音楽備忘録309 エレキのPU選択とToneのセッティング⑭
前回は楽器本体搭載のToneツマミで絞るのが嫌いなのをぶったけど、公平性も保たせたいので使う利点にも言及しとこう。
それは歪ませた際の音色についてで、概要としては楽器のと歪みのの高域の個別調節が可能となる処だ。
厳密に行けばAmpのパワー段(最終段)での歪みの高域は、Marshall等のPresenceとかパワー段に掛るツマミが付いて無いと片肺状態になる。
普通より減らしたい時だってそうだけど特に影響するのは増やしたい時で、例えばGuitar自体は普通よりマイルドでも歪みの感じはワイルドにしたいなんて時 だ。
歪みに豊富な高域が欲しきゃAmpで絞り過ぎる訳には行かず、楽器本体にToneツマミが非搭載だったら足りるだけ削れなかったりするからね。
細かいっちゃ細かいけどこの手の芸当は今でもまだリアルの特権で、打込み等バーチャル系では丁度良いのが幸運にも入ってなきゃ諦めるしか無い。
その幸運に恵まれてもまだ試練は続きそこから少しでも変更したいと思っても、楽器と歪みのを個別に変えるのが出来ない。
しかしワイのAmpにそんなツマミ付いて無いし改造したくないとか、本体と歪みの音質はリンクしてて良いなんてんなら殆どご利益は無い。
それとこれの効果度合いはAmp Tone回路の定数次第で差があって、使用典型例としてMarshallを先に挙げちゃったけど実は典型Fender系のの方が影響が大きかったりする。😅
原因はTrebleツマミのターンオーバー(効果が出始める周波数)が高く設定されてるからで、Marshallと違って原設計が歪ませない方へ最適化させたせいだ。
歪ませると音全体の高域含有率は高くなるが、って事ぁ歪ませない時はその分大胆に増し盛りしてやんないと差が分り難い。
すると生音ではリッチでゴキゲンだったFenderが、歪ませると何だか急に汚っぽくなるのはこれが主因だ。
新型のではFenderでも対策が進んで来てるが、それでも歪みのギスギスを嫌がると全体音色は籠り気味にしか出来ない様だ。
Fender系でこれからある程度逃れられられるのは思いっ切り旧式なヤツで、それ等には整流管が使われてて歪みが柔かいとかまだFender固有のTone回路が搭載されて無いからだ。
因みに黎明期のMarshallは回路的にはFenderのコピーから始まってるが、そのモデルとしたのは上記の古典機だった。
BeatlesがFenderを使い出した頃にはもうTone回路は現行タイプとなってたが、この理由で録音ではFenderでも外装のツイードがボロくなってる古典のなんかも持込んだりしていたのだ。
なので歪ませ系業務用タイプのMarshallを歪ませないで使うと、低音が薄っぺらな癖に高域も何だか寸詰まりな音色となってしまう。
上の方は前出Presenceツマミの調節で少しは補填出来るが、下がしっかり欲しい時には致命傷だ。
これよりゃクリーンな歪みでいて低域もしっかりって目的ではあったが、本来の機能とは一寸乖離してるがResonance等と称したパワー段のみの低域の増減機能が後発のには追加されている。
ここでの注意事項はPresenceもResonanceも通常は1組しか無くて、Ch切替機能搭載機でもこの2つには切替は無効となってる処だ。
因みにⅡで上記「クリーンな歪みでいて低域もしっかり」とはどんなのってば、歪みにダブ付感が出たりとかルーズにならないって意味。
この手のサウンドには歪ませる前の音が僅かでも低音過多だともう駄目で、工夫無しだとどうしても重さも兼ね備えた音色に出来ない。
Edward Van Halenが人より深く歪ませ出した当時はまだResonanceツマミは無かって、これをどうやってOld Marshallで低域補填したかってば何とスピーカを交換しちまいやんの。
Amp Headでは歪みと中高域を・スピーカで好みの低域を作るって、でもこれが案外理に適っている。
後年Peaveyから出た6505シリーズでこれが確認可能で、普通なら再生帯域が80~8kHz位にするのを50~4kHzなんてウーハみたいなスピーカが載せられている。
尤もこれをしちゃうと多・他用途には使い辛くなるから一般には適用し辛いが、原理としては知ってて必ず得する類のだ。
<つづく>
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