音楽備忘録273 バスドラペダルとフレージング18
半分私的で半分理論からOpen踏みを強力に推してはいるけど、それでもな人向けで行ってみませう。
では改めてClosed踏み向きのペダル紹介から行っとくけど、バネが強くて弱められないのは先ず不向きだかんね。
俺みたいなゴリ脚だったり労力を厭わねば確かに止めらんなくは無いが、無造作に止められないと止めるのに時間が余計に掛る処は見逃さんといてーな。
その適正分岐点ってか基準としては、脱力出来てたら自分の脚の重さだけで止まってくれる様なのが理想的だ。
尤もこのケースではカカトは高く上がっててもOKだし、爪先位置がフットボード深くであってもそれはお構い無しだ。
とは云え速いDoubleも使いたいとなるとSlide成分ゼロでは達成困難なので、場合に依っちゃその分の余地だけ奥を残しとく必要もありそうだ。
ノーマルなら足首→脚の順で2つ踏むので、寧ろDouble時の足首のだけ手前から踏み始めりゃ余地は不要になる。
だが純Slide若しくは膝主導Slideと違って必ず単打より手前から始めなきゃいけない理由も無いので、却ってこう云うのを事前に配慮しといた方が良いだろう。
勿論達人級等になれると使い分けたり何処で踏んでも殆ど同じ音が出せる様になったりもするが、「何時も通りに止める」を最優先させるには位置変化は無い程良い。
特に止めるの自体には力を使わないなら(それが激奨だが)、脚・ペダルの重さやバネ強さが一定である限り最良バランスポイントも固定となってるからだ。
又「奥目で良い」っても脛がビータStrokeに干渉しちゃって邪魔をする様では困るので、フットボードは所謂ロングタイプの方が有利となる。
或はフットボードがペダル全体として手前目になってるのとも言い換えられ、一見踏めそうでもチェーンやベルトのホイール等が無駄にデカくて実際にはちっとも奥で踏めないなんてのは最低だ。
ここでも過バネ強は不動の諸悪の根源で、脚上げアシストと押え付けて止めてる時間の差に依る得失を考えたら言わずもがなだ。
後今時Closed踏みしたい人には先ず居ないとは思うが、高目のチューニングも不向きになる。
低音の量的問題もあるがそれ以上に、皮の張力=反発力が強いと止めようとしてもバウンドし易くなってしまうからだ。
そしてこれ等条件から鑑みると比較的明瞭なアタック音は得られても、パワーの絶対値としては制限が掛ってると考えとくべきだろう。
これにはClosedにより適した踏み方も関係してて、Strokeは小さくても構わんから極力「瞬間移動」な踏み方が向いている。
下手に遅くなったり大振りになったりすると、折角の音量控え目なのに明瞭ってメリットが出せなくなってしまう。
してお気に入りの方には申し訳ないがホントのアタック明瞭化には一定以上のパワーも必要で、これは楽器のサイズ由来と理解されたい。
それを敢えて邪道でも他ので補おうってんだから、速さ≒パワーの部分には特に注意が必要だ。
そして一番誤認が多いと感じられるのは「踏んで無い時」の脚の動き(揺らぎ)で、タイミングを図りリズムへ乗り易くする為に静止しないでいるケースは多々ある。
この時ペダルへ余計な影響が無いならどうしてようと構わんが、往々にしてこのせいで「踏む速度」を不適切レベル迄低下させてるのが散見される。
アップヒールClosedは「踏む寸前だけなら止められなくても許す」って踏み方が最も特徴を活かせるものなので、俺言い「柔軟アップヒール」(別表現ならのんびり楽々アップ…なんかでも)はキッチリ止めるのには全向いてないのだ。
ツーバスやツインペダルだと厳しくなるが、少し前に紹介した達人達は1人を除いてバスドラ側の脚は鳴らさん時ゃ誰も動かしてない。
それでも揺らしときたい人はどうするかってば、Hi-Hat側だけで我慢しといてくれ。
Johnny吉長みたいに常に両足とも揺すっといてって例外的な超達人も稀に居るが、彼はそれをHatのニュアンス差やバスドラでのゴーストノートに意図的に活用している。
そんなど偉い真似が出来るのも、実は「揺らし」と「踏み」を完全に分離させられてる証拠なのだ。
さもなくば音符の大きさは一定にせよ、バスドラゴーストノートを自由に気の向くままに追加するなんざ絶対無理だからねぇ。
<つづく>
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