音楽備忘録292 エレキGuitar歪ませない効能④
前回最後で歪ませないっても楽器音として「聴いた感じ」だけの処迄来たが、この領域を上手く駆使するにはコツがある。
その最も簡単な方法がAmpスピーカからの収音であるが、どうしてそうなるかの解説から行っとこう。
これは極論したら「歪んだ部分が聴こえなくなる」からで、出来の良い楽器Ampだと器楽音として不要な帯域から歪み始める様に作られてるのもあるからだ。
もっと語っちゃえば単にスピーカの再生周波数帯域が、大抵のは人の可聴帯域より低く狭いからでもあるが…。
保険掛け過ぎみたいで一々但し書きが付いて済まんが、勿論意図的に歪ませたらちゃんとそう聴こえまんがな。
際どい領域で電気的にはもう歪み出してても、器楽音としてはまだそうは聴こえんて意味だかんね。
これって元はと云や限られた部品で必要な音量を得ようとした苦肉の策なだけなんだが、今になってそうじゃ無いのを試してみてもそれで丁度良かったのも判明している。
これには使われてる電磁Pickupがそんなに広帯域では無いのもあるが、その他に楽器として「聴こえても無意味」な部分もあったせいだ。
仮にエレキGuitarに聴こえなくても構わんとすりゃもっと広げられもするが、その様な非典型的な部分は一度アンサンブル内に入ると無効化してしまう。
体験的にだとエレキもだが一時期Cymbalの超高域に執着した事があったが、幾らメータで超高域を増量して大振りさせてやっても聴感には何の貢献もしなかったってのがあった。
要はその帯域にその楽器の俺言い「目立つ倍音」成分が非存在だったからで、折角何かが「シャリっ」っとなったのが入っててもそれがCymbalと認識出来なかったのが事の真相だった。
そうなると器楽音より大抵は雑音の方が含有率の高い音域なので、要らんならCutしちゃえばもっとクリアになるかもと画策してみた。
処が増やして無効だからって完全に削ったらそれも又変な感じになっちゃって、例えるならやたらと湿度の高い部屋で鳴らしでもしたかの様な変な雰囲気に。😅
目立たんからって取っちゃ駄目だが増やしても無意味と、何とも扱いが面倒であった。
これがGuitar Amp用スピーカの超高域の場合、殆ど聴こえなくても完全にCutされてはいないのが偶然合致したみたいだ。
アナログ系のは出るっても出ないっても対デジタル比では観念的な物で、決して完全では無いのだ。
なので収音に使うMicはそんなに広帯域でなくても平気だが、あまりに狭いのを使うと演奏された空間の感じに悪影響が及ぶ。
もし弾いてる場所で聴こえたままを全て拾っときたいとなれば、Beatlesがそうしてた様に全ての音が拾えるMicを使う必要すらある。
そんな事をすれば大抵は余計な雑音の方を多く拾ってしまうが、ドキュメンタリーってのは都合の良し悪し無関係となるのが何処の世界でも常だ。
尤も彼等みたいな空間的環境は普通は持てないから特に勧めはしないが、こっちが思ってたのと実際に貢献してる音の部分にズレがあったりするのはよく起きる現象だ。
楽器としては歪んで無くてオーディオ的にはもう立派に歪んでてなんて、そこだけを見るとお題の音色は何とも中途半端な存在だ。
その上特質も不明瞭なので忘れ易くても仕方無いが、実際の楽曲中で特に伴奏に対してはこんな一見地味なの程効能が大きい。
以前エレピの電子のと電気のの最大差でも触れたが、サウンドってな案外「何でも無い大した事無い」のに限ってその調整や選択は難しいもんなのだ。
しかも録った時点ではその差は判明し辛く、最終的にMixが終ってからそれが顕著になって来る。
それからすると自分で作品を1~10迄完成させる作業に、ある程度以上の経験を積まないと感知し難いだろう。
しかしそれでも「同じじゃないんだ」と知っとくだけでも大違いで、プロジェクトの極一部しか担当しないでいて悪い意味で「これが俺様サウンドなんだから弄るな」なんて意固地になり過ぎん方がええでっせ。
音って単独で聴くのとセットで聴くのでは、それが更に弾いた本人以外だったら全然違った受止め方をされる方が多い位だから。
次回は最終段階でどんな風に違って聴こえるもんなのか、豊富な体験から思い出してみる事にするよ。
<つづく>
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