音楽備忘録235 この際だから政治と絡めて音楽を考察しちゃおう⑩
誇りを堅持しろったって誇りで飯が食えるかってば、そうは問屋が卸さない自体はご尤もで御座居ます。
ビジネスとなれば合理に従って割切りの要る部分は必ずあり、収益を確保するにゃ何人たりとも逃れられないのは確かだす。
けれど行き過ぎてしまうとどんな分野でも本質が損われ、商売をする根源にあった「飯の種」を喪失しちまうんざんす。
ここで敢えてかつて欧米から揶揄された「エコノミックアニマル」に触れてみるが、メガネを掛けスーツを纏い乍ら首からカメラをぶら下げてるって構図でやんした。
そしてその生物は自らの生命の危機や災害等に遭遇してすら、常に飽く迄仕事最優先ってキャラでした。
それじゃあマシンで血の通った心が無いみたいで…と、勤勉さへの妬みへ容姿の悪さを加味したネガキャンってな感じだったかな。
実際俺の親父も含め幾ら何だってもう少し恰好良くオサレに出来んもんかと、家族であるのが恥ずかしく思った事も多々あったわ。
只ダサくて仕事優先なのは真実でも冷血とか冷静とは無縁で、今比だと「無駄に暑苦しいオッサン」ばっかりだった。
外人に対してはコンプレックスも大きかったから下手に出てて見逃されたんだろうが、寧ろ濃厚な誇りを抱いてたからこそあんなに仕事に馬車馬出来てたんだろうと思う。
もっと客観的に言っちゃえば当時の日本製はハイエンド領域では欧米製の足元にも及べてなかったから、安さがあるにしても熱意が伴って無けりゃ売り様が無かったってのが真実だ。
今ネット通販で近隣国製の廉価品に対して我々が不安に感じるのは、不良品だった場合や不具合発生時の面倒見の悪さじゃないかな。
それを本邦昭和の熱血漢は何処迄も面倒を見てたから、あそこ迄の成長に繋がったんだよね。
尤も人生は仕事だけではやって行かれないから無理があり過ぎて長続きさせられなかったけど、「飯の種」を考えるには格好の材料かと思ったのよ。
んで売るのが工業製品等だったらまだ直に影響は出ないからマシだが、芸術系みたいに気持ちや心が直結してるヤツだと誇りの有無は露骨に現われる。
しかも厄介なのは才能がある程それが顕著で甲子園じゃとかアマ時代はあんなに良かったのに、メジャー系のプロになった途端にサッパリなんてのに特に音楽とかだとこれが原因な場合が多い。
マーケッティング理論に依ればこう改変した方がなんてのに潰されるのが多いが、本邦レーベルのマーケッティングの偏りと範囲の狭さや適用の下手さがその元凶だ。
これって今のコロナや放射能汚染の対外公表の杜撰さとそっくりで、オリンピック開催等へ影響するのを怖がり過ぎてるのと一緒だ。
これが間抜けなのは国内にしか目が向いて無い処で、仮に日本が無事でも参加国の多くが「それどころじゃ無い状況」だったらどの道予定通りの開催なんて不可能なんだから。
顧客ファーストとかお客様は神様と盲信するのは勝手だが、それならその神様にもっと詳しくなんなきゃ駄目じゃないのさ。
それには不特定多数の意見の他、併せて対象アーティストのファンは何処に価値を見出してるか等のDataをもっとしっかり取らないとね。
そうした後正確な状況把握が出来ると部分的に理屈に合わなくても変えちゃ駄目な場所が分かる様になり、芸術には理論に反する部分も多いのを改めて思い知るであろう。
つまり元々ホントに「売れそう」と思って雇ったんなら、余計なお世話を焼き過ぎ無きゃ良いだけの事なんですわ。
俺的にはそんな基礎レベルのお間抜けにどうして誰も気付けんのか不思議でしゃーないが、スタッフもアーティストも貧乏への逆戻りが怖すぎて耳が眩むんだろう。
但しこの先で道は担当部署次第で二手に別れてて、感性が主商品の場合は何れ路頭に投げ出される事となる。
要は世相や評判がとうあろうと感性保持の為にはある種の誇りみたいなのを保たなきゃなんないのは、単に業種固有の必然なだけなのよ。
でこれは同じ立場に立たないと分かりっこ無いから、大多数の世間一般からはお目出たい事ってと勘違いされたって仕方無いんでがす。
<つづく>
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