音楽備忘録216 ジャンルへの拘りと他人の見立て③
本案件ではとても器用な一部の者は、上手な「使い分け」等を「密かに」してる可能性も拭えない。
がそれは両面を持ってるだけなので、2つの極例さえ分かってれば後から分析出るだろう。
そもそもどんな主義にも利点と欠点があるのを忘れないのが土台になるが、多くの場合将来的に役立つものには即効性は乏しいもんだ。
そして体験的には本案件を誤認して一番怖いケースが自殺で、メジャーな有名人の自害には割合は様々でも大抵含まれてると考えられる。
1つ目は「こんなに嫌なのも我慢して頑張って稼ぎ続けたのに、世間の評価はたったそれだけだったの」みたいなのだ。
これは人の好みなんて全く流動的なのの認識不足が主因で、これに気付くタイミングが遅れたか訪れなかったせいだろう。
2つ目は「こんなに真摯に取り組み続けて成果もちゃんと上げてるのに儲けはたったこれだけですかい」で、社会的には未成だが芸術家としてだけ少しは確立してるパターン。
資本主義社会なので「アナタ最高」と皆に言われても、儲けの少なさからホントは認められてないのではと疑心暗鬼になるケースだ。
どちらも最低限の健全生活を維持するには同じ様に問題だが、本件で困るのは社会的にはそれなりに成功してる筈の前者の方だ。
ここからはそうなる原因たる「初心の聴者心理」を思い出して貰うのが必要で、初心であるからして音楽家はおろか愛好家としてすら初心者の時点での気持ちだ。
音楽初心者(今回は聴き手の方)は人目なんて全く気にして無くて、ってか未経験だからどうしたらどう見られるか(思われるか)のDataをそもそも持っていない。
分からんものは気にしようも無いから、その場その時に応じて純粋に感じたままの反応を表に出す事になる。
良い意味とか正しい意味での「お客の勝手」とはこう云う部分で、近年目立つモンスターカスタマーとは全く別物だ。
パフォーマンスを提供する側が素人だったらこれを見分けられなかったとしても仕方無いが、ある程度の段階を超えてたならその気になれば分別可能なだけの知識は自然と身に付いてるもんだ。
特に注意を要するのは「地味に凄い」なんて持ち味の場合で、地味なだけにド素人には分かられなくても仕方無いって意識は重要だ。
とは言え殆どの場合は何らかの評価が欲しくてわざわざ衆目に晒してるんだから、どんな相手でも何某かの評価は得たいと思うのも無理は無い。
だがここに怖さが潜んでて長所を分かられないなら、せめて短所の無さ少なさだけでも認知されたい等と思い出したりするのが道を誤る元。
これが一般ビジネスであれば大した問題にはならないが芸術≒エンタメ要素が少しでも含まれる分野となると、これをうっかりやらかすと「エンタメ部が壊死」するのである。
見世物(厳密になら聴かせ物!?か)に真っ先に要るのは特異性で、短所の有無は2の次なのだ。
勿論長所が感知出来なくなる程の欠点があったら先ずそれを減らさなくちゃ駄目だが、良い処・面白い処が無くては話が始まらないのだ。
つまり無興味な人に程訴求力があるのが望ましく、これに一番効力があるのが音色だ。
ジミヘンのFuzzなんかがその典型だが、これは電気楽器ならではである。
生楽器の場合だと根本的な可変巾が限られてるのでどうするかだが、それの一例がMetal的大袈裟さの元祖と思しきBeethovenの例の手法だ。
彼の場合は主に爆音化させる方向で、爆音なせいで普段と全く違って聴こえるのを狙ったみたいだ。
或はErik Satieみたいに普通より静かに行く等だが、不足しがちな音色自体の変化へ音量差に依る聴こえの違いを加味して補ってると言え様。
前者は音の出だしでのインパクトの大きさが、後者はアタック音が小さいお陰で普段より余韻が目立つのがミソだ。
John Bonhamは名人には違いないが技量の割に未だに高評価が続いてるのは、やはりどんなド素人でも一瞬で分る爆音の影響が大きいからだろう。
これは適正(生まれ持った資質・才能)次第で誰にでも向くでも無いが、この様な原点に近い部分での個性程誰にでも分かり易いのは確かだ。
なので可能な範囲で先ずはこう云った原点若しくはそれに近い部分から重視するのが重要で、腕が上がってく程忘れがちになるので要注意だ。
ある意味原点レベルより高度な方へ興味が強く働くなら、それはポピュラリティより専門分野特化に向いてるかもと含みを残して次回へ。
<つづく>
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