音楽備忘録210 リアルとバーチャルのせめぎ合い⑫
さぁケチケチしないでドンドン行こうって、そんなに不満だらけなのかって?。
PCフリーソフトとしてだけなら許せるけれど、音を創る現場の道具としては個人的には正直認め難いって処。
今時グレードアップや買換えはするにしても、音楽の為だけにPCを新調するのは珍しそうだ。
とは言えPCやUSBインターフェイス抜きでは成立せず、ソフトがフリーだって何の代償も無しに済んでる訳じゃ無い。
そう考えるともしかしたら録音現場でも玄人タイプのと素人タイプのに2極化してるせいかもだが、そんなじゃ知れる学べる為には望ましくない状況だ。
リアル機での体験さえすれば誰だって概要は理解出来るんだが、その機会が減る一方では体験出来なくても分かる様な工夫をした方が良いと思う。
3.Compressor
Reverbと比べたらマシではあったが、やはりリアル機比だと掛りが不明瞭であった。
理論的には無歪で正確と申し分無いが、特に音色演出の方が主目的の場合にその変化が不足がちだった。
本来の機能としては余計な変化なんて付かぬに越した事ぁ無いが、PC内のバーチャルたればこそこれは一考に値する問題案件だ。
ってのは純粋に「レベルシフト」したいだけなら、PCでなら単純に「波形を移動」すりゃ済むからだ。
根っこでは理論と所望(人の我儘とも言えるが)が矛盾してるんだからしゃーない処だろうが、リアルではもっと歪まず正確なのも欲しい様にバーチャルでは演出に主軸を持って来といて頂きたい処だ。
これはリミッタでもレベラでもそうだが、音色「印象」に明確な違いが出せないのなら名ばかりと言って他ならない。
冷静分析すれば望むと望まざるとアナログ回路での悪戯が、Reverb等と共に大きく影響してると思われる。
その面でリアル機の方が実はちっともリアルじゃ無いんだが、音楽的作用の点では必ずしも正直で正確である必要は無い。
機器名称や効能うたがきが何であれ、求める印象変化の得られる事が何より大事なのよ。
コンプサウンドの代表例のBeatlesのあの音、音色の変貌具合は凄いが本来の物理的変化量は実は今からしたらかなりタカが知れてる程度だ。
当時としては業務用最高峰を使っちゃいたが、雑音・ダイナミックレンジその他諸々の電気的性能は今デジタルのと比べたら桁違いに低かった。
だからあんなに凄く圧縮した様に聴こえてても、実際の圧縮率はJ-POPの無理くり圧縮とは比べ物にならない程軽いのだ。
けれどバーチャルではリアルよりかなり「掛った感」が希薄なのも確かで、バーチャルのコンプだけで近い雰囲気にしようとしてつい無用に深く掛けたくなるのも分からんでも無い。
それへ負の追い打ちを掛けるが如く、デジタルバーチャルでは音を崩壊させずに幾らでも深く出来ちまうからねぇ。
人が悪いか機械が悪いかは鶏卵論になっちまうから敢えて言及しないけど、この有様だけしか知らないと本来はどんななのかを知るのはとても困難だ。
そもそも目的次第で同じダイナミックレンジ系のでも適正タイプがあるのに、「幾らでも深く」のせいでそれすら曖昧になってしまう。
更に更に録音がデジタルだとレベルオーバーはご法度なので、上記と相まって余計ややこしくなってるみたいだ。
例えば昔のリアルコンプだと設計段階から特段の配慮がされて無い限り、リミッタの代用にすると無能では無くもかなり低性能になっていた。
バーチャルは良く云や守備範囲が広けれど名前に反した使い方をした場合、各専用機をシミュレートした部分があったらそれは欠落する。
なのでもし余程詳しいので無かったら用途にピッタリな名前のを使うと安心で、高性能化したからって幾らでも代用して平気なもんでも無いんですわ。
俺自身は只でさえ暑苦し目な自分の音に掛ける気は起こらないが、当世の風潮に乗りたいならMaximizer(マキシマイザー)を使った方が手っ取り早い。
その逆を行く勇気があるなら一番音色改変が起こらないリミッタで、電気的にだけ突出してる部分だけを抑えるのが良いだろう。
<つづく>
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