音楽備忘録225 Click使用の可否論②
今回は重要関連事項とは云え、「金管楽器の音には天然コンプが掛ってる」なんて妙題から行っちまうぞい。
書く順番を守んないから唐突感満載だが、譜面通り弾いても机上理論通りには音が鳴ってくれない原因の追究だ。
俺言い「金管天然コンプ」の発想元は、音色の歯切れの良さが発端だった。
物理的に考えりゃ音源を直接振動させるのより鳴り始めは遅い筈なのに、どうして他のよりそう感じるのか疑問に思ったのだ。
そこで思い当たったのが「空気の速度」で息を吹き込むの以外のは、通常音速として定義された通り空気中では温度以外では速度は殆ど変えられない。
だが金管の中でもマウスピース系のはそこを息が通過する時点で発音し始めるが、その吹き込む息には大気よりかなり高い圧が掛ってる。
これは別視点では風となるが風は音速より速まってて、それ故音速は固定なのにドップラー現象が起きている。
これがマウスピース金管では風を起こさんと音が出ない構造なので、現時点では未実験で私的仮説の域を脱して無いけれど空気を加速させてる分鳴り始めが早くなってると予測される。
しかも気圧不足だと「プスー」とか「スカ―」と透かしっ屁状態になって音程が出せないんだから、強制的に空気を速く動かす力が継続的に働かざるを得ない。
尤も音源と聴点が0mで無きゃ音速の影響は必ず受けてるが、発音と音速の速度差がつまり「圧縮=コンプされた分」分って訳だ。
私的仮説と云ってもHornスピーカの駆動ユニットは現に「コンプレッションドライバ」と呼ばれてて、スピーカ各方式の中でHorn式は歯切れの良さが売りだ。
これは現行案件ではほんの一例だが、兎に角楽器や音色次第で音の鳴り出す時間はかなりバラついてるのである。
他楽器と合奏する際人力であれば当然なるべくタイミングを合せるべく加減はされるが、だからってそれだけを優先すると別の大きな問題が発生する。
それは特定意図が無くば「寝ぼけたトランペット」に「やたらと鋭い足踏みOrgan」(後者は現実的には不可能だが😓)みたく、「その組合せにした意味」を喪失させてしまうのだ。
それでも音程やフレーズで鳴り方が楽器毎に一定ならまだ良いが、1つの楽器内ですら発音タイミングはかなり幅広い。
尚且つ速まる・遅まるのが大抵同時じゃ無い方が多いし、曲再現の都合上「合せるべきポイント」も異なってしまうのが多々だ。
又ずっと全部伴奏だけとかメロだけなんて、役割が不変なケースより随時入れ替わる方が多いのも。
役割=曲中での構成要素が変化すれば最適タイミングも異なってと、リズムの問題は単に安定してるかとか一致してるかなんて狭い範囲だけにゃとても留めて置けないのである。
確かに「絶対的指標」としてClickは録音時あった方が楽っぽいが、上記から鑑みれば「大外しだけは避けられる」存在に過ぎないとしか考えられない。
使うのを常としちまうと「一定以上に整ってる魅力」に対しては有効だが、例え失敗があってもそれ以上の「至高の瞬間」みたいな魅力は排斥されてしまう。
客観的にはどっちも一長一短だし本邦世情では「整い優先」ではあるが、機械だけでの音楽が可能となった事を配慮すると今更人力で小奇麗を狙う古臭さと思っちまうんだ。
なので少なくともプロの名に偽りがない程度の奏力があるんなら、取敢えずClickレスで演ってみて結果が思わしく無かったら初めて使う様にして頂きたい。
無くても何とかなるのに使っちゃうと、前述後者の魅力に注力したくともその選択肢が奪われている。
俺の現況ではコンビ相手の意見は最低でも50%と思ってっから取入れはするが、沢山弾く俺の方に本案件からの制約が多く圧し掛かってる負担には何とか従兄に気付いて貰いたいもんだ。
因みに俺の録音歴ではDrummerが居ない際、前半期の20年間位はずっとリズムマシンやドラムマシンを通常用していた。
それもあって機械が刻むリズムに苦手意識は皆無だし、それなりの修正技も色々持っている。
だがClickとなるとそんな裏技!?は使えないし、ここだけ突っ込んでとかそっちは粘ってなんて意図が充分に明示出来ていないし足りるだけ出来ない場合も多くなる。
何より私的には折角もう1人生身のリズムを出せる人間が居るのに、勿体無いと感じているのだ。
<つづく>
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