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2020年6月26日 (金)

音楽備忘録324 エレキのスピーカ➄

今回は俺も悩まされ続けてるBass用スピーカシステムの、非フルレンジ駆動に特化させて行きます。
昔困難だったのが克服されるのは大変結構ですが、その代りに原形が崩れ過ぎるのはこちとらとっても困るんであります。

電気楽器用のスピーカでウーハとツィータ等で所謂帯域分割駆動が最初に導入されたのは、俺知りではHammond Organ用のLeslieだ。
他にも無かったかは不知だが、
楽器用で一般化と普及したのはこれが最初だと思う。

尤もこれはEffectを掛ける目的で実施されたものなので、今回のお題とは毛色が違う。
Hi-Fi化が目的でやった最初としてはBeatlesのLive用の辺りで、但しBass用では無くGuitar用のだった。

これは今だったらGuitarには不要と思われる、高域の拡張手段としてホーンツィータが追加されている。
残念乍ら現物に触れられていないので実情が不明確だが、低品質だがこれの記録されてる音を聴く限りは別に風変りでも無かった。

もしかしたら他に類を見なかった過酷な環境とか、極限迄能率を追及するのにそうしないと高域不足になったのか。
それに対し現行のBassの2Wayは、基本的には「Line録り音源の再現」だと思われる。

けれどいきなりどれもがそうなったでも無く、2Way化の初期には大別して2つの潮流があったと考えられる。
その何れにしてもキッカケになったのは恐らくRoundwound弦の一般化で、そもそもこれ自体がBassサウンドの明瞭化等が根底にあったと考えられる。

Rock系がビッグビジネスとして成立する以前のBassには、どちらさんでも意図的なの以外にそんなに高域は求められていなかった。
こんな体験を披露すると齢がバレるが(別に隠す気も無いが何となく…)、実際俺が幼少時に耳に入って来るBassに今みたいなビンビンとかギンギンなんてのが混ざってるのは皆無だった。

Bassで高域含有量が多いのってばせいぜいFuzzが掛ってるの程度が関の山で、後はひたすら「低音の深み競争」みたいな様相を呈していたものだ。
早々に戻して弦が原因でもスピーカの再生可能帯域がワイドだったら追設不要になるが、上記の競争に勝つ為か一部のAmpには今の基準だと極端に高域の出ないのもあった。

これにフォーカスすれば映画の音響装置以外では、黎明期のサブウーハと捉えても良い程極端であった。
俺知り実例ではFender Bassmanの100W系列のとか、一番新しい方では大不評だった好評だった頃のとは全く別物化しちまった一時期のAcousticの等が思い出される。

Fenderのは真空管式なのでまだ許せたが、昔仕事で呼ばれて行った先に上記後者しか置いて無かったのには全く辟易させられた。
こヤツHeadは好み的に△でも問題は無く、スピーカキャビネットが低音用のだけしか無かったのが元凶だった。

何しろHead側でどんなに高域を無理盛りしてやっても、やっと聴こえて2kHzの体たらく。
普通楽器用の2Wayったら中低域と高域に分かれてるが、どうもこれは低域と中高域って仕様になってたらしい。

音響的に中域は低域用コーン型でも高域用ホーン型(但し大柄な物)のどっちでも出せるが、能率が稼げるのはホーン型の方だからそうしてみてたのかも知れない。
根本的な責任の所在は組合せにあった不足の失念だが、現物試奏をしなれりゃこんなアブノーマルは分りそうも無い。

当時のカタログには分担境界線となる所謂クロスオーバー周波数は明記されてたが、文面上のそれは上記Bassmanに使われてたウーハと同じ位だった。
だが実際音を出してみるとちっとも同じじゃ無くて、F君のは「そこ迄ならそのまま出ます」なのがA君の方は「そこ迄は耳を凝らせば微かに聴こえます」だったのだ。

正直カタログ文言に重大な不足があった訳だが、もしかしたら使ってみないで数値だけで書いてしまったのかも知れない。
その奥にはスピーカのタイプ次第で数値が一緒でも性質が違うのがあるとも云え、その証拠か当時の時世もあったにせよF君の方には高域用のキャビネットなんてラインナップされて無かった。

<つづく>

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