音楽備忘録293 エレキGuitar歪ませない効能➄
それでは予告通り聴こえの違いの実態から…と、その前に1つ大事なのを危うく忘れる処だった。
打込み及びLine録りされたのと、Ampスピーカから収音したのの聴こえ差があったわ。
オーディオ的美しさでは特に歪ませない場合は上記前者の方が有利だが、存在感や認識し易さについては飽く迄「単独で鳴ってる」場合限定となっている。
忖度表現すりゃ差し詰め「花の命は短くて」じゃ一寸違うけど、要するに他の音に対して存在堅持力がかなり弱いのである。
特にアンサンブル内に近い周波数帯域・バランスのとか近似音色のあると顕著に出て、分析耳で聴くと確かに入ってるのに無意識に聴いてると最悪は入ってるのすら気付かずに過ぎてくなんて按配だ。
この辺は打込みと手弾きのハイブリッドにしたい時なんかは何時も注意事項ではあるが、その中でも「手弾きのLine録り」は一番紛らわしい存在だ。
音色だけに耳を向けると打込みのと近いのに、安定度や確度へ耳を向けると間違い無く人の体温みたいなムラが感じられる。
Guitar程では無いがBassでも実はこの弱点はあって、Line録りはか弱い美人・スピーカ録りはガサツな猛者と結構両極端。
但しそれは飽く迄「単独で鳴ってる」場合の話しで、現実的には「聴こえる範囲でなるべく綺麗」を目指してく事となる。
但しⅡでそうは言ってもEffector等で加工して対処するんじゃ役不足で、「全体の質・太さ」を適正化させないと足りるだけの効果が無い。
体験的にこれが昔より今の方が大問題になったと感じられるが、その原因は昔との「録音音質」の違いにある。
簡単に纏めると過去のアナログテープ録音のは、良く言や逞しいが悪く言や全然荒かった。
加えて元がどんな太さや細やかさの音であろうと、「聴こえる様に録る」と必ず一定以上に太く荒く変身していた。
ある意味録音機自体に強烈な音色個性があったも同然で、けれどその代り入れてく音の整合性に対しては今より遥かに鷹揚だったのだ。
音響機器なのにリニアじゃ無いのは困ったもんだったが、しかし音楽制作の道具としてなら一面では扱い易かったのだ。
私的にはGuitarの歪ませない音色のLine録りを許容してた時期と見事に合致してて、この件は全然意識して無かったのに結果にハッキリ現われていた。
又この案件はパーカッシブな音色な程差が出易く、Strings等の持続音系では殆ど問題にならない。
この現象を分析すると今の環境下では「歯切れが良過ぎる」のが駄目で、自然界(大気中)に存在し得る音質との乖離が認められるからだ。
実在空間での実音は例え思い切りパルシブに鳴らしても、空気のクッションのせいで鳴らしたのよりゃかなりマイルドにしか耳に届かないからだ。
加えてスピーカって実在の物理装置を動かすのにちっとも電気信号通りとは行かず、空気の他スピーカダイアフラム(空気を揺さぶる為に動く箇所)を支える物の抵抗等のせいで「必ず鈍って」しまっている。
このままにすると「じゃあスピーカから聴こえたのは嘘の音か」と誤認され兼ねんが、そうならない様に楽器側等で予めその分を「先回り」させる様な設計が為されている。
この問題はCompressorのAttack Timeの絶妙な設定等で少しは補えるが、現況で完全補填はまだ不可能だ。
デジタルEffectorに入ってる○○シミューレトプログラムも聴いた印象だけならかなり近付けて来てるが、これも単独で聴いた場合の話しで様々な部分の「性質」が本物とはまだかなり異なっている。
それがアンサンブル内での埋もれ難さにはこれらの相違点こそが問題になるので、妥協してMixingしても大抵は何処かが不自然になったり少し他の音の邪魔になったりしてしまう。
極端な話し単独聴きでは少し変だったとしても、「適度な存在主張」さえ得られれば実用的になる。
けれど常にアンサンブルと一緒に鳴らして音色選択・設定出来るとも限らんし、録音は「生演奏の一発録り」でしかしませんっての以外「相手の変動」に対処し切れない。
<つづく>
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