音楽備忘録307 エレキのPU選択とToneのセッティング⑫
近年本邦のが耳に入ると無駄深歪ませと同時にPU選択・組合せにも杜撰さを感じちまうが、その最大要因は何と言っても考えずに只既存の定番を借用してるだけに聴こえたりするからだ。
打込みや切貼りが勢力拡大の一途を辿る今こそ昔以上にリアル特有の利点ってば、こう云う処での個性や独自性だと思うんだよね。
音素材や音源にだって高級なのにはそれなりにバリエーションもあるだろうが、例えば弦楽器なら弦自体の材や太さ・太鼓だったら皮の種類や厚み等はリアルだったら簡単に変えられる。
それ等バリエーション中で商品としての音素材や音源となると、「儲けが少ない」とか「汎用性が低い」のはどうしたって入れ難いのも当然だ。
お題のPU選択にも用途適正があるから何にでもどれでもとは行かんけど、それだってToneセッティングを一般的なので固定したりしてて変えない場合の話しだ。
メロディラインを弾くのに典型的ハムバッキングのフロントは、ある時期迄は歪ませないJazz系等でしか使われていなかった。
それが私的知識に依ればJohnny WinterがFirebirdで一工夫して以降、俺を含めて皆にそうかその手があったかと浸透した様に記憶している。
それ以前は歪ませた物ではそのままだと低域量過多なので、所謂「ウーマントーン」だとかFuzz系のむさ苦しい歪みしか得られなかったから非常用のパターンと思われていた。
Single CoilのではJimi Hendrix辺りからStratの全部の組合せが使われる様になり出したが、こっちはバッキングのパワーコードなんかを演るのに前も後ろも今一との見立ても出来なく無い。
フロントでは概述アタックの粒立ちを出すのに、リアでは低域量がしっかり欲しい時に普通のToneセッティングでは厳しい。
これも概述だがFenderは低音と高音に特徴が持たされてるので、その部分を大巾に弄ると使える様な音色バランスには出来ても折角の個性をかなり犠牲にする場合も多いからだ。
もしToneセッティングは固定でこの用途に使い易いのとなると、多くの者が軽視してる中センターPUだけってのが案外結構行ける。
これはChar氏の受売りに過ぎんが、実体験でもMustangからStratに持ち替えると見事に合点が行く。
StratはフロントPUにも独特の甘さと柔らかさがあって美味しいけど、深目以上に歪ませるのには低音過多で軟らか過ぎた。
それが普段は今一半端で地味だったセンターPUへ切替えると、MustangのフロントPUで演れてたのがほぼそのままで演れた。
因みにJimi Hendrixの歪みは現代基準だとAmpでは軽目止まり、それ以上のはFuzzを使っていた。
そのお陰で深歪ませでもフロントPUだけのも使えてたと思われ、Ampのみで深歪ませさせて一番Fuzzっぽく出来るのがSingle CoilでもハムバッキングでもフロントPUの場合だ。
それからすればJimi氏は「リアでもフロントの深歪ませみたいな音」を得るのに、Fuzzが役立っていたとも見立てられる。
今は歪みもデジタルEffectorの膨大なプログラムではそれを切替えるだけで、Guitar側はほっぱらかしのままでも使用に耐えそうな音色が得られる様にはなっている。
けれど歪みや音色はそれでOKでもPUが違えば反応の仕方は違ったままなんで、「弾きたい都合」にちゃんと応じてくれてるかはかなり疑わしい。
多分Ampに頼れない環境下でも良い線迄行ってる若い人も(例えばカホリさんとか)稀に見掛けるが、オジサンには何となく物足りなさが残ってるのも事実だ。
演奏にも音色にも全く問題無いのにどうしてだろうとずっと思ってたが、どうも小奇麗過ぎる部分がいけなかったらしい。
それは同じ音程・フレーズ等の際恐らく強力演出Effectorのせいで、どの曲の何処で演っても完全に同じになり過ぎてるかららしい。
或は本人の奏力安定度が高過ぎるだけなのか知らんが、元気な曲でもその逆の曲でも歪み具合が一緒ってな人間味観点では不自然だ。
絶好調で調子に乗れば弾くのが普段より強めに、絶不調で仕方無く弾けば普段より弱くなったりするの必然。
そうなるとAmp直結だったら歪みの深さからして違ってしまってる筈で、粗なら減らしたいが表現ならそれが出てくれなきゃ却って不便だ。
<つづく>
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