音楽備忘録263 バスドラペダルとフレージングⅧ
もうヲタ全開でドンドン行くが、続いてはSlide奏法に適したのと踏み外し難いフットボードデザインだ。
一般的には滑らなきゃ踏み外し難いと感じるもんだろうが、少なくともドラムペダルの現実に於いてはさに非ずとこれは断言しておこう。
Slide奏法で幾ら滑らせるったって意図的な分以上にツルツルでは困るが、木靴でも履てるとかフットボードが油まみれでも無きゃそんなに滑るもんでも無い。
最近はバチの方でも滑り止め全盛とお見受けしたが、なるべくなら固定摩擦係数は低目な方が良いと思っている。
もしかしたら社会の自動化・機械化の進展で、握力が必要以上に衰えてる人が多いのかも知れない。
だがバチを自由に操るには当然随時の摩擦係数調節も含まれてるしで、滑り止めはもし使うとしても必要最低限にし少なくとも練習時等は無処理でも演奏出来る様にしといた方が賢明と思う。
それはさて置きスイベル奏法では水平方向の摺動許容が要るが、それ以外の奏法では左右方向は基本的には不要だ。
なので持ってるし使ってたし評判も良かったが、俺にはYAMAHA FP-702は最適解では無かった様だ。
フットボードに掘られた溝が横向きだからで(ここではずっと溝としてるが山と解釈してもOK)、前後方向の不意な「突っ掛り」予防でガムテを貼ってた時期も長かった。
しかしこの溝の分だけでもグリップが良いから踏み外し難いかと思ったら大違いで、寧ろ溝なんて無い方がまだ良さそうだった。
その後一時期のPearlの等「溝無しフットボード」(必ずしも完全にそうでは無いのもあったが)の体験機会が訪れたが、予想に反し溝が無くても特に改善は見られなかった。
この頃の迄はフットボードデザインの内で表面の模様だけに気を取られてたのが不味かったらしいが、踏み外し予防に有効なのはどうもボードの端っこの尖り具合の方が大きい様だ。
ここ迄に出したYAMAHA・Pearlのは両方共当該箇所には斜めになってる部分があって、良く言えば誤って引っ掛けそうになったら逃げてくれる仕様と云える。
しか~ぁしかか~あ~しドラムペダルは一般的には通常時足を水平面で左右に傾けて踏んだりなんてしないし、何か履いてるのだから角が当たって痛いとか起こらない筈だからそんなの無駄っちゃ無駄なデザインだ。
因みにスイベル奏法時はカカトの左右移動があるので傾きゼロは困難だが、フットボード自体を左右に押そうとしたりはしていない。
或は意図的に爪先の親指側と小指側を交互に使ったりするのもあるが、これも「押す方向」の少なくとも理想はほぼ真下だ。
っても「角があった方が良い」ったって裁断機の刃みたいなのは論外で、刃と同方向(平行)に何かを擦らせても切れない程度の面取りはされてる必要がある。
この点で近年のツルツル系フットボードは模様は無しでも角は割としっかりある様で、恐らくこの角を付けてるお陰で模様の無い割には踏み外し難くしいていると思われる。
それと履物底材に依って踏面デザインとの相性ってのもあって、革底等摩擦係数低目のに対してはツルツルより凸凹のある方が引っ掛かる。
対してゴム底等摩擦係数の高いのだと接触面積の広さがものを言い出し、イメージに反し踏面が平滑な方が引っ掛かり易くなったりもする。
但し履物も底の凹凸の度合いや形状次第で状況変化があるので、偶然踏面デザインと凹凸具合が合致してたりするとどう頑張っても全くSlideさせられなくなるケースもある。
個人的には俺からしても古臭さも感じるし高コストになるが、楽器演奏時に足を使う場合は今でもまだ革靴が基本と思っとくのが良さそうだ。
生Pianoのペダルなんて滑れと言わんばかりの形状なので、Classic系(スタイル事情)等で無ければ滑らない靴だと安心感が「ありそう」と思ってた。
処が大抵は微調整を確実にするのにカカトを床から離せず、それだと靴底とペダル先端位置が変動してくから全く滑らなかったり突然引っ掛かったりしたら却って困るのだ。
これからすりゃ足で踏む物は滑らん方が踏み外す心配は無くなるが、楽器系の場合は滑ら無さ過ぎる不便の方が困るし大きいと考えとくと良いと思う。
それとドラムペダルではデザイン的には溝や山がもし付いてるならなるべく横方向は少なく、縦方向のだけのの方が後で余計な厄介に遭わずに済みそうとなるね。
<つづく>
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