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2020年6月28日 (日)

音楽備忘録326 エレキのスピーカ⑥

前回のは2Way設計なのに下のしか無かったから普通の音が出せなかっただけではあるが、楽器用としてはこの様な構成はやはり不親切だ。
仮に最高の音を狙って分割させたのならその旨明示しとくべきなのに、他より高額化するのをボカしたかったか兎に角売れりゃ良いと思ったのか真相は不明だが。

以前Classic系奏者こそ譜面を常用するからこれからは電子譜面の、言わば付帯業務であっても電子機器の操縦に慣れないとと書いた。
これに倣えば電気楽器奏者は電気音響に詳しくて是となるが、上述の人みたいにページがめくれ無きゃ次が弾けない様な事態を招きはしない。

もっと掘るんじゃ無くて今回は穴埋めしとくと、今の一般用オーディオ用スピーカにフルレンジは少数派だ。
が大規模PA用等と違って民生用の複数ユニットのはどれも「一箱」にパッケージングされて居り、楽器用の方でも近年はこのタイプのスタイルが主流になっている。

しかし俺からするとこれは第一段階に過ぎず、欲しい人には助かるが望まぬ者には出過ぎて厄介な超高域となっている。
近回にClavinetの過去にCymbalの音色と周波数音量分布の差を例示したが、電気楽器に必要な高域はオーディオ用のそれよりかなり低いのの認識が不足と感じられるのだ。

電気楽器の音色的特徴の中には特定帯域を生より格段に豊富に供給出来る処があるが、これこそが聴いた印象には一番影響を与えてる部分なのだ。
リアルの生楽器は電気的な制限は皆無だから、その面では出せる音域も無制限だ。(音程の事じゃ無かとよ)

例えば太鼓みたいに「叩いて」音を出す物だと、音は愚か叩かれた事で生じた「振動」すら常時必ず伴っている。
この振動を音として解釈したら超低域、所謂サブソニック領域である。
或はViolinみたいに「擦って」音を出すのだと擦る=摩擦なのだから、摩擦音なら耳が非対応な程超高域迄出てるのは確実だ。

けれどどちらも揺すったり磨いたりするんじゃ無く音を出そうとしてそうなってるのもあって、その部分の音量がバランスとしては桁違いに小さくなっている。
それで太鼓でもバスドラ以外では擬音化してもズンとかにはならず、タンとかトンって感じとして人は捉えているのだ。

つまり音色と再生周波数帯域は決して無関係じゃ無いが、ちっとも直結はしていないのである。
故にエレキBassにとって効力の低い超高域が出せても、籠り感の解消には多少役立っても基本的な音色に対してはあまり意味が無いのである。

具体的には弦とフレットが離合する際の接触雑音であるとか、増幅回路に付き物のホワイトノイズを不要に強めてしまうとか。
これを解決するにはレンジ拡大用に追加するユニットに対する考え方に錯誤のあるのが多いと云え、ツィータでは無くホントは音響的には所謂ミッドレンジとかスコーカが適してるし必要なのだ。

しかし中域音響用ユニットは柄が大きくなるし、高域用のよりは低能率になりがち。
オマケにコストもこれに比例してるとなると、高域用ので代用したくなる気持ちも理解は出来る。

けれどこうなると雑音嫌なら籠るの許せ、籠るの嫌なら雑音許せのハラスメントになっちまってるぞっと。
尤も原設計!?に従ってフルレンジタイプを使えばこんな問題は無くなるが、そのモデル数が過去比だとかなり減っちまってるのが困るのよ。

単に選択肢が減るだけじゃ無く競争も減るから、性能的により優れたのは登場し難くなる。
狭いし政府が芸術を蔑視してる日本だからこそ、なるべくならスピーカユニットは最少数で行きたい。

俺が密かに目論んでるのが効率的には不利でも昔よりは大出力の真空管Headも流通してるので、近年のコンパクトオーディオみたいにAmpがスピーカの非力を補う組合せもアリだと考えている。(石Ampの方では既に実現)
尤も予算の見通しが全く不透明なので実施の可能性すら危ういが、スペースを最優先させれば大出力Amp Headはデカくなるったってスピーカキャビが増えるよりゃ小さく済むからね。

それはそれとしてもしフルレンジか2Wayでもウーハ+スコーカに出来ると、Line録り時に悩まされる「上手な不要高域の削り方」なんて手間からは開放される。
しかしこんなになって来たのってもしか、LiveでもBassはPAからのLineの分が主体になって来てるからなんだろうか。

<つづく>

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