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2020年5月29日 (金)

音楽備忘録296 エレキのPU選択とToneのセッティング①

前回迄の「歪ませない効能」を仮に敢えて否定するなら、今回のお題はクリア必至の案件となるのでそれを。
俺がこれを気にし出したのはフロントPUの有効化と、アンサンブル内での音域バランスだった。

耳タコ念押しになっちまうが俺がほぼ常時「アンサンブル男!?」となったのは、きっと全パートを担当する事が多いからだろう。
それは単にどれも弾くだけじゃ無く、どのパートにも自分のサウンドを堅持させたかったのが原因だ。

少し回りくどくなるがPickupの歴史から始めとくが、お題に直接関係する「数と付けられてる場所」限定だから暫しの我慢だ。
電磁Pickupの登場当初は先ずリアへの単独搭載から始まってるが、Rickenbacker独自の弦の上側にも磁石が被さるタイプのだった。

この構造では「弾かれる場所」の真ん中にあっては邪魔で困るから、弾く領域の前後どっちかへ寄せとくしか無い。
音色や拾える倍音へどれ位配慮してたかは不明だが、取敢えず弾ける場所を広く取れるせいかリアへ付けられていた。

そこから電気楽器固有の利点活用として、段々搭載PUの数が増えて行く。
っても大抵はどう頑張っても空間制約で凡そ4基程度で限界だが、多数派は2基搭載に落ち着いている。

これはネック寄りとブリッジ寄りのが音色差が最大となるのと、その間が空けてあると弾くのに邪魔にならんからと推察される。
かつてはHöfner 500/1 ’61 CavernみたいにBassで低音が必需だからと前と真ん中みたいなのも一部にあったが、上記理由が元で今では復刻版以外は両端寄せが普通だ。

因みに今でも2コ付いてて前後どっちかへ寄ったままなのもFender系Bassでは普通だが、そのお陰でどちらも極限用途には不向きになってるとも言えなく無い。
これが俺的に不思議に感じられるのはFenderは、前・中・後とStratcasterみたいに3基搭載のも出してるからだ。

閑話休題してそれを歪ませなかったその昔は単にフロント・リアと呼ぶより、Ryhthm・Lead等と用途別呼称してるのもかなり浸透していた様だ。
今じゃ滅多にそうは呼ばなくなってるが、GibsonのトグルSWのネームプレートには未だにそう刻印されたままだったりする。

実際はどっちを何へ使ったって悪か無いがEffectorやCh切替機能非搭載のAmpしか無かった当時は、PUを切替えて使うのが伴奏とソロの適正化に一番有効な手段だったのだ。
これの訳は担当相違時に求められる適正音量と音質があり、先ず伴奏時は極力聴こえる範囲で低音の量が要求されるのに由来している。

小さくないと困るけど伴奏であるから音域次第で聴こえ難い帯域があっては不味いのと、低目の音域程多用されがちなので下がしっかり出てる必要がある。
片やソロ時は華やかに目立つ程良いのと、弾いたの全部が楽に聴こえる迄音量を大きくして構わない。

それをたった1つのAmp Toneセッティングで賄える様にしてある為、特に深く歪ませるとそのまでは不具合が出てしまった。
要はリアPUに最適なセッティングにしてるとフロント使用には低音過多で、その逆も又しかりとなってしまう処。

それで私的にはソロ時の音色が固定されるのに飽き出した頃、Johnny WinterとCharがどうしてるかが大いに参考になった。
バリエーションとしてだけなら上述前者のハムバッキングのフロントもだが、特筆すべきは後者のSingle Coilのケースだ。

歪みが浅い内はSingle Coilのリアでもそんなに問題にならないが、深まるにつれ曲に依ってはどうにも音色が刺激的過ぎる弱みについてだ。
オマケにFuzz系じゃないとその割に音が細過ぎで、音色的に最前面の癖にメロディラインは大して前に出て来ない感じになる。

こっからは半分私的だがそのせいかMustangでは何時の間にか、リア単独の使用頻度が極端に少なくなっていた。
続きは次回へ譲るとして兎に角歪ませるとませないではかなり条件が逆転したりもするもんで、電気楽器特有の現象であらう。

<つづく>

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