

けれどビルは頑強で重たいので、伝わって来たってそんなに簡単に丸々振動したりゃしない。
故に爆音部の開口部を閉鎖しときゃ、隣の建物で迷惑する程は外に洩れないで済んでいるのだ。

この「外≒他所には洩らさない」がこの類の防音・遮音の基本なんで、建物が貧相木造では外箱とはなり得なかったのである。
どうせ全体を鉄筋で建てられる頭金も無かったけど、それ以上に当時は市街化調整区域に指定されてた関係で建築確認申請の段階で却下されてただろう。

それでも手法としては業者との共同ではあるがアイデアの秀逸さに自惚れもあるが、1重増えてる分だけ空間効率は極めて低下している。
具体的には外側建物から見たら部屋内部広さはほぼ半減して居り、一般世間からしたら変人の典型扱いされてもぐうの音も出ない処だ。

これだけ語っちゃうと如何にも自慢したがりと誤解されそうだが、俺には一文の益にもならんのは忘れんといて。
寧ろ半分は失敗例と思って貰って結構で、そこ迄空間を犠牲にしても家族からダメ出しされれば自由に暴れられはしない日常が続いてるんだから。

この件結論的に述べると隣が近いってのが一番苦しく、同一建物内については狭いと絶望的だ。
尤も山奥のポツンと一軒家だからって無防音の窓戸全開では、麓の里に悪魔の断末魔が響き渡るからノーだ。

けれど特に生Drum等の場合は町場だったら従兄がそうなんだが、ある程度以上の規模の鉄筋コンクリート建物で「大家さん」であれば敵は家族だけに絞れる。
でもそれより今時は希少化著しい所謂「離れ」を建てられる、或は偶然建ってるのを利用するのが多分一番相応しいだろう。

それが更に土蔵とかであったら尚更結構で、それなら手間暇掛っても自前で頑張る価値が大いにありそうだ。
なんて厳しい現実を突き付けちゃうと諦めの境地になっちゃうかもだが、電子ドラムや練習パッドだからって無防音で平気と思ってたらそれこそ無謀だ。

俺としたら本邦はこう云う発想が蔓延ってるのが駄目な処で、その内政権交代でもした日にゃタバコみたいに目の敵にされるのは時間の問題だ。(既にコロナ禍に於いてエンタメ系は卑下されつつある💢職業蔑視反対!!!)
エンタメ系や娯楽系業界には極一部でも、酷くいい加減なのが過去から現在に至る迄中々絶えない。

しかし安定的に継続させるには「敵に隙を与え」ては駄目で、考え得る欠点や被害は予め極力潰しとくのが重要だ。
もしかしたら愛して無くて一時の恋だから、そんないい加減な振舞いが出来るのかも知れない。

読者次第では過剰防衛に映るかも知れないけど、これは飽く迄「中では遠慮無く思いっ切り演れる」為の布石と思って貰いたい。
貴方が現時点で世界的な奏者にでもなれて無い限り、余計な遠慮は必ずパフォーマンスにも悪さしてくれちゃうからさ。

<つづく>

2020年7月26日 (日)

音楽備忘録354 ヘッドホンと体格の関係Ⅰ

執筆に際し精査したでもないけれど、長年の体験事例だけでも記録しとこうってな魂胆だ。
家庭の事情でもう暫く前から休業を余儀なくされてるが、録音Studioをやってると実に色んな人がやって来ていた。

宅は当然乍らRock系を専門としてはいるが、駅近でもなけりゃ箱も人も完全無名の存在だ。
当初はネットなんて無普及だったのと無予算だったのもあって、そのままずっと広告は一切出していない。

尤も万一宣伝して上手く行って大勢押し掛けられた処で、1部屋しか無いわ狭いわで看板に偽りありと思われても困る。
又自分も過去に散々体験して困窮させられたが、少なくとも当時本邦身近では例えばFunk専門のスタジオなんてのにはお目に掛れなかった。

これ等から専門外でも手に負えるのなら何でも引受ける事にし、そうしてると普段音楽を演るのに全くヘッドホンなんて使わない方々もお越しになられた訳だ。
そうなるとこっちはオーダーメイドの仕立屋さん並のスキルが要求され、機種選択はおろか被り方や適正判定の仕方からのレクチャーも必須となった。

聴こえ方の不備のせいで録音が悪くなって、箱や俺の名声(あるのかよ???)に傷が付いては敵わんとな。
いやそれは言い過ぎとして色んなのに対する耐性は高目の俺でも、実際より相当悪く思われるのだけは流石に勘弁ですがな。

だいいち良い音を求めた挙句の果てなので、悪い音には一切加担したくのう御座居ます。
そうこうする内使用者の耳の形を観察する癖が付いて来て、改めて眺めてみると驚く程個性豊かなもんでやんした。

それも顔のパーツとしてなら普通は美人で酷い鼻なんてなあり得んのに、耳に限ると正反対なんてのも平気であるんですわねえ。(他意無し、失礼😓)
そんな「千差万別なの」が更に付いてる位置や、頭頂部からの距離だって千差万別なんだからねぇ。

すると単に頭でっかちでもヘッドホンは小型ので間に合う人も居りゃ、小顔だから余裕かと思ったらヘッドバンド最長にしても何だか苦しそうなんてのが…。
俺は後頭部絶壁野郎とののしられて研究心が芽生えたのか、大小に関わらず形は実に様々だった


個人的に理想に反してるのは何たって真上から見ると頭が平べったく扁平してるのが我慢ならず、頭の絶対的大きさ以上に顔が自動的に巾広になっちまう。
そんな事嘆いたって殆どどうにも出来ないし、頭でっかちか大顔連のどっちが先でそうなっちゃったのかすら不明だ。

せめて同じ大頭でも奥行きが深いタイプだったら少しは恰好良かったんだろうが、もしかしたら横から見られたら今度は顔巾の割に頭がより大きく見えて悩むかも知れん。
この際見栄えは完全放棄したとしてもまだまだ懸念は残ってて、サイズに見合ったお利口度が無いと努力の足りない人に見えたりしたら…閑話休題。

ヘッドホン的観点からの俺頭としては耳が割と低い位置に付いてるので、全体としての頭の大きさ以上にヘッドバンドの長さが無いと足りない。
とこんなのが沢山あるから誰でも合せられるにはインナーイヤーの方が簡単なんだろうけど、一定以上低域含有率が高い爆音に対しては被らず突っ込むだけではどうにも遮音性が足らない。

他にもインナーは発音源が鼓膜に近過ぎるのに俺は問題意識を持ってるが、普通はそんな短距離で何かを聴くなんて先ず無いからだ。
特に一定以上の大きさのある生楽器ではそこ迄近付くのは不可能なので、原理的には幾ら頑張っても絶対に似た様な音を聴く事が出来ない。

ヘッドホンだってかなり自然界には逆らった様な近距離になるけれど、発音体が体内エリアより必ず外部になるだけでもまだマシなんじゃないかな。
しかしそれもこれもちゃんと設計想定範囲内に装着出来たらの話しなので、そのフィッティングを制作・使用者の両サイド共もっと意を払うべきだと思うんだ。

<つづく>

2020年7月25日 (土)

音楽備忘録353 素人に可能な防音・遮音⑮

箱話しの続きもこの辺から徐々に表題に沿った方へ寄せてくが、材質や規模に無関係な共通必要知識から行ってみよう。
先ずは買うなり頼むなりこれから自作する箱とそれを置く場所との問題だが、当り前過ぎるが直に置いてはなりませんぜ。

そりゃ中で全然低音を出さないならまだ良いが、例え歌でもエキサイトして足を踏み鳴らしたりする可能性があるならそれは直駄目コースだ。
比較的低性能でも普段より外部雑音が聴こえなくなったりすると、つい山中の誰も居ない所に居る様な錯覚に捉われたりもするからさ。

って言ってもそれは景色や空気じゃ無く「音環境」だけの事なんだけど、特に日本人的気遣いなんかが身に付いてると自動的に周囲の状況に勝手に反応しちまうからね。
背景音に「誰か近くに居る」雰囲気を察知すると世間モード、それが感じられないと個人モードなんて少し特殊な条件反射みたいな。

なので折角箱を増やすなら何らかのクッション性のあるのを下に挟んどくべきで、出す音と箱の重さ等次第で極簡単なのでも良いから省くと大損だ。
それと床に凸凹が多かったらチト面倒にはなるが、なるべく広い面積で支えるのがお薦めだ。

荷重が集中すると接地圧が高くなるが、柔らかく受け止められる物は重くなる程種類等が減って来る。
それに例え僅かに震える位でも「動く」となればこれをエンジンに例えたら、重さが重いとターボやニトロでも追加した位「他を
揺さぶる力」が俄然強まるのだ。

次に特に2重にする時に外箱と内箱が床以外で触れては台無しで、理論的理想としてなら内箱は外箱の中で宙に浮いてて欲しい位だ。
箱内外間に緩衝材としての気体や液体を封入出来たりすりゃ最高かもだが、地上では重力もあるしでかなり非現実的だ。

この意味では床の分は仕方無く妥協してるのであって、やろうとしたら出来るのを妥協するのはこの方面では絶対禁止だ。
因みに一定以上の規模(広さ)と性能を目指すと「吊天井」も使われるが、荷重を少しでも減らすのと「支点からの距離」が大きくなるからだ。

後者は梃子の原理と近似で支点から遠ざかる程小さい力で箱を振らせられる様になるからで、考え様に依っちゃ箱の「振れ止め」と思って貰っても良い。
なので内箱構造的には天井と壁は強固に結合されてるが、非防音仕様のと違って外箱からの吊り金具の途中にはサスペンションが付けられている。

これを最近恒例の逆手思考すれば狭きゃ吊る必要無しで、外部との接触は面積は広く箇所は少なくがモットーね。
総重量の都合で素人で2重箱に挑戦するケースは稀と思うが、もし2重にするなら前回述の如く内で中高域・外で低域を主に遮断するんだからこれは重要だ。

因みにⅡででは開口部の処理はどうすんだであるが、電車の連結部の幌みたいなもんって言ったら趣味性が高過ぎるか。😅
要は隙間は決して許さんが振動は直接伝わらない様にすれば良く、一番簡単なのは硬化後も弾力が維持されるタイプのコーキング剤の利用だ。

実は宅のでその部分は防音業者じゃ無い方が担当した為、手違いだかで当初は木材で繋がれてしまっていた。
俺の失態で気付くのがかなり遅れたのもあって仕方無く、そこを自前で根気よく切断して上記の手を使った。

露骨な効果は得られなかったが全く変わらんでも無く、この程度でも際どい状況下では救いの神にもなり得るだろう。
もっと柔らかいのを使ったらより良いかもだがそれが固形物だと、結局その接合部の充填等を考えねばならないし。

加えて恐らく施工者の理解不足のせいで分割可能な巾は狭いし、それ以上は周囲の内装もやり直しが必要な状況だったんでね。
なので宅ではこれじゃ大分妥協の産物だけど、そこ迄の性能を求めて無いなら必要に足りると思う。

因みⅢで効果が顕著じゃ無いからって省いちゃ駄目で、実に地味で渋いけど「少しづつの加算」で攻めるしか無いよ。
それとそんなのだと普段はとても差が分り難いけど、何かの拍子で特定の音を鳴らした時には雲泥の差が突如現れたりもするんだ。

悪い事にはこれが駄目な時程ハッキリ洩れちゃって、上手く行ってると良く分んないから輪を掛けて厄介なん
だ。
失敗が許される環境で2度手間を辞さないなら、試しに手抜きしてみるのも一興かも知れないけど…。

<つづく>

2020年7月24日 (金)

音楽備忘録352 魔改造悲喜こもごも➄

今回のはほぼ全てに共通な懸案だが、買換えと修理の選択判断についてだ。
取敢えず混迷化を避けるのも兼ねてドラムスローンので進めてくが、世間の時流(特に本邦等)では政治や業界の主導もあって買換えばかりが主流だ。

旧来の経済理論だけに従えば全てのが同じ箇所で故障したりなんてしないから、その辺等で修理にはどんなに頑張ってもオーダーメイドの部分が残ってしまう。
新品なら全く同一で良いので量産効果からのコストダウンが大きく、時間効率的にも経済理論としては買換えに合理性があるのは確かだ。

だが実用内容の情報が不足してるこの手の論理には大きな欠陥があり、道具が急変する等から来る習熟その他に要すマイナス面が無視されてるのだ。
そこでまだ内容面に踏み込んで無いスローン案件から行くが、従兄の場合「フィット性」が原因でこねくり回す事となったのだ。

教室を主宰してる等で常に割とスローンも
数だけは余裕があるが、暫く本気で録音する機会から遠ざかってる内に本人に最適なのの供給が疎かになってしまっていたのだ。
先生としちゃなるべく色んなイスを知ってた方が良いし、自身が演奏姿勢に少し迷ってたのもあったから余計に拍車が掛っちゃってたらしい。

その挙句いざその気になってみたら、新しいのならコレってのには浦島太郎化していた。
尤も散々試した処で既に見つかってるのを凌駕する保証は全く無いが、現状で分る範囲でだと彼にとっては「グラつき修理」が最善策と出たのだ。

それで問題となったのは補填策の寿命の短さと手間で、今回コロナ禍も含め諸事情から初めて従兄は自前に挑戦中となっている。
従前は今年が終る前には新調すると言ってたが、これが軌道に乗る様だと考えが変る可能性も否定出来ない。

要はその人にとって必然で平時のルーティーンに含められるかどうかってなもんで、それが弦や皮の交換だったら億劫がり過ぎりゃ酷い怠け者のレッテルを貼られる。
俺としては従兄の「座面回転不要」「無動揺堅持」って条件なら、脚の方を別物(それは筒です)に挿げ替えるのが最善と考えている。

しかし少なくとも従兄手持ちのお気に入り座面に買って来ただけで使えそうな「筒」なんて見当たらず、最低でも他分野から見つけ出す位はしないとどうにもならんだろう。
こうしてみれば買うったって捜索や選択の手間はある訳で、自らで手に負える方法が確立出来たらその方が確実で手っ取り早い。

他でも弦楽器のブリッジ等がもっと丈夫だったらなんて感じさせられてるが、いざそうなったら体験的には音の方で不都合が出るのが殆どだ。
幾ら丈夫で長持ちが良いったって例えばそれがネックだったら、全く握れない程太くなられても困る。

なのでイスでもDrumsetのを楽器の一部と看做すなら、多少メンテナンスに手間取ろうと相性最優先でも大いにアリだと俺は思ってる。
勿論面倒を減らしたいのは山々だが、どうせイスだけメンテナンスフリーになった処でそこかしこで放置プレイは無理なのだ。

不器用な人に無理に薦める気は毛頭無いが、特殊性(個人性)が高い分野だけにどう頑張ってもお金だけじゃ解決し切れないのも又事実だ。
買うと弄るの割合は人夫々で違ってるだろうがどっちかを完全に無くすのは、クウォリティを犠牲にしないなら不可能。

これ迄従兄も「独自の組合せを編み出す」等はやっていたが、新しい次のステップへ踏み出しつつあるって処か。
成功保証の無いお試しは気が重くなったりはするけど、試さないと知れない知識だけは誰にでも必要なんじゃないかと思うんだよな。

<つづく>

2020年7月23日 (木)

音楽備忘録351 素人に可能な防音・遮音⑭

今回は敢えて素人にはほぼ不可能であろう特殊構造に言及しとくが、何の為にそれが要るのかを知るのは参考にはなるからだ。
先ずは多くの本格的な防音室はマトリョーシカちゃん人形に少し近い処があって、その殆どは部屋を箱とすれば2重に「入れ越し」になってる件から。

これは勿論音の遮断の為ではあるが、もし爆音の成分が高音だけだったらそんなのは不要だ。
頻述の如く音程が低くくなる程振動成分の含有比率は上がるので、振動が伝わらない様にすれば低音が洩れ聴こえなくなるのだ。

それには隙間だっていけないけれど、それ以上に振動成分が僅かでも伝わっちゃ困るんでがんす。
それで内箱は隙間の無い木造、外箱は鉄筋コンクリート製なのがデフォとなっている。

両方コンクリの方がもっと良さげに思うかもだが重いのを柔軟支持するのが困難なのと、慣性モーメント等も含め「振動エネルギー」が大きくなっちまうからだ。
確かに重い程振動は「し難く」はなるんだが、一度震え出してしまうと「他を揺さぶる力」が大きい。

だからもし中でBONZOがエキサイトしても微動だにしない様な箱を作れるなら別だが、可能でも恐らく非現実的な壁厚や外形・重量になっちまうだろう。
現に全く音楽では無いが以前記した高架道振動公害の例もある様に、地面の方が持たなくなるのが目に見えている。

又隙間についてはコンクリートは石膏ボード等よりは水が滲みるので分る通り、必ずしも最善では無い。
これ等から一般的には内箱ではコンクリートにするとしたら床板だけで、これは主に荷重の均等伝達を期しての措置だ。

振動の伝わり難さでは柔らかい程良いんだが、床の場合はそれだと特定部位にだけ重さが作用し易くなる。
その重さ対応でクッションを固くすれば、重さの掛かって無い場所では固過ぎてクッション効果が足りなくなってしまう。

ならばと軽い方へ合せれば重い箇所では潰れて(収縮し切って)機能しなくなるし、中間値を取ったら取ったでどちらにも中途半端な効果しか得られなくなってしまう。
これを避けるには極力荷重が均一になるのが望ましく、特に面積が一定値を越すと木や金属より石の方がご利益があるからだ。

作り方次第で木や金属でだって撓らなくは出来るが量を圧倒的に増やさねばならなくなるから、場所を取られる上幾らも軽くはならなくなってしまう。
しかも内箱自体が大きくなれば重くなるし中に置かれる重量物も設置場所に自由が与えられた分、後で何処へ持って行かれるかも分からない。

これ等を総合すると内箱単体では止め切れぬ場合も多いが、先ず内箱で中高域をそして外箱で低域を遮断する様な戦略が取られている。
又性能的には不利でも外箱が木製になるのを容認しなきゃなんない場合もあるが、それは建物自体の耐荷重制限が強まる2F以上の部屋の場合だ。

体験としては今はもう建て替わって残って無いが、従兄の実家が2Fだった為にこれだった。
直下の1Fでは上でバンバン叩かれると静かとは言えぬ状況ではあったが、家の外へ出てしまえばまさか中ではそんな爆音になってるとはってのが達成されていた。

因みに宅現況は上記とは丁度全てが真逆になってて、重さの問題が優先理由では無いがコンクリート外箱(宅の場合は中間だが)は地面直置きだ。
既にある建物に後から追設する場合でも1Fで床をくり抜いて平気だったら、建物に乗らないんだから重さの懸念からは開放される。

理論的にも実質的にも後者の方が明らかに有利なのは間違い無いが、だからって劇的に静かになんてなってはいない。
「くっ付いて無くてもすぐそば」ってな防音・遮音には致命的なもんで、ものの2~3mでも離れられれば全然違うのにって感じだ。

因みにⅡで割と訪れた機会と部屋数の多い公共施設の建物の例だと、特に静粛性が求められる部屋がホールや爆音練習室の直上・直下とか隣にあった試しが無かった。
建物自体は大きく頑強なコンクリートのビルなのに、最低でも通路や倉庫等が必ず間に挟まる配置となっていた。

<つづく>

2020年7月22日 (水)

音楽備忘録350 魔改造悲喜こもごも④

前回後部で失敗の悔しさから愚痴だけと受止められ兼ねないが、ヘッドホンを常用する業務からの観点では大事な問題なのだ。
こっちは買換えの出費を減らしたいのも勿論だが、それ以上に問題になるのがヘッドホンAmpだ。

もしインピーダンスや耐入力が大巾に変わったりすると、従前からのAmpがマッチしなくなったりするケースが出て来るからだ。
本邦ではPA現場も含めスピーカ耐入力よりAmpの最大出力の方が大きいのなんかが平然と放置されてるのが多いが、本来「専門家の仕立」でそんな真似しちゃ恥の骨頂だ。

運次第で下らない故障を起こす組合せは、システムとして基本的な条件を満たせていない。
俺は最も大した事無い立場に居るんだけど、だからこそ壊す可能性のある組合せじゃとっても困るんだ。

予備品の常時ストックとか機材更新の資金に乏しいから、持たせられる物は寿命迄持ってくれないとね。
尤も業務の確実性からしたら仮に初期投資が若干割高になったとしても、余計なリスク回避には必須事項なんだけどさ。

この件もしかしたら個人営業・個人資本の運営が本邦じゃ少ないからなのか、自分の楽器Ampで耐入力の足りないスピーカを買ったりそれで押通してる奴なんて居ないわな。
なので結局はこれも個人の自由なんだけど、寿命が短かそうなのとか修理が困難そうな機種は非推奨だ。

これも概述再三随時吠えだが、不要な機種変はこっちのアジャストの手間だって追加される。
気分刷新には効果のある新顔も、微妙な調整の際の聴き分けにはお邪魔な存在なのだ。

だからもし新顔を加えるにしても最低で充分な習熟期間が過ぎる迄は、それまでのスタンダードも併存存置させとく方が良いだろう。
それには用途が一般とは全然違うんだって意識が大事で、限度はあるが快適性なんて2の次3の次でも仕方無いのだ。

いい加減で話しの核心の残りへ移すが、今回実験迄はCD-900のユニットにより必要なのが後部容量かバスレフなのかが判定出来ていなかったのだ。
これはスピーカ趣味があると分かり易いんだが、密閉型・バスレフ型のどっちにも使えるユニットも結構あるからだ。

巨大さを許せば穴無しの箱でもOK(大凡バスレフ式の3倍程度)、計算と作製精度要求の手間を許すならバスレフでってな具合だ。
これからすれば本家のは容量はかなり小さいので、そこそこデカいイヤーカップのなら穴無しでも行ける可能性がある。

それが今回こうなったのからするとこのユニットは、どうやらバスレフ専用と考えた方が良いらしいと知れたのが収穫だろう。
これからすれば元からイヤーカップがバスレフ若しくは類似になってるのには低加工での転用が可能で、多少遮音性を犠牲にしても構わない時は外に小穴を開ければ上記以外のにも使えそうとなる。

それと本家のには一寸したマジック紛いの部分もあって、それはユニット自体を殆ど耳に圧着させる様な構造になってる処だ。
隙間無く貼り付けば背面音は侵入不可になるので逆相が排除されるのと、Micの「近接効果」と似た状況を起こせるがそれが活用されてるみたいだ。

俺はこの現象は大昔にウォークマンの開放型ヘッドホンで体験したんだが、ヘッドホンを強く耳へ押付けると低音が普通時より良く聴こえる様になったので良かったらお試しあれ。(但し押圧で耳穴が塞がる様なのはNG)
なので今回の失敗では主役は低音だが、高域の聴こえ方が不自然になった部分もあった。

ここで皆さんへ周知を促したいのが距離に依る音質差の件で、スピーカではどれも極力それが起きないのを目指されている。
一方ヘッドホンではほぼ全てが「近くて変質する」距離でしか使われないので、この変態性質を逆算して作られている。

故にかなりシビアに設計想定距離通りにしとかないとマトモな音にはなってくれなくて、体格に合わないのを使えば設計通りの音は聴けてない公算大なのは知らんと困る情報だ。
因みにここでの想定通り・合う合わないは、ユニットと耳との関係限定だ。

これも加味すると前述に加えもし換装器のユニット距離が遠目だったら、何らかの方法で下駄を履かせて近付けてやると改善させられる可能性もかなりある。
最後に念押しさせといて貰うが今回のは半分お遊びで、本項前回述の故障代替が主目的だった。

だったら何で遊べる様なユニットが余ってたかってば、億劫がって修理を未だに全部は終わらせられて無いだけよん。
副題に「窮鼠猫を噛む」とか付けといたら、もっと親切だったかな。😅

<つづく>

2020年7月21日 (火)

音楽備忘録349 素人に可能な防音・遮音⑬

変な新興宗教がかって来た上に更に屁理屈っぽくなるのでこんな俺でもチョイと気が引けるが、前回最後の件は意図して外的に低音量化させてのDrum練習等にその効果が認められる。
なんて堅っ苦しいからとっととほぐしちゃうと、音量が冷静で居られるレベル迄下がると俄然良く分かる様になっちゃうアレやがな。

これが唯一通用しないのは歌で、幾ら耳を塞いでも体内経路の音量が下げられないからだ。
この点で歌だけはありのままの状態に何とかして慣れて、人次第だがそれが爆音でも平然と受入れなければならない。

それ以外だって爆音系の本番想定した訓練にはそんな機会も少しは要るけど、常にその状態で練習しても得より損の方が多くなる。
色んな不備等を音量の迫力で誤魔化せちまうからで、それからすれば音楽家の誰にでも必要な防音レベルは絶叫が遮断出来りゃってのが指針になるかも知れない。

大して拘る必要が無い時でもまだ生楽器の全部が電気や電子では賄えてないが、Pianoだと広さ・収音性・保守の都合で一世一代の大舞台ですらデジタルなんてのも増えて来た。
どの程度普及するかは未明だが電子Drumに関しては、俺の若い頃は子供用のオマケだったのがもうそうでは無くなっている。

俺みたいな古い奴は未だに生の音量で世界を凌駕してやろうなんて夢も見るが、時代と実情に即した手段としたら例えば電子ドラムにDistortionを掛けちゃうなんて方が見込みがありそうだ。
それだとかなりな小音量でも恐ろしく破滅刹那的な音色が出せそうで、幾ら聴者が自分のイヤモニの音量を下げたって呪いの効力は堅持されるのだ。

これからすれば防音・遮音っても必ずしも外のみたいなレベルじゃ無くてもOKで、一部特定ジャンルや担当以外の者には日常の個人用としては充足させられそうなのだ。
これで一番相違が生じるのが「コンクリートの箱」の要不要で、これは作業精度にも大いに差が出て来る。

簡単にヒビ割れたりしない様にすれば必ず相当重くなるが、そうなるともし作れても「置けない」等の制約が出て来る。
セメントはもし固まってから曲がってるのが分ったりしたら破砕して打直すしか無いが、組上っても材料の加工性に変動が無い材でだったら後からの修正可能の芽が出て来る。

更に重いのを柔軟支持するのも大変で、軽かったら床には大して伝わらず箱だけが勝手に震えてるなんて状況が作り易い。
壁の遮音性としては1枚物を使った方が隙間は生じ難いが切れ目が無い=伝わり易いとなる分、材固有共振周波数の対策は結構面倒になる。

その為等もあって業者施工では特例を除き意図的に細切れな材料が使われ、隙間対策として目違い重ね貼りをされてるのが普通だ。
要は1重目と2重目の接続部をズラすって事で、将来万一密着が損われても少なくとも直線的で大きな隙間は決して生じないって構造だ。

これは防音に限らず隙間風予防等で一般建築でも活用されてるのがあるが、石膏ボードの天井等に多く見られる。
数が増えれば手間は掛るが各部材が小さけりゃ運ぶのは楽になるし、例えば狭い通路の奥にも作れる等実に素人向きだ。

これも含め多少の専門知識は要すものの防音・遮音工事とは、恰も延々続く夜鍋の内職と労働実態はほぼ一緒と思っても良いだろう。
ニーズの割に業者がちっとも増えないと思ってたが、もしかしたらこんな風に工期の特定が困難で忍耐力をひたすら要求されるのが敬遠されてるのかも知れない。

工事する本人が「ずっと弾いていたい」なら弾きたい気持ちの何割かを振り向けるだけで済むが、興味の薄いのに対して常に完遂を要求されるのではストレスでしか無いだろうな。
実労内容は楽器のケースの出し入れよりゃ遥かに重いけど、弾くのに必要な点ではそんなのと同列視しても良い案件ではと思うんだけど…。

<つづく>

2020年7月20日 (月)

音楽備忘録348 魔改造悲喜こもごも③

さて前回の補強で実験失敗のを恥も外聞も気になるの程希少価値もあろうってのと、失敗は成功の基とも言うから大盤振る舞い!?で曝け出してやるぅ。
今回はホントに言い訳成分ゼロで最大要因を挙げとくと、ユニットの音響Data公表が足りないのがそれだ。

本来が補修用部品なんだからやむを得ないけれど、そもそもあまりにもユニットの販売がされてないのに悪意を感じてしまう。
何故ってそれじゃあ売ってるのにどうしても合うのが見つからない人は、切り捨てられてるのと同じだからだ。

作る都合・売る都合その他色々あるのは承知だが、それならもっと使用者にフィットさせるカスタマイズが可能な様にしとくべきじゃんか。
現状は他分野と比べたら使用者の忍耐に頼ってる様なもんで、誠にけしからん事この上無いわい。💢

はこの辺で引込めといてこっちも何のアテも無く試した訳じゃ無く、現に別機種では無事に成功して常用中だ。
過去に書いたか思い出せないのでついでに付記しとくと、機種はPhilips SBC HP830って本邦では恐ろしくマイナーなヤツだ。

宅での録音の予約日が迫る中当時使用してたののイヤーパッド表皮がボロボロ劣化してるのに気付き、予算を始め数多の制約の中で探し出した代物だ。
劣化話しは多分概述と思うけど肌触りの良い表皮の薄いのはどうも耐久性や寿命に乏しく、その点を最優先にした結果でもあった。

お陰で「側」はまだほぼ健全だがニーズに対して耐入力が無余裕だったせいで、数年後に過大入力でユニットを半壊させてしまった。
しかしそれ以外はウチのニーズにはかなり合ってたので修理も考えたが、ディスコンになってから期間は経過してるは等でそもそもメーカ修理の道が残って無かった。

そこで調査・思案した処たまたまCD-900のとユニット径が同じだったので、自前で挿げ替える事にしたのだった。
現時点で俺知りではある程度以上のヘヴィな用途に使えるので売られてるユニットはこれだけで、他機種でもメーカに頼むお金が足りないとか期限が切れてたらこれが唯一の救済の道って訳だ。

んでこれの場合は大柄でイヤーカップが大容量だったのと、元からバスレフ式となってたのが功を奏して寧ろ魔改造後の方が断然良くなっちゃった。
んだが従兄に試着させたら俺とは全然違って聴こえたみたいで、頭や耳の形状差の影響は予想以上に大きいのを改めて思い知らされちまった。

再度軌道修正して本線へ戻すとこの時点では、容量かバスレフ式若しくはそれと類似の構造のであれば成功の可能性がある処迄判明していた。
因みにここでの「それと類似」とは、イヤーカップの何処かに通気口を有してるのを指す。

以前現物に出くわす迄はずっと密閉型と言えば「穴無し」しか無いと思ってたが、’90年代以降に俺からしたらそんなセコイ方式のが増殖したらしい。
何故嫌悪するってそりゃそんなんしたら名前に偽りアリで、オープンエアータイプよりゃ遥かにマシでも内外の音的隔離が悪化しちまうからだ。

発案者側としてはどうせ実用上強度に限りがあるイヤーカップじゃ、穴なんか無くったって低域は少しは洩れちまうからと思ったんだろう。
確かにご尤もではあるが外と中の音を少しでも別にしときたい用途では、やっぱり止しといて欲しい位の差が出ちゃってんだわ。

と又方向が怪しくなったのを戻すが、容量だろうと穴だろうとユニット背面の抵抗が少なきゃ大丈夫って事だったんだ。
この辺は普通のスピーカとサイズの桁が違うだけで、音響メカニズムは全く同じだ。

なので儲けが減ったらとかニーズが少ないからって、実際作ってる下請けがユニット販売するのを禁止するなんて電通並の暴挙だ。
だってどうせロクに売れなくたってひっきりなしに新製品出してんだから、そっちの方がよっぽど無駄な出費と思うのは俺だけかい!?。

<つづく>

2020年7月19日 (日)

音楽備忘録347 素人に可能な防音・遮音⑫

ここ迄のボヤキで大枚注ぎ込もうとどうしようと、結局は一々面倒が付いて回りそうなのが少しは知って貰えただろうか。
それ故製品の購入は用途や規模がピッタリ合致しない限り、例えお金が余ってる人にでもお薦めし辛いのだ。

予定も予算も皆無だから幾らも調べちゃいないけど、ドラム用の防音カプセルなら○と□なんて即答出来ない位あったとしても希少だ。
珍しいののデメリットは情報僅少も然る事乍ら、我々のニーズで最も心配なのがアフターサービスだ。

その厳しさたるや他のあらゆる業界とは段違いで、昔従兄と俺が依頼した業者はその頃ビクターの青山のレコーディングスタジオを施工担当中だった。
従兄と違って貧な宅でも頼めたのには裏があって、上記の工事の端材活用も偶然出来たからだった。

そんな大御所ですら名前こそ少し変形して残ってても、担当者を始め中身はスッカリ入れ替わってしまった。
時代は昭和末期頃なので宅に関する資料の方も一切社の方には残って居らず、こっちにとっちゃ所謂ディーラーとしての存在意義は皆無になっちまった。

なので数年限定とかだったら別だけど、大掛かりなモノなだけに今以上に後での心配を重視すべきだと痛感してるのだ。
この点で考えればかなり非効率でも極力低い技術レベルで成立してるのが好ましく、昔の自動車でアメリカのとドイツのを比較する様なもんだ。

基本的に僅かな点を除いてドイツ車の圧勝なんだが、それで俺も若い頃はアメ車駄目じゃんとスッカリ馬鹿にしていた。
後になってアメリカでもドイツ車は買えたのにどうして需要があったかを知ったが、失礼乍ら低レベルだからこそ誰でも何処でも後になっても修理が容易だったのだ。

それでも使い捨て可能な程簡便で安価だったり、代わりが簡単にすぐ見付けられるなら良いですよ。
でも製品カプセルだと例えば引越ししたらギリギリで入らなくなったとか、ドアの位置と向きがとても不都合になったとか起き易い事おびただしい。

そんな時腕利きさんならこことアソコを何mmづつ詰めてなんてのもあり得るが、壊さずに変更するのは一番難しい作業なんだよね。
だいいちそこ迄スキルがあったら最初から自作出来る訳で、何ともドMだが作るのが大変な人程自作しといた方が後でまだマシって構造なんだわさ。

その代りっちゃ何だけど音の色々に詳しくなれるのの中には、ホントは防音とかやらなくても必須のも多いんだ。
一番の悲劇は隣人が忍耐強い上に理解のある人だったケースで、ホントは問題山積なのに裸の王様状態に陥ってるなんてのだ。

自分が弾いたり叩いてる時ゃ、誰だって外からその様子を伺う事は出来ない。
分ってるつもりだろうと幾ら気を付けてようと、一点の聴き洩らしも無しってのは先ず無理だ。

世界一の達人でも延々日々の鍛錬を休まない人が居るのも
、それ位「自分の事」って把握するのが困難な部分があるんだろうね。
こう云うのは意図せず迷惑を掛けない為に大切だが、敢えて自分だけで考えても大きな意味がある。

ウルサイ物をそうじゃないと認識すれば難聴の危険も高まるが、現実と意識がズレてるって事ぁもっと大きくとか強くしたい場合にだって圧し掛かって来るのだ。
つまり現実とこっちの感覚が全体的にズレちゃってんだから、思った様な音とか加減がやってるつもりでも全部パーになっちまうのよ。

大小のどっちを専門とするにしても、最低限の両極をしっかり把握する処から行かないと始まらんのですわ。
そうする事で本当の最強最大とか繊細緻密の位置が分り、如何に音とか音楽は相対比較で成り立ってるもんなのかで御座居ますですよぉ。

<つづく>

2020年7月18日 (土)

音楽備忘録346 魔改造悲喜こもごも②

今回は前々回のの内ヘッドホン(KOSS QZ99)の件の詳細を披露するが、過去発表の概念図自体から描き直してみた。
当時はユニット背面遮断だけのニーズに従ったが、もっと多く表現しなきゃなんなくなったので大盤振る舞いだ。

って内実は以前ののOpenOfficeファイルを、もう完成したからいいやって安易に捨てちゃったからってか?。
いえいえそれだってWin xpの付属ソフトで画像自体の改造の道が残ってて、でも結局描画の仕方自体が今より稚拙だったから勇気を出してみたってのが実状か。

Photo_20200715051501
っと張り切ったつもりでも面倒がって不完全な概念図だが、一番実際と違っちゃってるのは山手線のみたいな緑で描いたスポンジだ。
実際には殆ど隙間無く埋め尽くされた様な状態で、そうなってないのは赤で示した追加背面ダクトで押し潰された内側部分だけだ。

言い訳と分り易さ目的の半分半分だが、灰色で示したイヤーカップ・イヤークッションの内部を塗り潰せばそれらしくはなる。
でもそうしちゃうと2つに分かれてるのが分り難くなるのでの措置だが、兎に「角満たされてるから響かなくなってる」のが実状だ。

コストより性能を優先させればSONY CD-900STのみたいにグラスウールになってるのもあるが、内部の細かい造作に対応するにはスポンジの方が適してるのも確か。
処でこの代用吸音材!?で注目して欲しいのは②の黄緑になってる部分で、圧縮度が高過ぎになった為に送電線を圧迫して悪さしやがった。(電線書いて無くてm(__)m)

これには使われてた線の材質も加担しちまってたが、普通なら大抵被膜はビニールなのがゴム系のだったのだ。
そのせいで余計に芯線に掛る圧が高まってた様で、どうも断線寿命を縮めていたみたいだ。

残りの識別色の説明をしとくと黒線で示してるのがプラ製ユニット支持部品で、これに青(オリジナル)のユニットが嵌め込まれた上でネジ止めされている。
③のだけユニットがオレンジになってるのは交換したのを示したつもりで、微妙にサイズが小さかったので大変見辛いが水色で示した薄いプラ製リングを追設して固定と位置決めを補っている。

丸数字の番号は変遷に従ってて現況は④の状態で落着いてるが、①がオリジナルで②が概発表済みの魔改造タイプⅠだ。
③と④では赤のダクトの細まった部分が無くなってるが、これが今回アップデートした点だ。

処でⅡでダクトの縦断面が妙な形をしてるのは、駄目になった電球型蛍光ランプのカバーを改造転用したからだ。
そのまま捨てずに廃電球の内部に生き残ってる電子部品を、抽出すべく分解した時何かに使えそうと長年の勘が働いた!?のであった。

それが偶然広い方の口径がジャストフィットしたからの措置だが、只のパイプでもミリ単位の太さ違いは中々見つからないからね。
9割は毎度の結果オーライなだけの話しだけど、「街の模型屋さん」が壊滅状態となった今ではこんなのでも意外と貴重な資源になったりもするのだ。

念の為兼新参読者への配慮としてこれの目的も付記しとくが、要はユニットの表裏を隔離しとかないと例の音波の逆相減少で「出せてる低音」が聴こえなくなっちまうからよ。
ユニットが出せないならしゃーないが「出せてるのに聴こえなくなってる」のを俺が許せんのは、概再三吠えだが何かを聴いてDrumを叩くにはBassが基本中の基本と考えてるからだ。

それには低音が出ないのはご法度でKOSSのは当初想定がDrum専用じゃないから仕方無いにしても、VIC FIRTH SIH1 (既に廃版)がそうなってたのは紛い物Drummerからの意見でも鵜呑みにしちまったんだろうか。
耐入力も小さいからゴリAmp+無理くりEQで補うのも無理で、使用者側が極限まで努力してもそれじゃあどうにも聴けないんだからさ。

でも遮音性には秀でてたので古い方しか持って無くても、手が利く人だったら慌てて捨てちゃ勿体無いかも。
俺はこれの分解機会がまだ訪れて無いので明言し兼ねるが、運が良ければ同様の改良で多少なりとも欠陥解消が可能かも知れないからね。

<つづく>

2020年7月17日 (金)

音楽備忘録345 素人に可能な防音・遮音⑪

続けてパッキング・シールゴム・隙間テープ…名称と性能は様々だが、これの曲げ部分の補遺から。
理想は曲線でも宅のを筆頭に製品では「角がある」のも多いが、これは省ペース化が原因だ。

前々回になるべくなら枠も扉も接触部が階段状になってる方が有利なのを記したが、それ故土蔵等の扉では縁だけでかなりの寸法が食われている。
これの象徴例としては蔵の小窓の扉なんかが典型的で、真ん中の平らな部分の割合が随分と少ない。

耐火金庫でも小型のだと扉を開けたら、中の縦横寸法が外見の半分程度しか無かったなんてのも。
段々よりゃ角を丸くするだけの方がまだ場所は取られんけど、今の日本みたいに空間不足が桁違いともなると「通り抜け」通路で寸法を取られるのが嫌われた訳だ。

その他にも施工上のとか色々考えられはするが、一番そうじゃないと大変なのは持上げ困難な機材の搬出入が常時あり得る場合だろう。
って事ぁ裏読みすりゃそう云うニーズが少なかったら、巾をケチって角を角ばらせる必要は無いのだ。

宅の製品防音扉のシールゴムは角の部分が接着されてたが、比較的施工から短期間で1ヵ所だけ剥がれた事もあった。
ゴム同士なお蔭で所謂ゴム系ボンドで補修したらその後ずっとくっ付いてはいるが、もし一体になってたら起きない不具合だしその確認等の手間も生じない。

そうは言ってもこの用途に使えて「寸法ピッタリの巨大な輪ゴム」なんて売ってやしないから、最低1ヵ所は接着部が出来るのは許容しなきゃなんない。
でもそれを剥がれ難そうな位置に持って行けるとか、曲線的処理の優勢に変動は無い。

ちょいと話が前後するがシール部の補修と言えば、宅では追設鉄扉の方のは自前で全替えって事態に見舞われたっけ。
その時だってどうせ貧だから端っから自前を選択したかも知れんが、もう施工業者が廃業離散しちまってたから相談すら出来なかった。

元から付けられてたのはウレタンスポンジに薄ゴム被膜された角断面の材だったが、経年でウレタンが弾力を失い機能しなくなってしまった。
今だとこれの回避の為に芯がスポンジじゃ無く発砲ゴムで外と一体になってるのが、至近のDIY店でも売ってたが敢えて違う道を探した。

それは原設計で角断面の材が上手く収まる様な溝が枠に付いちゃいたが、角の部分で途切れさせざるを得ない様な形状をしていたからだ。
設計通りそのままジャストサイズのシール材を溝に収めるだけの方が楽で確実だが、途切れ部分が鉄板で隔たれているから「隙間よ出来ろ」ってな構成だ。

理想的にはそのお邪魔部の切除であるが、極端な狭隘部ので電動工具は使えない。
普通の鉄鋸すら前端の蝶ネジの行き場が無いから無理となりゃ、極小金属ヤスリで延々とと脱獄しようってんじゃあるまいしだ。

そこで将来暇になって気が向いたとか脱獄囚の気分が味わいたくでもならん限り放っといて、シール材とそれの取付方を変更しお邪魔部の上から扉との間が埋まる方法を考案して施してある。
近年だと大分違ってそうだが30年も昔だと、専門業者でも現場施工は普通の宅建業者しか居なかったからこんな程度だったのだ。

何しろニーズが少ないと施工経験者は少ないし中々増えないしで、常に爆音現場に触れてる者みたいに詳しくは
なれなくったって当然で仕方無い。
加工精度や工期等では明らかに業者が有利でも希少ニーズの達成度の点で、防音・遮音に関してはまだ全面的に信頼し切れる程の存在は確立し切れて無いのだと感じている。

勿論素人度が高い程失敗は増えるだろうが、駄目だった時の修正が低技術レベルでやってあった方が楽で簡単なのよ。
前述の溝だって木製だったなら切るも削るもどんなに簡単だったか…、なまじ本格的だったせいで修正困難になったんだもの。

<つづく>

2020年7月16日 (木)

音楽備忘録344 魔改造悲喜こもごも①

休み休みのZoomネタに突如割って入れてとなったが、キッカケは従兄ドラムイスと宅の遮音ヘッドホンのマイナートラブル発生だ。
こう云うのは何時起きるか決まって無いから、自然体の俺だと記事の方もこうなるのは許しておくれ。

先ずイスの方は過去記事のその後な訳だが、摩耗してのグラつき再発は想定内だったが他でひと顛末あった。
そもそもはメンバー1人が休養中もBandであるから自粛解除後は、必要性が生じたら従兄宅へ出向く腹でずっと居た。

それがオンラインレッスン開始騒動等と録音無進展が重なって、今迄は数回のZoomに変身していたのだ。
今週漸くリアルを再開しようとしたら同居家族からクレームは付くは、新魔改造用の材料は発見出来ずでZoomへ又逆戻りしっちまった。

んでその新材とはってば、ステンレスの薄板だ。
従前はお試しだったのと軸や軸受部の摩耗を嫌って、手持ちの中から薄板でも亜鉛メッキ鋼板を使っていた。

前から俺の脳内には候補にあったけど、実際何処がどれだけ摩耗するか不明だったからの選択だ。
これの結果が時間経過で判明し従兄との相談も済んだのでではと思ったら、寸前の前日になってこの始末である。

提案してすぐに捜索開始してればこうはならなかった筈だが、それに水を差したのが冒頭のマイナートラブルだ。
その箇所はってば以前から徐々に怪しくなって来てたが、左イヤーカップから右chへ送るのの断線だ。

当然分解が必要になるがそれだったらついでに改良と、以前から暖めてた!?魔改造も一緒にと思ったのが今回は裏目に出た格好だ。
先ずは改良の件から行くが、手抜きの結果追加ダクトが少々長目のままだった。

これが「暖め案」を試すのには修正必須で、それはヘッドホンユニットの変更・交換だ。
何れにしても確実に元に戻せる様に配慮したから、いやホントは面倒臭かっただけかは敢えて訊かんどいて。

詳細は次回以降気が向いたら概念図を作ってからにするが、結果として従前のままでは右Ch送込み電線を圧迫してる箇所があった。
勿論使用されてたケーブルの性質や経年の影響もと複合原因なのは確かだが、ユニット挿げ替えと合わせ故障頻度を下げる狙いで覚悟を決めて取り掛かった。

して結果は挿げ替えはユニットの音響設計仕様の不一致で没、修理自体は無事完了と1勝1敗に終始した。
今時ユニット挿げ替えニーズは決して多か無いだろうが、人耳の形は恐ろしく千差万別だ。

それと用途も千差万別だが、これ等両方の組合せとなるとほぼ無限になる。
その為インナーイヤーモニタだったらハイエンドなのにはオーダーメイドが存在してるが、本来ならヘッドホンの方にこそ必要な措置なのだ。

耳自体も形や向き等パラメータは多いが、頭の形や大きさからも大きな影響を受けている。
殊にあらゆる形への対処がなされてるのは多くなく、対応型のはヘッドバンドが2重になってるのが一応該当する。

現況は「そんな古株の大頭野郎はとっとと死ね」と突きつけられてるかの様で嫌な気分だが、俺以外の大頭族の皆はどうして凌いでるんだろうか。
幸い俺の場合用途と趣味から偶然割と自分にフィットし易いKOSSってのが見つかったが、それだって新型のコンパクトなのだとヘッドバンドの長さの足りないのが出始めている。

作る方の立場として量の多さと軽さが大事なのは分かるけど、大頭ったって俺のは松井秀喜や清原和博よりゃ多分小さいんだぜ。
只でさえその人の耳にマッチした音質のを探すだけでも大変なのに、もしかしたらこれもあってインナーイヤータイプの方が流行ってるんなら残念だなもし。

<つづく>

2020年7月15日 (水)

音楽備忘録343 素人に可能な防音・遮音⑩

窓のお次は扉であるが窓と違って必ず開閉可能としとかなきゃなんない処が、ジャンプしようとしてるバーが一段高くなった様な感じだ。
尚且つ厳しくなるのは、近年本邦の住居では密封タイプのは風呂場とかにしか使われて無い処だ。

大昔だったら日本にも接触面が金庫のみたいに段々になってるのがあって、母方の本家にある文庫蔵に土製のそれが付いている。
って順番としては蔵の扉の方が多分先祖だろうけど、どっちも大抵は隙間を封じるゴムなんて付いちゃいない。

それでも空気が直進不可能となるだけでも大違いで、音波位相の乱れに依る減衰は期待出来る。
実は普通の窓サッシも良く観察すると外枠の上と左右外周は内外共ヒレ状になってるのが殆どで、下は引戸の車輪用のレールがあるから水抜き穴以外の個所では空気は直進不可な形をしている。

それと比べると引戸は半ば論外としても、開き戸ですら遮断観点だとかなり不利な状態だ。
前回のサッシ自体の追設2重化が有効なのも「外へ洩れなきゃOK」の場合専用で、持ち家でお1人様か家族が居てもとても忍耐力の高いメンバーで揃ってる場合限定だ。

窓戸は何処に付けられるかも影響があるから壁等が既設のか新設のかの差もあるが、取敢えずは既設のの改良方法を書いて行こう。
隙間洩れだけが問題なケースだったら、今はDIY店に行くと色んなテープ状のが売られている。

ので一見朝飯前な印象もあるだろうが、注意しなきゃいけないのが動作抵抗だ。
開閉が固くなり過ぎるとそれだけでも大変になるが閉じ損ね易くなったり、それが不完全になってても分り難くなったりもする。

それには「封じさせるのの向き・位置」が決め手で、文言だけでは難解化するから超久々で概念図を登場させよう。
ついでに扉本体の遮音性に余力があった場合に、2重化させるケースのもサービスしとくかな。

Photo_20200708154201
例の如くどれが何かの説明から進めてくが、黄土色のは枠で斜線のが盛大にデフォルメした扉本体。
赤・青・緑が隙間テープ若しくはそれに類する物、黄色が追加部材で④にだけある薄い水色のが蝶番のつもりだ。

先ず①は悪例なので隙間テープをわざと赤にしてみたが、最も動作抵抗を増加させる上シール材の摩耗も促進してしまう。
1重で足りる場合蝶番の付いてる以外の3方は②の様に処理致し、蝶番付き方向のは④から黄色と緑のを省いた形で。

③と④は1重では不足のケースで、これは扉自体から自作する場合にも適用される。
勘の鋭い方はこの件から引戸で密封度を確保するのが困難なのが分りそうだが、構造的に普通のままだったら開閉時のどの位置でもシール材を必ず「擦っちまう」箇所が生じるからだ。

因みに個人的趣味からの例外を付記しとくと新幹線車両の客用自動側扉で、見掛けは只の引戸にしか思えないが閉じ切った後に構体へ押付けて隙間を無くしている。
これは素人工作で全く不可能な程の技術では無いが、安定度や開閉時の手間(先ず自動化迄はしないだろうから)等を加味するとこっちの用途にゃ不向きだ。

因みにⅡで車や船のドアだと外観は角が尖ってても、パッキング若しくはシールゴムは角が曲線になってるのの方が多い。
これは予め「角が付いてる」専用品でも作らないとそこで一旦切らなきゃなんないからで、切れ目は少ない程洩れ難く出来るからだ。

<つづく>

2020年7月14日 (火)

音楽備忘録342 素人に可能な防音・遮音⑨

前回「元から付いてる窓は放っとけ」みたいな様相を呈したが、状況次第でそれだけでは不親切なので改善策も提示しとこう。
これが該当するのは持ち家且つ何らかの理由で「窓洩れ」だけが問題の場合で、しかしそれでも元から付いてたのはなるべくなら無変更なまま。

近年ではスペースや構造上の事情で防音サッシへの交換例も増えつつあるが、折角追加費用を掛けても遮蔽が「一重のまま」ってのは割の良くない方法だ。
それ等はサッシのガラスや封鎖部分が2重になってたりもするけれど、2重の「2つの間の距離」がとても近いのが勿体無いのだ。

極例としてレコーディングスタジオの別名「金魚鉢」の状況を示しとくが、これは主に演奏場所とミキシングルームの間に設置されてる「嵌め殺し」窓の事だ。
上出のネーミングは水漏れしないのに掛けたのもあろうが、2枚のガラスの間がかなり離されてて入れ物みたいに見えるのも含まれてると思う。

極端な話しもし2枚がピッタリくっ付いてたら振動成分が直に伝わっちまうが、遠のいての距離減衰の他間のエアークッションの量は多い程良いのは誰にでも分かるんじゃないかな。
なので要求される遮音性能に依って追加窓の必要仕様は変わるけど、サッシ自体から2重にした方が断然有利なのだ。

この段階で必要性能次第で二手に別れるが、妙に多くて不自然感を抱かれそうだがこれも両方共体験がある。
「あとちょっと」のケースから行くが、これは昔俺が実家に居た頃の自室で親にやられた。

本人としては一途にRock系シャウトの練習をしてたつもりだが、親としてはバカ息子が発する奇声がご近所に聴こえるのを嫌ったらしい。
楽器の音なら幾ら下手でも何となく誰にでもそれと分かるが、「未完成の声」となると他人には意味不明な場合も多いからだろう。

多くの窓はサッシが外壁とほぼ面一に付けられてるが、室内から眺めるとそれで壁より奥に引っ込んでる様に見える。
このズレてる部分には大抵窓框(まどかまち)と称す木版で組んだ枠みたいなのが付いてるが、これの室内側端にも汎用サッシを追設して2重化するって簡便な手法だ。

次に大々的に施さねば足りないケースで、やはり実家時代の従兄の自室だ。
従兄こそは真のドラ息子っても正確にはドラム息子であるが、生ドラムだったからこれは大変だ。

そもそもは子供の体力増進も兼ねて伯父・伯母が買い与えたのが始まりだが、きっと演奏内容をClassicやJazzのみたいなのを当初は想定してたんだろう。
それであれば以前から応接間にUplight Pianoとエレクトーンも置いてた位だから、変な表現だが「昭和の昼間の常識」の範囲に収まるとタカを括ってた節がある。

しかしいざやらせたらRock系、しかも当時の従兄の交友関係の都合からHardrockが中心。
腕の上達に従ってどんどん爆音化するのにたまり兼ねて、潤沢だった資金が一機に投入された。

そちらでは建物外観は存置でも実質的な窓の数も面積も減らされた上、防音サッシが内側へ追設されていた。
当然そのグレードとなると部屋の内装は大巾仕様変更に伴い「全替え」で、ベランダアクセスの為の掃き出し窓以外は外部と内部で窓枠自体がもう一緒になって無い位だった。

言うなれば両者は最低と最高グレードって位両極にあったが、それでも何れも既存の窓は外さずに追設してる処が重要だ。
本気で音漏れを減らしたいなら増やすはあっても減らすが無いのは至極当然で、例えその効果が小さくともである。

それだけ「止めるのが大変」なのの証しな訳だが、素人にとっちゃ交換より「足せば良いだけ」ってのはとても助かるんじゃないかな。
窓以外の全てもこれに当て嵌まるんだけど、取替えじゃ無く「足すだけ」は自前の可能性を著しく高めてくれてると思うんだよね。

<つづく>

2020年7月13日 (月)

音楽備忘録341 今更の初Zoom⑨

幾らも新展開が無いのに見切り発車みたいになっちゃうが、幾つか気付きや疑問が出て来たのでそれを1回だけ挟んどこう。
先ずは「明るさ」の件から行くが、高感度なお陰で肉眼には暗めでも映るからって容認すると…からだ。

実際それでも見えるし映るんだけど、良く目を凝らして明るくしたのと比べてみたら同じじゃなかった。
とっくにご存知の人も多そうだが、アナログ時代のカメラで言えばASA400の高感度フィルムの「粒子の粗さ」とそっくりだ。

じゃ例えが古過ぎたら赤外線暗視カメラの映像が近いが、画面を大きくしなきゃザラ付きは気にならないけど輪郭はボケる感じだった。
なので相手に対してを考えると暗いのは今一で、それより難しさを感じたのが「光の向き」だった。

どんなでも良く映るってのは明暗もしっかり捉えてくれる訳だが、やはり顔の前方から来て当ってる光が無いとどうも具合が悪い様だ。
我々みたいに一定以上の加齢があるとその差は表情に影響する様で、実際より不機嫌だったり疲れてでもいるかの如くに映ってしまう。

これで厄介なのはだからって普通にスタンドとかで照らしちゃうと明る過ぎで、今度は「白飛び」しちまう処だ。
もししっかり化粧してればシワだけ飛ばせるかも知れないが、してない方が良い様な状況だって沢山あるしね。

それからすると部屋の中での配信者の向きが鍵を握ってる様で、壁を向いて配信ってのがご法度と思われる。
これは一般的な部屋の照明では、光が上中心から壁へ向かってるのが多いからだ。

すると配信者の眼前の壁が鏡等極端に高反射とかでも無い限り、前からの光源はモニタ画面からの程度だけとなってしまっている。
こんな場合の多くでは天井だとか背景の方が顔面より高輝度となってる場合も多く、泣きっ面に蜂令和バージョンってか。

壁を背もたれ代わりに壁際から部屋の真ん中へ向かってってのも、その部屋に相手が実在しないので家族に見られたら変とかで気恥ずかしさ全開かも知れない。
或はPCを使う場合は本体もだが特にモニタの向きもあって、これが足枷になったりもするだろう。

でも光関係の他背景処理も含めて考えると、圧倒的に「後ろが壁際」なのが適してるし断然有利なのだ。
何て吠えてといて宅の現況はそうしていないが、他にもカメラの「焦点距離」の問題があるのにはとうに気付いている。

テレワーク用のWebカメであれば恐らく平気だろうが、俺みたいに代用品を使うと配信者顔面壁向きでは必要適正距離の確保に難が出易いだろう。
俺が不精してるのにも今迄は画角が狭くても構わなかったのと、超狭室のお陰で偶然天井照明本体が壁際に迄達してしまってるのに甘えてるって状況だ。

これのどれか1つでもアウトだったら、幾ら面倒でも間違い無く何等かの手を既に打ってただろう。
それと個人的に困ってるのが従兄からの音声が左からしか聴こえなくなる現象で、双方が人も機器も怪しげなので尚更原因すら掴めず苦戦している。

それがこれ迄の数回の内前回だけ普通に左右両方から聴けて、それで安堵してたら今回又元の木阿弥に戻ると始末が悪い。
涙ぐましい(と勝手に思ってる!?)のは使用ヘッドホンの変更で、初回当初想定の低能率のだと片耳では音量不足気味だったので機種変しといた。

それが両方から聴こえたら今度はオーバースペックだったのでわざわざ戻したらの堂々巡りと、何かの意志でも働いて天罰でも受けてるのかって有様だ。
一応こっちの機材や設定に関しては調べられる限りではそうなる原因は無いんだが、今迄に無かった使い方をしてるので一抹の不安が残っている。

仮に従兄の方に問題があったら音楽のレッスンに使おうとしてるし、生徒の端末次第では先方で補える手段が足りないのも考えられる。
危機意識の足りない呑気な従兄には何時も乍ら困ったもんだが、自身で体験したら変わるんだろうか?。

<つづく>

2020年7月12日 (日)

音楽備忘録340 素人に可能な防音・遮音⑧

今回は「窓」に絞ってお送り致しますが、防音・遮音に最善なのは「無くす」でやんす。
しかし居住空間と兼用な場合それでは困る場合も当然多く、それも含めて一緒に考えてみませう。

今の暮らしでは主に省エネ面を除外したら明るさは不問としても平気になって来てて、これは何つったってLED照明発達のお陰だ。
でも洗濯物を干すだとかその為にバルコニーへ出るには、持ち家であっても別ルートが無かったら封鎖する訳には行かない。

加えて個人的にはどんなに開けられる必要性が僅少でも、折角開くのをわざわざ開かなくしちまうのは強力に非推奨だ。
災害時・通気性の他にも何かの工事の際にってのも大いに考えられ、その時が滅多に来ないせいで当分無いとつい思い込み易い。

因みに常に自由なアクセスが確保されてるのが理想だが、本件の場合に限ればガラクタが積み上げられてて直ちには通れないのでもセーフだ。
上記の様なだらしないケースでは辛うじて崩れない程度の場合も多いんで、いざって時ゃ容赦無しにひっくり返しちまえば何とか通れる。😅

元から崩れそうなんなら崩すのに道具も要らんが、構造的に開口部が狭隘化させられてたり窓戸が固定されてたらそうは行かぬ。
そんなでももし間に合う奴が居るとしたら驚異の作業速度を持つ施工者本人位で、それ以外の者だったら警官でも消防士でもロスタイム必至になるだろうからね。

これを技術面から検証しても「開けられる」分、常に完全に密閉される率は低下している。
体験ではアルミサッシの隙間ゴム(orビニール)とかの部品が経年劣化したり、極端な温度の低下で収縮して密着度がかなり低下したなんてのがある。

勿論防音扉のゴムだって劣化等は当然あるが、大きさの違い(サッシのの方が断然小さい)と状態視認のし易さ等に随分差がある。
それへ加えて原設計時点で既に性能差も結構あって、窓のは元から完全には遮蔽し切って無いのもある。

具体的にはゴム等では無く「柔らかいブラシ状」(動作抵抗低減目的)のが該当するが、どちらのでも汎用窓サッシでは美観等の為に極力目に入らない様に作られてるのが普通だ。
又改造や粘着テープに依る目張りも強力非推奨で、運悪く残ってしまった粘着剤の処理と遮蔽性能を天秤に掛けると損としか出ない。

更に追打ちになるが非防音タイプのサッシは枠に凹凸のある方が普通で、「角のある凹凸」はテープ程度では埋め切るのが困難だ。
この他にもマンションみたいなのに付いてるのだと、通気性確保の為のスリット若しくは複数の小穴が付いてるとか。

勿論嵐の時の吹込み防止等の目的で「フタ」も付けてあったりゃするけど、完全密封する必要は無いし元の目的を配慮したら隙間が残る位の方が親切ってもんだ。
この様に半ば当然乍ら目的の比重が本件とは異なってるので、改良・改造も不可能では無いにしても非効率になる。

遮音を優先すれば先ず隙間がご法度になるが、「隙間の生じる可能性」を排除するのも殆ど同等に重要化して来るのだ。
それには例え「嵌め殺し」のであっても素人施工なら極力回避が望ましく、最も玄人だけの世界のレコーディングスタジオでも開閉可能タイプの使用例は滅多に無い位だ。

今は厚みのある透明アクリル板が誰でも買えるから昔よりはマシになったが、上記「玄人様専用」!?の場で使われるガラスは簡単には買えない分厚いヤツだ。
この分厚いとなると重量も凄い事となって来るので作業時の労の他、完成後確実に継続的に支えられる様にする課題も生じる。

もし最高グレードの遮音とするならどうせ壁・床・天井・扉等全てヘヴィになるんだから心配無いが、そこ迄の性能が不要な際は窓の所だけ窓の為にゴツく作らなきゃなんなくなる。
のでどうしてものどうしてもでも付けるとしても覗き窓程度、大きいのとか開閉可能なのはお止しになるのが安全だ。

斯様にこの面からしても普通の居住性の良い部屋ってのは、防音・遮音観点からだと抵抗勢力なのである。
折角好環境なんだったらそれを損ねるのも勿体無いしで、既存の部屋を大改変無しに活用して益があるのは窓の無い納戸とか位だろうか。

幾ら作るのが面倒だったりしても今回お題のみたいなのに限ると、改造の方がもっと大変なのを知っといて損は無い。
今本邦の情勢では実感するのが益々困難化しちまってるが「案ずるより産むは易し」も、こんな偏狭では未だ地味に生き長らえているのです。

<つづく>

2020年7月11日 (土)

音楽備忘録339 素人に可能な防音・遮音⑦

皆さま「箱作れ~ぇ、箱作れ~ぇで御座居ます」って益々それぽいが、どんなマイナーな政治団体とすら完全に疎遠でおじゃりまする。
人次第で向き不向きその他諸々あるのは承知の上で、何とか「いざとなったら」の覚悟だけはしといて欲しいんだす。

なしてそがいな無理強い紛いを迫るかってば、絶対に作らないで何とかしようとしたらもっと酷い目に遭う確率が上がるから。
何しろ音って相手は見えないし器に入れて直になんて計れないので、他のより正確な計算が出来ないんでありゃ~す。

本件の核心はお隣に怒られないは愚か「気付かれない」位がゴールなんで、普段はいい加減の代表な「結果オーライ」こそが最高殊勲となるんでさぁ。
業者の場合だと幾ら慎重になるってもビジネスを度外視は出来ないので、減衰量:金額で仕事するしか無いス。

当然法や条例を基に計算してそれはクリアさせてんだけど、実際にお隣さんが問題にするのは何dBとか何ホーンって値じゃありまへん。
要は「全てが個別案件」って具合で、何方さんにでも必ずOKが頂けるのったら「聴こえない」しか無いんです。

結局「どれ位で足りるか分からない」が最後の最後迄続くんで、こっちで勝手に「これで良いや」とか「ここ迄しか嫌だ」なんて思ったって現実と一致してくれない場合の方が多いんだがや。
故に不向きな方法へうっかり固執しちまうと効果不足のままに終る以上に、無制限化した手間も費用も無駄になる危険を孕んでいる。

とは言え無くても平気だったのをわざわざこしらえちゃっても仕方無いし、そこの判断が難しいちゃ難しい。
でも決して充分じゃ無いにしても例えば仮想他人領域迄、扉が2枚になる所と1枚しか無い所で試奏して遮蔽具合を比較してみるとかが少しは助けになりそうだ。

具体例としては一番オーソドックスな2LDKマンションの間取りなら、LDKと各個室間には大抵扉がある。
片方の個室で弾いてもう片方の個室で聴くのと、LDKで弾いて個室で聴いてみるとかだ。

前者でこれをして開口部より壁からの方が漏れが多い様なら、これはもう箱で隔離をすべき状況。
多くの場合各戸内と隣戸同士では壁の仕様に差があるもんではあるが、隣の部屋に洩れたのが更に隣戸へなんて可能性だってあるかんね。

扉が引戸だと通常は必ず隙間がある分当然洩れ易いが、持ち家じゃ無い場合敢えて隙間を埋めないで試すのも意義がある。
扉漏れさえ抑えられりゃセーフったって勝手に弄れないし、引戸手前に壁と開き戸を追加するにも元からの天井・壁・床との隙間を殺すのが先ず困難だ。

逆も又真なりで持ち家なら臨時で隙間に何かを押込んで試す価値はあるが、その引戸を開き戸に変更・改造可能かを見極めてからじゃないと徒労となる場合も。
こんな地道では発掘調査といい勝負とは気の長さを要求されるが、一段抜かしが無理な代わりそれで得られた「Data」は半永久的に有効なのが救いだ。

例えばその隣接個室に夫々居る兄弟が騒音で揉めたとかって時、どう対策すれば治められそうかの指針になったりもする。
加齢でいびきが酷くなった父ちゃんのとか引篭り駄目息子の深夜ネトゲ、果てはお盛んなカップルの夜のお勤めの…。

はもういいとして次に問題視すべきは洩れ程度の判定の仕方で、個人の感覚には依存しないでするのが重要点だ。
これから述べる方法だって完璧とは言い難いが、鍵となるのは「比較してみる」事だ。

出来ればお隣さん若しくは隣室の「聴こえるけど問題にする程じゃ無い」生活雑音との比較が理想的で、もし同じ位だったら9割方セーフと思って良いだろう。
試してる貴方に聴こえるより向こうでは小さくなってるだろうが、リズムやメロディ等法則性のある音の方が気に留まり易いらね。

それでもし結果が少しでもグレーだったら、箱作りを考えなさいましと言っとこう。
人に依っちゃそんな神経質なとか、ギリギリでもセーフだったら良いじゃんと思うかも知れない。

でもずっと続けるにはそれじゃ自意識は無くても、音問題への信頼不足が演奏の萎縮を招いたりもする。
他ので似てるのったら色んな保険に加入しとくのみたいなもんで、99%掛け捨て同然となっても加入者の心理的安定度を担保するのにも絶大な効力を発揮してるでしょ。

<つづく>

2020年7月10日 (金)

音楽備忘録338 素人に可能な防音・遮音⑥

柔らか目の材料で出来てる方が振動の断絶には有利なのに、それでは宅も含め何故「外箱」には鉄筋コンクリートが良く選ばれるかから行こう。
主に2つに纏めれば遮音等の為の重量増等への対応と、異なる材料使用に依る振動伝播の緩和となる。

但しこれは一定以上の大きさにしようとした場合に有効化するので、使う楽器が巨大じゃないならお1人様用には必ずしも当て嵌まらない。
その境界線が俺にはフルコンサートGrand Piano辺りと思え、同等以上に広さを要す場合があってもDrumsetなら軽いのでコンクリート必須側では無いと考えている。

それでもRock系のステージレベル爆音だと素人で対処するには厳しいが、専門家に委ねるにしても残念だが本邦では正直言うと何とも頼り無いのが現実だ。
宅の工事でも信頼出来る業者さんと二人三脚で頑張ったが一発OKとはなならなかったり、かと言って業者の非力を攻めようって話しじゃ無いんだ。

もう世の中全体がこの方面に疎いってのか、参考例等も少なくて絶対的な加減や程度を知ってる人が殆ど居ないのだ。
近年は少しは進歩してると思うけど、その他にもひな形になりそうな施設の存続問題もある。

特に今回のコロナ禍みたいなのに遭遇すると店が潰れちゃったりして、皆に最適な実例が姿を早々に消してしまったりしている。
しかも個人レベルの参考となるのは超小規模なのとなれば尚更で、折角の成功例の残存継続が僅少なのだ。

有名音楽家御殿の防音室だって本人が逝去したら、そのまま残って生前同様に使われるケースは多くは無い。
これでは共有Dataの蓄積なんて出来る訳ゃ無く、本件は「ギャンブル必勝法」よりも五里霧中と云える。

故にどんな選択をしたとしても、カットアンドトライを完全に避けて通れるルートが無いと思っといて良いだろう。
それでどうせ苦労しなきゃならないんだったら、各自各々で可能な範囲は自分で負っといた方が少し利口になれる分お得だって寸法なのだ。

今回後半は扉にスポットを当てて行くが、音漏れの少ないのってば開き戸が一択気味に有利だった。
過去形としたのは近年のバリアフリー法のせいで、扉下の敷居の無くなったのが増殖中だから。

車椅子や年配者が通るには無段差の方が間違い無く良いが、「枠」が無くなると閉じた時の隙間を無くすのが困難だ。
扉の下へ床に届くだけのゴムスカートでも付ければ無くせはするが、開閉時の動作抵抗増加並びに床等の摩耗劣化の心配迄追加されちまう。

同じ理由で引戸は元々不利で例外としてはワンボックス車のスライドドアみたいに、機構的にはプラグドア等にするしない。
それで方法は見つかってもメカの複雑化に依る重量・動作抵抗増が、一般住宅の扉には適さないし自作は大変だ。

窓についても似たり寄ったりで扉より密閉度は高いものの、所謂「防音サッシ」と呼ばれるタイプの以外は抜け穴のあることが多い。
更に防音サッシにもレベルが色々あって、窓サッシの多数派の引違い窓はやはり開き窓より構造原理段階から不利だ。

隙間を心配すると扉以上に窓は厄介者で、窓の無い部屋があるならまだ少しはマシか。
と思いきや人が居られる仕様のなら窓の代わりの換気ルートがある筈で、塞ぎたくても窒息するから塞げない。

賃貸ではドア・窓の改造は不許可で普通だろうし、持ち家でも消防法→有事の保険料等を気にすると別物になる様な改造はリスキーだ。
それに対し木製家具が禁止なんてな滅多に無い処からすると、巨大タンスが置かれてる如くの方法が安全確実だ。

実際過去にネットで見掛けた例としては基本歌唱専用だが、洋服ダンスを改造したのなんかを見掛たなぁ。
それだと建物自体は無改造で済むし、引越す際も持って行けると中々秀逸なアイデアだ。

何れにしてもここ数回やたらと「箱作れ~ぇ」と連呼してるのは選挙演説に対抗したんじゃ無く、後先も考えるとその方がマシだからなのだ。
自作のだったら改造や改良も製品のより自由になる事が多いし、構造などの全貌も把握済みなのでこの面での失敗が起き難い。

<つづく>

2020年7月 9日 (木)

音楽備忘録337 素人に可能な防音・遮音➄

前回鉄筋コンクリートの箱だけでは足りぬ場合が多いと書いたが、宅を始め実際には本格防音の際併用されるのが常だ。
超低音の膨大なエネルギーに対峙するのに固く重いのが有効ではあるが、実はこれにも弱点がある。

参考例その1は高架高速道の橋脚耐震補強後の公害問題で、拙宅では木造住居部・鉄筋コンクリート防音部の区別無しに被害を被っている。
もしもの際折れ難くする為に鋼板巻き付け補強がされたが、脚が「固く」なって「撓り難く」なったせいで以前より衝撃がダイレクトに伝わって来るようになっちまった。

あれ位纏まった質量ともなると地面自体を揺さぶる力が生まれて、もうこっちではどう頑張っても対策の選択肢すら残っていない。
土は岩よりゃ柔らかいから衝撃吸収力があるが、全体が揺さぶられてはそれも無効となる。

こうなってみると補強前は「あんなに硬いコンクリート」と思ってても、実際には少しは撓ってクッション代わりとなってたのに気付かされた。
本件ではそこ迄大規模には決してならないと思うけれど、遮ってはくれても緩和は期待しない方が良いのをこれが示したと考えられる。

その2は宅の防音室外部は確かにコンクリートの箱で作って貰ったが、これはそれ以外の木造建物構造体とは独立している。
経緯的には全部を鉄筋で建てるにはお金が足りなかっただけだが、極端な近距離で断絶するには棚ボタだが最良だったと感じている。

その訳は上記「高速の脚」の件と同じで、ガッツリ固いと殆ど減衰せずに良く伝わるからだ。
もしコンクリートの箱に中の振動が完全に伝わらないなら良いが、極端な例外以外必ず少しは伝わってしまう。

すると仮にウルサイ程にはならなくても、コンクリートでは繋がってる全体へ響いちまうからね。
それでもコンクリートが巨大であればまだ重さで少しは対抗出来るが、宅の様な狭小ではどんなにセメントを奢った処でタカが知れている。

要するにこの手には弁慶より牛若丸戦法の方が適してるって事って、前述の如く巨大なら地面自体を揺さぶっちゃって迷惑千万となっちゃうあるね。
これを特別な材料を使わずに達成させるには、「何段階にも分けて少しづつ」弱めてくしか無い。

因みに金満さんがNASA開発か何かの超高性能材を使ったとして、Rock系爆音にはそれでも「一重」では恐らく別の新たな厳しい制約を生じるだろう。
例えば内部総重量をかなり厳密に一定範囲に収めなくてはならなくなるとか、こっちの用途にそんな注文が付いては実用性を損ねてしまう。

なので金満だろうと極貧だろうとどうせ一重は無しとなりゃ、お金より手間が遥かに重要なのは分かって貰えるだろうか。
今時は何でも激安にゲットして使い捨てが主流だから、精神的にこんなのは酷く面倒に感じるかも知れない。

けれど奏者もその住んでる場所も千差万別となると、量産するには種類が膨大過ぎて超最大公約数的なので精一杯だ。
例えば一番普及してるタイプのUplight Pianoとかなら、まだフィットしそうなのが売られている。

んが電子ピアノの打鍵音がウルサイなんてのにはそのウルサさが多様だし、生ピ用程の性能は要らない。
電子ドラムのパッド打撃音だったら音量的には生ピ用でも間に合いそうだが、衝撃成分の種類差と多さの面で不安が残る。

又敢えていい加減に妥協しちまえと思ってる方向けに付記しとくが、「遮音性の高いカーテン」等の甘い言葉に釣られて買換え続けては不親切或は無責任販売業者の思う壺だ。
それ等に全然効果が無いのなんてのは稀だが、「遮ろうとする対象」が違ってるので
必ず割高につきまっせ。

<つづく>

2020年7月 8日 (水)

音楽備忘録336 素人に可能な防音・遮音④

前回「音波の基礎知識-その2:打ち消し」の説明がちゃんと出来て無かったので、先ずはこれから行ってみよう。
これを強引に可視化するなら腕力の拮抗した腕相撲ってなもんで、その上選手が本人とクローンの対戦って処か。

元のへ丁度真逆になる分意図的に遅らせたの(逆相)と合成すると、殆ど空気の振動力が失われる。
これの詳細は過去述なので必要ならそっちを見て貰うとして、低音になる程空気の振動巾が大きいので中々大変だ。

海岸には近似目的で護岸を守るのに消波ブロック(テトラポット)が山と積まれてたりするが、イメージとしてはそれ位大袈裟に思っても良い位だ。
因みに海の波で例えば来るの行くの各5秒だと、10秒で1サイクルになる。

これを周波数(1秒間の振動数)で表すと0.1Hzになり、我々の出す騒音はそれよりは高い(短周期)からこれよりゃ小さく出来るって按配だ。
尤もバスドラのアタック等には波よりかなり微量だがそんな成分も混じってて、然るに誰もが手に持てる程度の箱(消音ボックス)数個程度ではビル火災に小便小僧状態なのだ。

自作するに際し可能なら音域的最適寸法を計算で割出すと高効率になるけど、内部にグラスウール等の吸音材を貼り詰めてやればそんなに厳密じゃなくてもそれなりに効果は得られる。
低音を風と捉えれば、兎に角思いっ切り滅茶苦茶にかく乱しちまえば良いって事あるね。

専門家だと一番ウルサイ周波数を設計値にはするけれど、3弦開放のAしか弾かないBassistなんて居やしない。
依って結局は上記「滅茶苦茶」が必要悪!?で、この面では意外とプロと素人の差が出難いのである。

消波ブロックとて同様で「波のプール」じゃあるまいし、どんなのが次に来るかは下手すりゃ神すら分らないからね。
だから整然となんか並べて無くて、極力出鱈目な並びの方が良いのだ。

これからするとダクト自体の形状も曲がり具合もてんでんバラバラなのが良いが、スペースや通気量に対する断面積の都合であまりそうは出来ない。
しかし既成量産品を羅列して完全に統一規格の連続となるよりは、「手作りに依るムラ」程度でも無いよりマシだ。

因みにⅡで台風のとかだと風もゴーォなんて聴こえちゃうけど、天然の微風はそれでわざとMicを吹かせたりしない限り音として感知出来ないよね。
これは強さや速さのエネルギー差だってありはするけど、大抵の最大原因は速度等が一定で継続したりしてないからだ。

これを強引にこじつけりゃ音程がちっとも聴き取れない、音として認知出来ないってまやかしみたいなもんだ。
でも空気の移動が無くなってはいないから、音はしないが何か風は来てるみたいとなるあるね。

因みにⅢでこの用途の消音ダクトに吸音材がマストなのは、空気視点で壁をランダムな形状とする為だ。
全く不規則に凸凹があるともし跳ね返っても全部向きが違ってしまうから、それのどれかが何某かの音程を相殺してくれるって算段だ。

勿論跳ね返り(反響)が悪い程勢いを削いでくれるからそれもあるが、吸音材って通名は本来の機能からすると今一不適切だ。
観念的に跳ね返りが減ったのを「きっと吸っちゃったから」だって発想みたいで、実際にはスポンジが水を吸う様な現象は一切起きていない。

そんな吸音材は助かる存在には違いないが、「遮る力」はその大多数で限り無くゼロに近い位持っていない。
その目的には「遮音材」が要るが、どうも紛らわしいのか一般世間での混同や誤認が激しい様だ。

遮音材の場合は極論すればどんなに丸々跳ね返してでも、通せんぼさえしっかりしてくれりゃ大合格だ。
鉛シート等がその代表格なのは隙間が無いのは当然だが、比重が重くて振動し難いのも含まれてるからだ。

毎度の論法で行くと超低音≒振動と明確な境界なんて無いんで、中の震えが外へ伝わる≒音漏れとなるから。
でもそんなん言うたって薄い膜じゃって思うのはご尤もだが、壁板と「震え方・震えやすい周波数(これが所謂固有共振周波数)がズレてるだけでも伝わり難くなるのよ。

差し詰め敵軍に仲間割れさせて戦力低下させる作戦みたいなもんか、或は伝言ゲームの途中に絶対訊いたままを言わないひねくれ者が居る様なもんか。
純粋な理想としては何があっても完全に微動だにしない重く頑強なので囲うのが良いが、分厚い鉄筋コンクリートで作ってすら完全にとなると厳しい。

<つづく>

2020年7月 7日 (火)

音楽備忘録335 素人に可能な防音・遮音③

現況俺のテレワークの相手は従兄だけだが、先方にがトラブル発生等で多忙になって開催予定が流れてしまった。
やった処で新ネタが得られる保証は無いが、無進展な為当初予定を変更して暫くはこの項を続けさせておくんなまし。

さて前回無防音状態では電子楽器でも無制限には弾けないと書いたのは事実だが、それは全く何の努力もしなかったらの話しだ。
せやさかい即座に悲観するのは早合点ってもんで、先ずは少し視野を広げて考えて欲しい。

特に打楽器系や鍵盤系だと毎日メンテナンス必須の箇所が少なかったり殆ど無かったりするから、何か手間掛けなきゃ無理と言われたら「えーっ」と感じる人が多いかも知れない。
でもそれ以外の楽器の殆どは頻度差は結構あるが、少なくとも放置プレイで何時でも都合良く弾けるのなんて無いですぜ。

これの誤解を受け易いのは達人級だと喋ってる間(若しくはその裏で)極短時間で済ませてたり、無造作に何処かを一寸弄ってたなが実は精緻な調整だったりするからだろう。
この先は要望があれば別項で詳述するとして、騒音防止とか雑音低減(ここでは近隣に対しての)も準備の一環なのだと自覚を促しときたい。

それ処か最近何処かで読んだんだけど、「騒音公害を気にし乍ら演ってたら変な癖が付いちゃった」も大いにあり得る。
ここでしかし「防音カプセル」みたいな既製品が買えない場合、先ず問題となるのは何をどうすれば良いのかだろう。

そこで見えないので厄介な「音波の基礎知識」のご登場となるが、本件に要る最低限の原理だけだったら覚えるのだって至極簡単だ。
何しろたった2つしか無くてその1は「距離減衰」で、その2が「打ち消し」だ。

順に説明してくが距離減衰とは字面の通りで、空気の振動は遠くなると弱まって行く現象の事だ。
海外で無防音の個人宅でもある程度セーフとなってるのはほぼこれのお陰で、幾ら建物の遮音性がこっちよりゃマシでも隣接してないから成立しているのだ。

又音を遮るには特に高音は発音源と受聴点間を隙間無く隔てる訳だが、演奏空間を通常は完全密封するのは不可能だ。
特に歌うとなると酸素ボンベとマスクを装着したりは出来ないから、それでは窒息してしまう。

しかし何処かが筒抜けでは音も筒抜けで困るが、そこである処理を施した換気ダクトが用いられている。
これには通常上記原理の両方がフル活用されていて、ダクト内部を意図的に「迷路」状態にしてある。

そうしてわざと寄り道を一杯させて、結果的に距離を稼いでいる訳だ。
しかし距離だけだったらそんなに複雑な形にしなくても、やたらと長くすればそれでも良いのに何故迷路にする!?。

ってばそのまま只の管状態だと長さに応じた固有音程だけを鳴らす、笛とかラッパと化しちまうからだ。
スピーカシステムの所謂ホーンとかポート等は本件とは使われ方は真逆だが、これを積極活用して再生帯域の拡張が図られている。

車やバイク等のマフラでは内部の様式は違ってるのが多いが、多少なりとも意図的に「遠回りさせてる」部分は一緒だ。
何時れも最大長さを抑える為に直線的に通さないのは同じだが、純粋音響用途の場合には他にも理由があってそうしている。

この点で建築関係で販売されてる消音ボックスの殆どは、我々爆音系にとっては役不足な代物だ。
決して何の効果も無い偽物では無いんだが、設計上のターゲット周波数がこっちのニーズには高過ぎるのも一因だ。

一般社会に於ける遮音の典型的ニーズとしては、ラブホテルのお客さんのとっても刺激的な声の隠蔽等が考えられる。
ウルサイかどうか以上にこう云うのだと僅かな漏れでも、たちまち平常心で居られなくなる人も居るだろうからね。

そんな処から汎用品の使命としては肉声を第1に考えるのもご尤もで、しかしこっちで一番問題になるのはもっと低音の方なのよ。
故に専門業者へ依頼してもこの部分は「手作り」の方が圧倒的に多く、市販品活用に依るコスト低減は殆ど望めない。

因みに現況従兄のレッスン室は元楽屋だから仕方無いが、上記汎用消音ボックスのせいで低音がかなり漏れちまっている。
でもどんなに騒いでも声は全く聴こえて来ないから不謹慎な外野の与太話だが、ドラム教室と銘打った内実は不倫部屋として貸し出したらさぞかし儲かるんじゃないのかな。

<つづく>

2020年7月 6日 (月)

音楽備忘録334 素人に可能な防音・遮音②

一寸スタートが概念論に過ぎたので実用案へ振っとくが、最たる例は遮音性が一寸だけ足りないなんて場合だ。
Drummerさんには申し訳無いが、電気楽器でも小型Ampだとか電子ピアノの場合に該当しそうだ。

これが問題なのがAmpの方であればツマミを絞るか、ヘッドホンを使えばまだそれでも対応可能だ。
だが鍵盤のバコっだとかカタッだとかがウルサくて駄目って時ゃ、機器本体だけではどうにもならない。

現代本邦の一般常識では、それなら多少は許容される昼間に弾けばとなってるのが多いだろう。
でもそれってホントはお隣さんは我慢してるだけで迷惑だし、こっちも弾ける時間が著しく少なくなってどっちにも良い事は殆ど無いよ。

そこで対策へ進むんだが先ずは電子ピアノだったとして、音はセーフだが振動が駄目だったケースから行ってみよう。
この程度のであれば建物に直に伝わらない様にすれば改善がみられるので、楽器と床やそれを置いてる台の間に柔らかい物を挟んでやれば良い。

只柔らかいっても色々あるしゴムマットだけとか、カーペットだけってのではあきまへん。
鍵盤の打撃に依る成分が大抵は単一でないからで、間に入るのが一定の柔らかさのだけだとそれと不一致な分が漏れ伝わってしまうからだ。

鍵盤が押込まれて「底突き」した際のは手や腕の重さも加味されてるから、比較的低域成分も多い。
手が離れて戻った時の衝撃には鍵盤の重さと反力だけとなるので、上記よりは低域成分は少なくなってる筈だ。

なので理想的には現物合わせで様々な組合せを試すしか無いが、取敢えずの指針としては柔らかい中でも硬目と柔らか目の2つを用意しとくのがコツだろう。
因みにかつて宅でパソコンのキーボードを俺が夜中に叩くのがウルサイと2Fの家族から文句が付いた事があったが、ゲームをムキになってやってたのが原因だったみたいだ。

これはタイミング命の為に「おりゃーっ」と力んだのが不味かったみたいだが、当初そんな神経質なとも思ってたのはキーボードのボタンの小ささからだった。
幾らゴリ君が力んだってせいぜい数mmしかストロークも無いから、違う階の違う部屋に困る程になんてなる訳ゃ無いと…。

と思いつつも不味いのは不味いんで調べてみると、どうもキーボード自体じゃ無くそれが乗ってる机の木の板が音源になってるらしきが判明。
元は小さなカタカタを板が増幅してるみたいだったので、宅配の梱包材に入ってた薄いウレタンシートを4枚重ねにして間へ挟んでみた。

これの有無の様子を試しに板へ耳をくっつけて聴いてみたら、その差は歴然でビックリしたなもし。
こんなのでまさかそんなに違うとはで、その後以来ずっとその状態で今もコレを打っている。

因みにⅡでキーボードの裏にはお慰み程度でも一応ゴム足は付いていて、それを含めれば上述した「硬さの違うの両方」の条件に合致している。
続けて因みにⅢでこのケースは振動・衝撃系の音を緩和する方法の1例で、周波数の高いの(高音)を止められるのは「隙間を無くす」のが基本条件だ。

なのでもし苦情が同じ世帯内の隣室とかだったら、扉や襖(引戸)を閉じた時に「隙間が出来ない様に」すれば程度は様々も必ず効果がある。
楽器と比べたらPCキーボードの方が大抵小音量だけれど、決して無音な訳では無い。

それからしたら自分の居る処でどう感じるかじゃ無く、「向こう側で」どう聴こえてどう感じられてるかが重要だ。
これを知る機会は複数人で暮らしてないと得難いが、少し調べてみると多分真実の意外性に驚かされると思う。

音の種類次第で窓戸を全部締め切ってても、幾らも小さくならないで伝わってしまうのもあったりする。
具体的にだとそれは低音なんだが、だからってBassじゃ無いから平気とは全く限らない。

床に置いていてそれの何処かを強く押したり叩いたりするのだと、衝撃≒振動≒超低音の成分が含まれてしまう。
電子ピアノや電子ドラムのパッドは生よりゃ遥かに静かだが、残念乍ら現況では全く無対策で何時でも何処でも弾ける程静かじゃ無い。

<つづく>

2020年7月 5日 (日)

音楽備忘録333 今更の初Zoom⑧

又しても後出しジャンケンみたいで悪いけど、何処の誰が誰とやっても前回の我々みたいになるとは限らないのは念の為に念押しさせてね。
昔はネットったらほぼPCオンリーだったのが、今じゃスマホその他諸々と各自の状況が随分多彩になったからね


しかしって事ぁ各自がその時の状況の中で一々試さないと実情把握が不可能になった訳で、昔より予測し辛くなったのは残念だ。
なんてアナログオンリー時代だったら基本的には全て試運転してたんだからアレだけど、デジタルだってんでこっちが過剰な期待をしてたのかな。

愚痴はこの辺で冷静に考察してくと、今のこれ等は昔より最低限なら確保し易くなってるのは確かだ。
機材に大きな不備が無い限り「見られない」とか「聴こえない」なんてはならなくて、でも裏技を駆使してこんなに成長させられましたは減ったかな。

本邦テレワークに関して音楽界は一般事務等よりは遅れて無いが、音楽業界自体の旧態依然さはブラック企業より骨董級だと感じられる。
もしかしたらこれがテレアプリ開発への関与が少な過ぎてて、こっち向けのがちっとも出て来ない様な気もする。

何れにしても汎用とは云え元がそれ用じゃ無いのを使う限り、不備や不足があっても当分は受容して行くしか無さそうだ。
これ以外の点で我々にDiscordよりZoomがマシだった理由として、アプリ側での使用機材の想定に差があるのかも知れない。

Zoomの画面回転機能はシンプル且つ、嫌でも必ず目に入る様な配置がされていた。
俺は当初使い道が思い浮かばなかったから初見印象では、そんなのどうでもいいから他のもっと大事なの出しといてよと感じた位だ。

この機能で既に体験してるのはまだアスペクト比対策としてだけだが、カメラ設置条件の大巾な緩和に繋がるのも大いに考えられる。
他にD君Z君共々カメラ・オーディオの設定に、どれを使うかアプリ側で選べる様になってるのなんかはスマホでは需要が低そうだ。

それからするとどっちもPC使用に配慮されてる証しだが、D君の最大の売りはゲームらしいのでその分使用機材平均をZoomより立派なのを想定してるのかも知んない。
使い手や用途の広さのせいでZoomが有名になったと感じられたが、利用者が多いと開発の進みも良くなるのがアプリやソフトでの共通な傾向だ。

この点で俺等はスマホ不所持の為、「Line」の真髄を試せないのは少し気になる処だ。
あと以前知人から得た体験情報と遅延に関して違いがあったが、これはアプデのお陰ってよりゃ人数の差の方が疑わしい。

1:1専用じゃない各アプリの実態をもっと正確に知るには、同時最大可能人数でも試してみないと真価は問えなさそうだ。
もしかしたら何処かの理系大学かなんかで既にやってるのかもと思うが、結果が世間に公表されてるかは不明だ。

俺がこの方面では調べる根性!?が不足してるので幾らも知識が増えないが、無料版で全てをテレで賄おうとしてる人が殆ど居ないのか情報収集が非常に面倒だった。
仕方無い現象ではあるがこの機に荒稼ぎ!?を狙う「宣伝」の圧力は凄まじく、正確詳細だが「フラットな意見」の獲得がとても困難だった。

なので個人的にはこの方面の研究は世間が落着いて暫く経つ迄お休みにするつもりで、それより人間側の問題!?の方へ力を入れようと思っている。
真の意味でコミュニケーション力のある人だと、大昔の簡潔な電報1つ
でもインパクト絶大だったのを体験したし。

<つづく>

2020年7月 4日 (土)

音楽備忘録332 素人に可能な防音・遮音①

個人でのスピーカ収録はどんどん廃れて来てる様だが、やはり本邦では騒音問題が最大の敵であろう。
何しろ住居密度が高い癖に比較的遮音性は低目と、極最近は変わりつつあるけれど。

それでも石で密閉する作りな上隣家との間が離れてるお国とは雲泥の差で、個人宅では大きな音を出さない文化にでも固執してるのか。
は分らんけど俺が生きてる内に各戸の距離が劇的に拡がりそうもないので、防音・遮音の方をあらゆる面で追及しちゃいませう。

音楽好きなら誰だって資金がありゃ施工したい処だが、一度に纏まった額や工事期間も要るので困難を伴う。
そこで取敢えずは自前でのから行ってみるが、先ずは一般認識の錯誤指摘からだ。

どの道日曜大工すら苦手だったら貯金に精を出す方が近道かも知れないが、個人では殆ど不可能と思ってたらそれは間違いだ。
持ち家でなく借りてる人にはよりハードルが上がりはするが、最大の鍵となるのは外形と実質的内容積の比率である。

もう一点は狭いのを我慢すると大きなご利益があって、筐体構造に違いが出て来るからだ。
これには専門業者へ依頼する場合でも不変で、特に高遮音性を得る為に「コンクリートの外箱」を作る際に顕著だ。

特に天井部が一定の大きさ迄なら鉄筋を入れるだけで済むのが、それを超えると鉄骨も組まなければ持たなくなるからだ。
木造であればそこ迄極端な違いは出ないが、やはり柱の違いは結構なものがある。

故に外形が小さい程この点では素人の手に負え易くなり、それは材料の入手性や価格にも大いに響く。
簡易表現しとくと長さや重さが素人が運んだりするのが大変なのになって来ると、数が売れないからDIY店での扱いが減るしあっても割高になる。

その次は性能・技術に関係する点だが、最低限の壁厚で必要性能を得たいなら専門家へ委ねるしか無い。
だぐぅわぁって事ぁ非効率を許容すれば個々の性能がそんなに高く無くても良いと云え、防音・遮音扉でこれを例示してみよう。

俺知りで専用のでも量産品化されてるのだと(と言ってもかなり他のよりゃ少量しか需要が無いが)、Rock系爆音の遮絶には大抵は1枚じゃ足りない。
一般的には住宅街で許容される様なレベルにする為に、音源位置から数えたら先ず例外無く扉に類するのが最低2枚は間にある筈だから観察してみとくれ。

これを半分逆手に取れば性能が正規品より劣っても、数を増やせば補える可能性があるのを示唆している。
非正規品っても勿論通気性や透過性とか隙間があっては駄目だが、正規品じゃないと困難なのは最低限の数にするとか最低限の距離・空間で成立させたい場合だ。

俺の場合は新築時同時施工だったのもあって専門業者へ依頼したが、それでもヒントになりそうなこんな実例がある。
防音室内に直接面してる扉は恐らく規格品の製品版だが、仮完工後の実地試験で判明した遮音不足分に対する追加扉はその様な物では無い。

普通の戸建て住宅用の木製のよりは頑強な鉄製ではあるが、密閉シールがゴムでは無くウレタン製で尚且つ1重だ。
因みに正規のタイプのはこれがゴム製で2重になっていて、扉本体の縁と扉枠の夫々へ付けられている。

また最近では防火上の対策からか木製のは見掛なくなったが、かつて従兄の実家で同じ業者が施工した際の扉は2重ゴムシールにはなってたが木製であった。
耐火面以外でなら通気性に対しては金属の方が有利だが、共鳴や反響とか所謂内部損失の面でだと実は木製の方が勝ってたりもする。

人が作った金属は均一性に優れるから薄くは出来るが、均一であるが為に弱点は集中し易い。
一方加工度が比較的高くても天然由来素材の木の方はこれがランダムであるから、弱点が分散気味となり一概に不利では無いのだ。

但し布程では無くても木には導管がある分通気性が皆無では無いので、その分の補填は必要だ。
又重い方が振動し難くなるので金属の方が適したイメージを俺も昔は持ってたが、それは厚さが限定された場合の話しなのに後から気付いた。

因みにⅡでここで敢えて専門業者へ依頼した際の費用にも触れとくが、数百万円を下回らないのは確かだ。
けれど仮に毎日欠かさず他所を¥2,000で借りたとして、その年間総額は¥73万にもなる。

同じ掛るにしても一気に纏めてとなれば殆どの人にとって大変な負担に違いないが、防音室を要する頻度や期間次第では借りるより工事した方がトータルでの出費は少なく済む可能性だってあるのは覚えといて損は無いだろう。
それからするとあまり稼げる見込みが無いケース程(俺か😢)何かの幸運で纏まったお金が入ったら、自前だろうと他力本願だろうと防音工事をしといた方が良いって事になる。

<つづく>

2020年7月 3日 (金)

音楽備忘録331 今更の初Zoom⑦

是迄俺が体験したのはSkypeとZoomだけだったが、今週従兄とのZoom中に提案してDiscordってのを試してみたのでそれを。
って進歩が無いから寝かそうと思ってたらこうなったので、忘れぬ内にで早々に宣言撤回…ごめんよぉ。

テレワーク用のアプリ研究は少し前から少し始めてはいたが、最近従兄経由で彼の知人紹介の初心者にも分り易い記事を知った。
それが https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1249614.html で、アプリ毎の「音的性能」が実測比較されてる有難いページだった。

これと従兄がオンラインレッスン開始に際して訊いた情報を合せると、記事中にある様にDiscordだとZoomを上回ってる可能性がある。
のでこのオッサン達にしちゃ珍しく久々で、速攻チャレンジに望んでみたのだ。

速攻ついでで結果から書いちゃうと、我々若しくは従兄の用途には明らかなメリットはありませんでしたっと。
細かい設定等を幾らも試さないで結論にするのも何だけど、設定が分り易いとか使い易いかどうかも年寄りには大事な基準なのだ。

従兄はネット歴はかなりベテランではあるが電気屋では無いし、俺としてはメールアカウントを要求されたのが気に食わなかった。
最近はマイナンバーカードの件でもそうだが、使用者側(非管理側)からいざって時に充分に応戦する術が無い。

これでは「俺は銃を持ってるが撃たないからこっち来い」ってなもんで、原始時代から連綿と続く人付き合いの基本条件を満たして無いやんけ。
と言ってもこのご時世では全回避は困難だし非現実的だが、たればこそ選べる限りは選びたいって心境だ。

それはそれとして具体面で先ずつまづいたのが画像回転で、我々は横長アスペクト比のカメラしか持っていない。
もし相手がスマホで見辛いと言われた時、これが簡単に出来ると助かりそうだ。

次に記事執筆より後にZoomもアプデが色々あったらしく、我々の現環境下ではZoomよりDiscordの方が遅延が大きかった。
これも杜撰で乱暴な試験の結果なのであまりあてにならないが、Zoomで相談し乍らDiscordを落して入れて動かしたお陰で自動的に比較出来ちゃった。

どっちのも或は他の殆どのがそうだが、開始するにはどっちか一方の相手のIDなりアカウントなりを伝えなくてはならない。
それで途中まで併用する事となったんだが、宅の方だけだがこっちのPCにはオーディオが2系統あって同時使用が可能となっている。

って単に音楽屋だからサウンドカードを乗せてるだけなんだが、副産物として昔Skypeを試した時から使い分けるのを俺的に確立していた。
そうしとくと音楽の仕事とテレワークでケーブルの繋ぎ変えが不要に出来、急な事態にも即応し易くなるからだ。

それが今回更なるボーナスとして全く同時使用するつもりは無かったが、両アプリの音声を偶然同時に聴けてしまったのだ。
いやぁなんか変になったら困るからDiscordが立ち上がったら切替る腹で居たが、初めてなもんだからどれ位で始められるのかが全然分んなかったのよ。

しかも従兄側がどれ位で準備完了になるかも全く未知だったしで、したっけホントは間違って両方動かしちゃっただけなんだけどね。😅😓💦
それでもZoomをしっかり閉じても変化が無かったので、場合に依っては最高にはならないの位は書いても良いかと思ってね。

メアド要求の件に関しては俺がブータレ(訳:不平を言う)たら、従兄は生徒でそう思う人が居るかもと思ったらしい。
客層次第では問題にならないとは思うが、オンラインレッスンでの生徒側の手間は少ない程良いのは間違い無いからね。

<つづく>

2020年7月 2日 (木)

音楽備忘録330 エレキのスピーカ⑧

今回は「録音時の」同一スピーカユニットの複数同時使用について言及するが、近年本邦ではPAでも小規模なのには見られなくなって久しい。(ステレオの左右は本件では当然除外)
それが電気楽器爆音系にだけ残ってるのは1に能率が原因だが、2に増幅素子に真空管が使われてるのがあるのも関係してる。

1はユニット単体でも特に今は楽器用の方が高能率で、PAやオーディオのはそれより周波数特性やリニアリティを優先させ大昔より意図的に犠牲にしている。
これは2とも大いに関係してて増幅素子を球に限定しなけりゃ、今はかなり自由に巨大パワーが得られる様になったからだ。(小型大出力Bass Ampの一部にはPA寄りのも最近は有)

2についてはその中で1にコスト2に重量が最大関門で、更に核心へ迫れば電源と出力のトランスがその主犯!?だ。
同じ増幅器でもどっちかってばPAは設備系なのに対し、楽器は一部の業務専用を除けば個人所有率の方が高いと思われる。

それが大きくてとても重いんじゃ運搬で持上げるのも大変だが、それ以上に操縦が困難になる。
それでももしごっつい分だけ丈夫だったら良いが、古典的な球であっても電子精密機器なので無用な衝撃はご法度だ。

管球式Amp Headと比べたらスピーカの方がまだ丈夫なので、現代では亜流な複数使用もある意味究極の選択と見做せる。
しかし本邦みたいに狭苦しいとなると俺としてはこれは看過し辛く、生楽器だったら仕方無いが折角電気楽器なのにとも思ってしまう。

上記以外にも伝統的音質の問題もあったりするので闇雲に減らせるもんでもないが、これの殆どの場合はユニット数のみならず比較的大柄なキャビネットを要すのも注意点だ。
生で聴くなら極端な狭小空間以外ではそれ等は柄が嵩んでも素晴らしい音を出してくれるが、それを漏れなく
録ろうとすればOn Micに出来なくなる。

それでも超爆音が出てるなら悪影響は少なさそうだが、100W級なのに3段積みでスピーカユニットが4×2=8なんてなるとホントは中々厄介なのだ。
一般的にはそんなのでもどれか1つのスピーカにOn Micに構えてたりするが、あれは本来PAの流儀であって録音用では無い。

現実的にはそれで録られてるのも多く散見されるが、それでは特に低域が全然実際出てるままには録れていないのだ。
敢えてこれを無理に擁護しとけば低域過多からは自動的に開放されるとも言えるが、奏者に断り無くそれをすれば誤解を与えてしまう。

個人的に最近改めて気になってるのが生Pianoの収録音色で、Classic系のでも変に流行りを意識し過ぎて俺言い「打込み紛い」のにされてるのも多い。
確かに鮮度に長け明瞭で第一印象は現代的で結構だが、実際出てるのよりBrightに聴こえて音楽表現的に良い事は何1つ無いんだよねぇ。

一部の奏者以外は作編曲家を含め全ての音に一定以上の明瞭度を求めてるのは極稀で、料理の味付けに例えたら「味の素」が分離してて入れてあるのが露骨に分かるってなもんだ。
出汁でも隠し味でも食べる今に降り掛けた七味唐辛子と、同じ様に感知出来る方が美味しいなんてあり得ないと思うんだけど如何すか。

故にこの手の盛り若しくは加工をするならせめて良い意味で意図的であるべきで、奏者自身が完成状態から逆算して加減出来るのが必須と考えている。
これ等を参考に考慮すると伝統的音色からはどうせとっくに大巾に乖離しちゃってんだから、スピーカを必要最少数として「狭小国独特の個性」にでもしてもええじゃないのなんてさ。

もしそんなのが主流化してくれたら少しは値下がりするんじゃってのが俺の魂胆だが、見栄えは劣っても防音工事等にはかなり助けになると思われる。
Rock系の爆音は生半可な事じゃ防ぎ切れないが、それだけ床・壁・天井に厚みが要るので狭くても収められる様になるのは大きい。

本件もまるっきり勝手好き好き趣味習慣の話しではあるが、楽器系だけが環境に対して省スペースが遅れ気味なのは気になる処だ。
特に真空管式なら必ず場所を取るのを我慢しろみたいな風潮には、それこそ我慢がならない。

勿論デジタルや石のに比べたら限界は低い目にはなるが、もう少しは可能なのに恰もそれが無理かの様に見せるやり口は許し難い。
そうは言っても防音・遮音が、先ずは大きな問題ではあるが…。

<つづく>

2020年7月 1日 (水)

音楽備忘録329 今更の初Zoom⑥

今回は機器のリソースへ焦点を当てて行くが、スマホ使用者にとってはあまり気にならないかも知れない。
何しろスマホも根幹は電話機なんで、PCよりゃ双方向通信を基盤に考えられてるからね。

俺はスマホ不所持だし古いPCしか無いから皆より苦労してる、かと思いきやそうでも無いらしい。
周囲へ実情を伺ってみるとPCより気付き難いだけで、余程高級機にでもしないと無影響とは行かないみたいだ。

この他にも若干盲点ってば宅外使用なら場所にも依るだろうが、そもそも回線自体に対する意識が不足気味なせいだろう。
普通の人だったら使う前に余裕の程度を一々計算したりなんてしないだろうし、最終的には実際に使って足りなくなってみてからじゃないと体感は出来ないしね。

これが宅内だと何でってばWi-Fi自体の性能や環境もだが、Wi-Fiの「その先」が本命で前回触れた例のヤツだ

普段意識したり一々毎度思い出したりなんてしないんだけど、結局大抵はPC等と全く同じイーサネットへ繋がっている。

しかもスマホより先にPCを使ってた所だったら、Wi-Fiアダプタを繋ぐのは大抵ルータのLANへとなる。
なのでイーサネットやLANに充分な容量と速度が無いと、オンボロPCだろうと最新スマホだろうと大した差も出せないのだ。

これが又スマホを持つ迄旧来からあったSkypeみたいなのですら、PCでやろうとすれば結構手間が面倒だ。
それでPCでは殆どリアルタイムの双方向通信をやってなかったとすれば、足りてるかどうかを事前に知る機会を逃してたとも言い換えられる。

何を隠そう俺自身もその典型で昔ITの師匠からの要望で、音だけのSkypeを数回試してそれっきりだった。
只不幸中の幸いだったのはこの親友兼師匠の強力な提言から、当時の宅には少しオーバースペックだったが最初から光契約としてた処。

従兄の所では現況ネット接続機器がオンリーワンだからかまだ問題は露呈して無いみたいだったが、こっちではZoomをマルチディスプレイ設定にしといたらグラフィックドライバがしばしば飛んだりした。
やはりPCの非力さは拭えないが、強がり半分も末端トラブルで良かったとウソぶいとこう。😅

端末の問題なら個人の力で解決可能で、今回の俺のケースならケチってネットへ繋げる中では一番低性能なPCを使うのをよせば良い。
だが素人が全く手を出せない設備・契約系に難があると、1に費用2に手間もだが解消に時間が掛るのを覚えとくと良いのではと思う。

俺は限界に近い低環境のお陰で新しく無いと無理なの以外は、既存持参ので代用・もし買うんでも中古がデフォとなってしまった。
実際こんな生活は手間のオンパレードで一寸辟易気味だけど、本人が分かって無いと知って無いと難しい点では知恵が付いてよろしい。

今の時点で従兄宅LANに進展が無いので一旦〆へ向かうが、低性能器常用者ならでは!?の体験を参考に付記しとこう。
狭いからケーブル届いたと同様、どんなのがどれ位重いもんなのかはこれだと圧倒的に分り易い。💧💦

っつったって重過ぎりゃ動かんのだからかなり限りはあるが、例えばYoutube等で画質を最低に落しといても○×△□な件だ。
既にサーバーに入ってるヤツを唯視聴するなら全然平気なのに、Live配信だとか双方向となると途端に様相が変化するのだ。

例えばグラフィック系がギリギリフルHDに対応してたとして、PC内に保存されてるのだったら見られる様なケースがある。
それがDVD等外部保存だとカクカクし出して、ネット経由だと途中で固まってそれっきりなんてね。

要はそれだけリアルタイムや双方向になると負荷が高まるって事の証しで、デジタルIT機器の多くは実はアナログよりリアルタイムや双方向には弱いのだ。
非ケータイのだと遠隔地の国際電話なら流石に遅延は分かるが、同じ建物内同士で話してたらほぼ遅れないよね。

現行のデジタルのは特に光通信だと全てのデータをたった1本の線に同居させるんだから、原理的に必ず遅れが生じるのだ。
只昔のアナログのより物凄く高速で大容量だから、「普段は」目立ち難いだけなのよ。

<一旦終り>

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