音楽備忘録289 エレキGuitar歪ませない効能①
前回迄ガラケーすら不所持の末端ブロガーにしては不似合なお題だったが、持って無いからこそやるには買わなきゃならないから熟考させられるのを逆手に取ったつもりでいる。
ネタ切れ!?に伴い今回からは専門の方へ戻ってくが、近年本邦では極一部の例外を除くと余りにも考えずに深く歪ませてるのばかりが耳に付く。
元はと云や存在感(迫力)と演奏の楽さが原因で氾濫状態に陥ったと思われるが、その他にもエレキ生音の音色バリエーションに疎い人が増えたからではと憶測している。
現代でも定番音色となってる代表格にStrat系ハーフトーンのがあるとは思うが、その多くはLine録り系のであろう。
その多くにはChorusと短めのReverbが併用され、確かに独特の美しさに疑念の余地は無い。
けれどもそれだけだと綺麗さ繊細さには秀でてても太さ等には縁遠く、使える場面は限られている。
加えてこれってGuitarの音色の美しさより、実はEffectorへの依存度が高いのが気になる処だ。
かく言う俺自身も過去に利用経験はあるが、モノホンのStrat不所持なのもあったりで最近はスッカリ使わなくなっている。
それは兎も角Strat系ハーフトーンには使用上の弱点があるが、それは音色バランス的に中低域を強めた伴奏が苦手な処だ。
伴奏ではアンサンブル的に音色重心は低目が欲しくなるが、高域に最大の特徴を持ってるのでその含有量を一定以上に保たないと美味しい領域がスポイルされるからだ。
また歪ませるにしても深くなるとやはり同じ傾向が強まる為、らしさを維持するには歪みの深さと音色バランスに結構制約がある。
これが特にLine録りの場合に顕著に表れ、その面で楽曲に合せた微調整が苦手な音色と言えるだろう。
なのでもしStrat系ハーフトーン以外のエレキ生音に疎いと、たまたま嵌るの以外は直ちに歪ませてしまうのかも知れない。
こんな時にとても参考になるのが過去の黒人系の作品等で、それは歪ませる時には何を使うかの影響も大きいみたいだ。
エレキの歪ませサウンドは実際には黒人系発祥なんだが、過去述の通り白人系のみたいに意図・企図しての物では無かった。
そのせいかJimi Hendrixの衝撃が大き過ぎたからかは知らんが、黒人系の歪ませはFuzzって不文律みたいなのがある程度形成されていた様だった。
そうなると軽く歪ませた音色は得にくくなるが、もし歪んで無くても同等の存在感が出せれば補えてしまう。
これとSoul等Jazzからの影響を必ずしも隠さないのが手伝って、ハムバッキング系のフロント+リアPUに依る独特な音色を旨く活用してるのが多い。
この音色は少し後にBeatles初期のGeorge HarrisonやDoobie BrothersのTom Johnston等が活用していたが、白人でも黒人系のを音色的ルーツに持っていた連中だ。
それ以外だと今本邦では一寸接点が僅少だが白人系ではCountry系があり、何れも楽曲の上り下がりへの追従させ易さが考えられる。
特に一本調子では困る歌物にはおあつらえ向きで、安易に弾きムラが出易いからヤダなんて言ってるのは何処のどいつだいっとな。
そりゃずっと一定なのが適してたら変に出過ぎたり引っ込みすぎたりしたらそれがムラになるが、本来のムラとは小人口の自治体…じゃ無くって楽曲の強弱とズレてる物がそれに値してるのだ。
これは幾ら無理くりコンプで全てを平準化させたとしても、音色変化量が不足だったり不一致だったりすればもう立派な「ムラ」なのである。
例に依って毎度同じパターンで済まんが、もしそこ迄気にするなら今時打込み一択ですがね。
それよりも幾ら上手に弾けても不一致ににしかならない音色って方が、俺的にはもっと気にしといた方がお得と思いますねん。
そりゃ一々音色をEffectorで切替えちゃえば済みそうだけど、それにはそれで電気楽器特有の個性に対しての大きなマイナス作用があるんで御座居ます。
<つづく>
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