音楽備忘録266 バスドラペダルとフレージングⅪ
誤認回避と一層の理解を願って俺言い「柔軟アップヒール」奏法をもちっと掘っとくが、鍵となるのは「時差」である。
っても音が所望のタイミングになる様に加減しちゃうから、普段一々これに意識が向く人は少なさそうだ。
人の動作として自然なのは少しだけ書いたが、これには力学的効率の良さもある。
今回の比喩例は貨物列車の自動連結器であるが今時「隙間があって」騒音や衝撃が発生する大弱点があるのに、訳あってわざわざそんな前世の遺物みたいなのを使っている。
今や自動車よりは鉄道は少数で通過頻度も低いのに騒音問題で虐められてて、新幹線の顔があんなブスになったのも設計者のセンスの無さだけが原因ではないのだ。
特に貨物は昼間は旅客優先で夜中に走る事が多いのにも拘らず、裏を返せばそれだけ譲れない事情があるからなのだ。
単刀直入にバラすと「隙間が無いと発車出来ない」からで、もし隙間が無いと機関車に一度に全部の重さが掛って動き出せなくなるからだ。
そりゃもっと怪力なのを作って車輪が滑るのは数を増やしゃ少しは行けるだろうが、今の時代でそれをしたらお高くなり過ぎて収支が成り立たなくなってしまう。
し怪力には騒音が必ず付いて来て、普通の線より新幹線の方が騒音が問題になるのも超高速なせいだ。
では何で隙間があれば平気かってば慣性モーメントが利用可能となり、僅かでも時間差に依って1両ずつ順番に発進させられるのだ。
重たいヤツは動かすのも大変だが止めるのだって同じ位大変になるが、って事ぁ一旦動き出したら速度を殆ど変えないなら随分軽い力で維持出来るのだ。
そもそも電車が自動車より省エネなのはこれが最大原因で、急な動きの変化が苦手な代わり一定に近い動きは大得意だからだ。
誰でも実感できるのがモータの音で線路が急坂にでもなって無かったら、発進加速時と減速停車時等以外に聞えない事が多いでしょ。(音がしない時は実際に電流が殆ど流れて無い)
これが人体動作の場合隙間の代わりに動き出しの時差となって表れてて、支点が移動中に更にそれより先を動かそうとしたら静止時の何倍もの筋力を要す。
仮に怪力で筋力が余ってたとしても演奏では、パワーを出す方より制御する方に資源はなるべく注ぎたいよね。
因みに貨車の場合支点には飽く迄レールってれっきとした存在があるが、人足の場合持上げ中は座してたら股関節・もし立ってたら恐ろしい程遠くの反対足の爪先やカカトとなっている。
それからすれば貨車の2両目以降と膝下から先では大違いで、人間様の方は枝の枝の枝の如くとなっている。
すると静止地点から観測すると例えば何処も時速20kmで動かしたつもりでも末端へ行く程加算されてて、それを考えれば自覚より実際はかなり高速を出すんだからそりゃ草臥れる訳だ。
それ故「力を入れるのを1ヵ所限定」とする効果は絶大で、どんなタイプの人でも完全に無意識で動けば自然ともうそうなってしまうもんなのだ。
結果的に動作自体もその方が滑らかになるので安定度にも大いに貢献してくれると、ここ迄それだけだったら良い事尽くめだ。
だが時差に対する認識が余程十二分じゃないと副作用の洗礼があって、ベテラン達人の従兄ですら横から眺めてるとまるで昔の俺みたいにムラムラだ。
おいっ誰だスケベ方面に思った奴は失敬な、ってまさかそんな人居ないか。😓
気を取り直してどうして幾ら手よりゃ足が苦手ったってそんなになるかってば、時差と体感のせいで本人にはとっても感知し辛いからなのだ。
パッと見で把握可能なのはほぼ腿や膝の位置だけで、体感としては大抵は足首位置位が関の山だからだ。
しかも騒音防止の為にはなるべく爪先はフットボードとの接触が維持されたままの方が良いから、「爪先が何センチ上がったか」なんてとてもじゃ無いが一々相手にしてらんない。
けれど困った事にそれこそがペダルの動きと「現在位置」を最も支配するファクターで、しかし感知は困難と何とも意地悪なシステムとなっている。
解決の突破口は今だと「横から録画」なんてのもありはするがリアルタイム性に劣るので、ビータだけに注視するの辺りだろうか。(俺の場合は何時の間にかそうなっていた、割と近年になってからだけど…)
それだって低速な内は良いが速くなって来ると視認困難となるので、正規のビータ「反位位置」に触れたら音がするとか揺れる物でも置いといてそっちで判定した方が確実そうだ。
勿論音楽だから耳優先で判断するのが理想だが、何分太鼓は音が短いのでそれだけじゃ中々厳しい処もある。
しかも演奏音量が人耳の音量感知力が敏感な領域と乖離してるのが殆どなので、不都合の2乗となると流石に厳しい。
これが俺が「動きから入るのは危険」と思う理由で、この技を上手に使えてる人は恐らく違う基準に基づいて演っていると考える理由でもある。
特に全体としては低負荷になるバネ弱ペダルの場合はフットボードの抵抗成分が少ない、或は従順であるから影響大となる様だが…。
<つづく>
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