音楽備忘録211 リアルとバーチャルのせめぎ合い⑬
コンプ自体の使い方等は拙ブログでも半年位前にやったのでそっちを見て貰うとして、コンプのリアルとバーチャルで違うと感じた点へ話を進めてこう。
リアル機にもとってもお上品なのから如何にもなお下品なの迄色々あるが、音色演出の為となると現行フリーのバーチャルは明らかに非力だ。
技師立場も交えてこの件を分析してくと、一概にバーチャル=所詮は偽物だから悪いとも言い切れない部分もある。
体験としてはかつてマスタリングで音色は弄らずに音量適正化だけしたい時等、アナログリアルオンリーではそりゃあ四苦八苦させられましたからね。
そこでデジタルとかバーチャルに限定せずによくよく思い返してみると、どうも音色創作にはアナログの方が適してるらしきに気が付かされる。
これは裏を返せば音色を変えたく無いなら圧倒的にデジタル・バーチャル系が有利なのも意味してて、年寄りだから古いと思われたく無くてデジタル・バーチャル系へ固執する方が却ってボロを露呈するかもとも思った。
やる人次第でどう選ぼうとご勝手にではあるが、必要とあらば低性能なアナログ実機も思い切って導入出来るのは寧ろ今とも考えられる。
アナログしか無かった昔はそもそものクウォリティが何時もギリギリの処に位置してたから、その時点より少しでも劣化の可能性があったら使うのにかなり躊躇させられてたからねえ。
それと自由=自己責任の傾向が柔軟なデジタルの方が強く出るのを、今の従兄との活動で痛感させられた。
昔の機器は理屈に合わず思い通りに出来ない不便が多々あったが、例に依って裏を返せば勝手に一定範囲内に収まってくれてたとも看做せる。
これは所望音に対しての適性判定を下す時間に大いに影響してて、昔のはどちらかってぇと夫々の機器固有の音色とマッチしなければほぼそれだけですぐ諦めて大体正解だった。
のが今の特にバーチャル系のはどうとでも出来ちまう(実際は感知し辛い限界範囲もあるんだが)ので、体当たりの試行錯誤だけじゃ中々答えが出せなくなっている。
今個人的に参ってるのは従兄はオールデジタル・極力バーチャルを目指してるが、彼なりの手法とか流儀が殆ど確立されて無い処だ。
こっちは技師でもあるからどうしたいかが明確だったら方法論を提示出来るが、迂闊に過干渉になって彼なりのスタイル作りを邪魔したくは無いのだ。
注文を出す側が明確に出せなけりゃそれを承る側は、より弱体化するし苦労させられるだけだから。
従兄本人としては困難でも何とかバーチャルだけでも許容出来るポイントを見付けたいらしいが、こう云うのは本人自身でしか解決出来ない案件だ。
これからすると昔より自由が利く様になった分演奏家なだけであっても、録られる音のイメージヴィジョンをより持って無いと録音結果にも差が出そうだ。
因みに俺自身は音楽でも音響でも様々な体験から自分には「球じゃなきゃ駄目」と結果が出てるので、たまたま出来上がってただけだが方法論みたいな事になっている。
理想順に行くと①全部本物の真空管機材 ②選べるのは真空管、最終的に何らかの事情でバーチャルオンリーになったとしても③極力球シミュレートのと定まっている。
今回公開した曲で俺が手弾きした物の殆どはReverb・Delay以外は只録っただけのがそのままになったが、パートを録る段階で全て真空管経由となってたから本人としちゃ許容出来てるのが真相!?だ。
その効能の現時点でハッキリしてるのが、劣化してっても本人の意向に沿わない方向へブレたりしなかった処だ。
ネットで公開すると各サイトの様式の都合で、程度は様々だが変換劣化は避けては通れない。
個人的に当初から危惧してた事だがダイナミックMicで無理拾いした従兄のHi-Hat、サイトへ上げる迄はセーフだったが最終段階でCymbalらしさがかなり削れてしまった。
それと比べると球を通してるったってLine録りのエレキBassは、若干ボケはしたが痩せはせず寧ろ少し太る結果となっていた。
<つづく>
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