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2020年6月18日 (木)

音楽備忘録316 エレキのPU選択とToneのセッティング㉑

漸くで纏めへと向かって行きますけど、先ずはGuitarの本体搭載Toneの使用についてから。
今迄散々扱き下ろし!?といてこんなん言い出すと又爆弾ですかと思われそうだが、実はToneツマミが全開でも回路自体が付いてるとそうじゃ無いのよりは超高域が抑えられちゃってます。

但しそれが問題となるのは設計時には付いてたのを只撤去したとか、付いて無いのに無配慮で勝手に追加したなんて
場合の話し。
大半のPUの設計自体にはTone回路搭載の有無が予め配慮調整されてるんで、それに従うか使わないから不要でも音色を維持したきゃ電気的に同等化させとく必要がある。

理屈としては昔から知ってたけど俺が実体感したのは休養中の相棒のGuitar修理時で、徹底追求派の彼はロスを嫌って使わないのを外して居りました。
その個体は正に逸品で鳴りも音色も抜群なんだけど何か違和感があって、何かと思ったら不要超高域が出過ぎてたせいでやんした。

又この現象はボリウムポットを当初設計値より大きい抵抗値のへ交換した場合等も該当し、これ等はインピーダンスが変わるのがその原因だ。
エレキの電磁Pickupは出力インピーダンスがとても高いので、もし完全無劣化を狙うならそれを受ける側には無限大インピーダンスとするのが机上では理想だ。

勿論現実的にはそんなの全然無理だし出来ても副作用が大き過ぎ、雑音に極端に弱くなってどうしようも無くなる。
そんな背景から’80年代にはBufferとかPreampなんかがやたらと流行って、今迄削がれてたのが聴こえる様になったらどんなに素敵でしょうと皆儚い夢を見てたっけね。

でどんなになってったかってば録音が低レベルのアナログテープとか、貧相な店でのLiveでは使用前よりゃ何演ってるのかは聴こえ易くなった。
それとデジタルReverbが一般化し出したのに伴ってLine録りも増えて来て、その感じを生演奏時になんちゃってLine録りサウンドとするのには好都合だった。

けれどらしさやムードはどんどん失せてっちゃって、ミレニアムの頃迄には普通のBandらしい音で演りたい連中からは見向きもされなくなって終った。
単体聴きでは使った方がスッキリ&Hi-Fiっぽくなって良いかと思ったら、Liveでの音の「通り」はかなり劣化するのでお客さんにはそれがちゃんとは届いてはくれないしで。

この案件換言したら明瞭度や新鮮味はもっと欲しいがらしさは損ねたく無いともなるが、私的にはこれへ一番効果的なのはAmpスピーカの換装だ。
楽器Ampの現状をこの観点で分析すると、回路部は進み過ぎでスピーカは遅れ過ぎなのが多い。

廉価な特に石のAmpではこの傾向は以前から顕著だったが、電子回路がオーディオ的に過ぎるのをボロいスピーカでマイルドにするって実にケチな戦法が巾を利かせている。
サウンドを2の次にして最廉価で楽器Ampを作るのに都合の良い方法で、電子部品はオーディオ汎用激安品を流用・スピーカもショボくて良きゃこりゃ安上がりでごケッコーだわな。

それが面倒なんですけど楽器Ampとして最適解を求めたら上記の逆が正解で、幾らスピーカにオーディオ的高性能は要らないったってショボ過ぎちゃ音は劣化しちまうある。
今だと昔のままの体験が難しいから恐らく体感もし辛いだろうが、最悪環境下のLiveで使ってみりゃ誰にでも歴然の差が出ますですよ。

してこれが録音でも単体収録時には気になんないけど、後から一杯入って来てそれと一緒に再生するとやはり結構差が出て来るんですの。
と本体搭載Toneは何とも現代では中途半端で厄介な存在になっちゃったけど、別に絶対使っちゃいけなくは無いですよ。

意図的に過去の達人のを引用しようなんて時ゃ使わにぁ始まらんしね、只環境が当時とは違うせいでホントに同じに聴こえるのを求めるとそれではそれだけでは厳しくなったと申すのであるよ。
特にBassでは前回迄に述べた如くで、後からの調整可能範囲を広く残しときたいですから。

<つづく>

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