音楽備忘録290 エレキGuitar歪ませない効能②
先ずは歪ませた場合の弱点詳細へと進んでくが、当然乍ら歪ませなけりゃ弱点が無いでも無い。
論点は楽曲や使用箇所次第でどっちの弱点が困るかって部分で、流行にも左右されるものの一寸本邦の現状は偏り気味と思われてならない。
楽曲と音色とか演者のキャラと歌詞のミスマッチも今では殆ど誰も気にしなくなってるが、毎度でしつこいが本流がしっかりあってこそ成り立つ亜流なのである。
事の始まりはアニメやゲームの世界で新鮮味や非日常感を得る目的で始まった様だが、行き過ぎて本流が何処かへ半ば消えちまっては元も子もない。
そして何が不利益に働いてるかってば、わざとであるかどうかはとても重要だったのだ。
わざとだったら最悪は歌詞の聴き取りを阻害してでも、「良く聴こえなかったからもう1回」なんて思わせるのも作戦の内だった。
只その為には意図した該当箇所意外は「楽に良く聴こえ」てたりしないと駄目で、ついでにそこの歌詞が倫理的にギリギリのになってたりとか良い意味で裏があったりする。
そうして計算尽くでやっても何時も成功するとは限らんけれど、それでも滅多に単なるお邪魔になったりはしない。
処がそうこうしてる内に打込みの安定度への対抗心や演奏技量不足を誤魔化せると誤認したせいか、要求されねば「歪ませとく」のが何時の間にか普通みたいになっちまった。
確かになぞるだけで精一杯の奏者に「加減しろ」ったって幾らも上手くなんて演れず、物凄く手間は掛るし音楽的スキルも要すが「分かってるMixer氏」にお任せしたらボーダーラインはクリア出来るだろう。
但しそこ迄するなら打込んだ方が大抵は好結果が得られるし、各音色の「中間領域」は使用不可となってしまう。
してこの音色中間領域こそが楽器が電気式か電子式かの大きな相違点で、物理的に実在の音源を持ってるかどうかの差から発生しているのだ。
音源実在はそれに縛られる弱点はあるが、それで出せる範囲の音ならどんな中途状態のでも途切れる事は無い。
だが電子式のは数は膨大でも「特定の状況下で鳴った」のへ後加工が可能なだけで、サンプリングされてないとかストックされてないのは基本的に出せないのだ。
それでも現代本邦の一般環境からすると爆音必須なのとかは使い辛くて仕方無いから、自宅では電子楽器でってのもそれ自体は大いにアリだ。
しかし何式であろうと例えばそれがドラムなら「バチで叩く」って操縦方法の大枠は全く一緒なので、音源を鳴らす指令を出すには何かの楽器が弾けなければ打込むしか無い。
近年の一般的用途では生或は電気式のより電子式の方がご利益の多い場合が常かもだが、それだってマトモに弾け無きゃ結局マトモには鳴らせないのである。
んでもしある程度以上にマトモに鳴らせるのなら、様々な点でバーチャルは必要最低限に抑えといた方が何かと後で助かるのだ。
端的に例示するなら歪ませないで録っといたのを後から歪ませたりは可能だが、逆は不可能でげしょ。
そりゃ幾らでも録り直しが可能で弾く度に必ず前回のを上回れる自信があるってんなら別だが、そんな達人なら端っから最適音色と歪ませ度を把握してる事だろうさ。
尤もこれにも条件があって、全体の基本線が最後迄不変であればの話しなのよ。
例えば録ってる最中にもっと良い歌詞が浮かんだりして、それにサウンドも急遽合せたいなんてケースもある。
しかも明らかに改良後の歌詞の方が良いのに何らかの事情でGuitarを録り直す暇が無いからって、明らかに良い方を断念するってのも勿体無い。
そんな時に限界はあるけれど加工自由度の余地が大きく残されてると、助かる確率がグンと高まるのだ。
それと近年の多数がかなり勘違いしてるのが、歪みが深けりゃ迫力や存在感の足しになると盲信してる類。
近年みたいに幾らでも深く歪ませられる様になるとそれ自体は今風の象徴かも知れんが、それは割と誰にでも買えるEffectorを買うだけで済む。
持ってた方が流行の端っこ位には掴まってられそうだが、他の皆とほぼ一緒では埋もれるの必至だ。
もし過去の名作としか張り合わんしそれに絶対の自信でもあるならワシャ知らんが、普通直接のライバルになるのは時代も世代も何も似通った相手になるよね。
本人が幾らJimi Hendrixの倍歪ませたヤツと思ってても、世間はそれより先にBABYMETALのファンとかじゃね位に捉えるかもな。
本家がFuzzを多用した当時似た様な使い方をしてる奴は皆無で、それからしたら今は逆をするのこそ美しき抜け駆けって事になるね。
<つづく>
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