音楽備忘録304 エレキのPU選択とToneのセッティング⑨
毎度の多分求められてない大脱線になっちゃうけど、日本でRickenbackerのLow Cutコンデンサについて掘った記事の記憶が無いので勝手にぶたせておくれ。
他機種で後思い浮かぶとしたらHöfner 500/1の、Rhythm/Soloって今一良く分らん切替SW位かなぁ。
先ずは上記Rhythm/Solo SWの件も少し解説しとくと設計された時代と国(西ドイツ)でのニーズもあったか分からんが、音量はSoloの方が大きくなるのでこれは納得。
でも音質が理解に苦しむ処で普通に考えりゃSoloの方が明瞭度が欲しく、それには高域が減るのは相応しく無い。
のに折角音量が増加してもマイルドな低域中心の音色となってて、メロディラインの聴き取り易さには逆効果な筈なのに何故かそうなってましてん。
先へ進めるが思い直せば本体内蔵で電子回路素子だけ(パッシブ型:電池不要の)で音色を変えるのなら、Gibsonの「Varitone」SWとか他にもあるにはあったっけ。
だがそれ等とR君のの最大の相違は、「片方のPUだけ」に掛けてる処でやんす。
唯一の例外たるR君以外のはPUの持ってる性質に悪変化を与えたくないとか、音量バランスの再調整をほぼ不要とする為に「混ぜてから弄る」スタイルとなっとりゃーす。
擬似的にはコンデンサに依る音量低下分を、反対側のボリウムを絞るとかPUへ直列に抵抗器を入れて落すなんてのも考えられはする。
けれどそれをすると単にロスが勿体無い他に、インピーダンス等が変動してそれに依って音色に変調を来すのも想像に難くない。
この変態アイデアの効能としては
①シャープ目なアタック音
②フロントPU単独時と全く同じ太さ・柔らかさ・重さ
③Single Coilならではのアタックやタッチのやんちゃ!?なニュアンス
の共存が成立してる処だ。
もしそれが欲しいとなれば他に類を聴かないオンリーワンな音色ではあるが、本領発揮するのはアンサンブル内に於いてで単独で鳴らした時の他との差は小さい。
その上R君でもコンデンサ無しで普通のフロント+リアの音色もかなり魅力的なのと、流行の関係でリアオンリーを普通に使えた方が良いのからか’80年代初頭には本家も一旦止めてしまっていた。
俺自身最初に手にした真っ黒な安偽物はもう40年近く昔のだったから、当時の本家仕様に合わせてリアPUにはコンデンサが直列に入っていた。
が「もっと低音を」ってのと当時演りたかった曲の都合からJazzタイプの代用にするにはお邪魔だったし、前述の効果に対し無知だったのもあって幾らもしない内に外してそれっ切りとなっている。
今は超長期借用中の本物へもオーナーの了承を得た上で、近年の本家に施されたのと近似な方法でコンデンサの有無を切替えられる様にしてある。
本家が’90年代途中でそうした理由を推察すると、Old Typeの限定品の評判が良かったとか他に無いままだったから等もありはしただろう。
でもそれより録音音質の変化で僅かな差もハッキリ記録可能となったのと、Line録りも増えたせいではないかと考えている。
現に俺自身が気になって手を加えたのもそれが原因で、近年になって低音域の硬さに不自然さを感じる様になってたからだ。
それは本来太く鳴ってる物が録ると細って聴こえるってもので、極論すると太鼓の皮へ耳を押し当てといて叩いて貰ったのを聴くみたいな…。
或は耳の鼓膜より頭の内側で音が出てるとでも言えば良いのか、楽器との距離感が非現実的にでもなった様な風にニュアンスが変化しちまうからだ。
<つづく>
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