音楽備忘録195 On Mic収音に適した太鼓奏法➄
ぼちぼち纏めて行きやすが、On Micだと生耳より僅かな差が拡大するってのが基本と思って結構でしょう。
尤も全ての要素を全部拾えてるかってばそうとは言い切れず、離れた所でしか聴けない音ってのも御座居ます。
俺の普段は狭室と腕前の都合で何時もマルチ収音してるけど、必ずマルチ(全個別立て)が要るもんでもありゃしまへん。
今の主流ではバスドラとSnareは夫々へ2本以上も辞さず、それでいて金物系はOvertop+Hi-Hatの3本程度の様だ。
当然意味あってそうなっちゃいるが、バランスが悪いってばそうとも言える。
業者に頼んで録って貰うとなると準備されてる機材の都合や、その人達の流儀等もあってそんなに融通の利くもんでも無いだろう。
けれど何時までも人と同じ録り方しかしないんじゃ、独自のサウンドを求めるには厳しい。
ここで一寸他楽器と録音上の条件面を比べて欲しいんだが、電気・電子楽器と比べると楽器だけでの音色可変巾は生楽器だと当然狭い。
その代り何処からどうやって拾うかに関しては、生楽器の方が多彩だと思うのだ。
電子楽器に至ってはわざとAmpに繋いでそっから録るでもしないなら、良く云や安定度抜群だが基本的には変更が一切効かない。
なので下手にOn Micに固定して考えない方が良いと思うし、そう云う意識も持ててると万能では無いがOn Mic特有の利点の活用度が上げられるんじゃないだろうか。
特に気になるのは生やOff Micでなら素晴らしいパフォーマンスを発揮出来てる様な場合で、収音方法にも奏者との相性があるのに近年じゃ忘れられちまったらしい。
実際大御所以外の者にとっちゃRock・POPS系だと、普段のLiveではほぼOn Micになっちゃう。
それからすればOn Mic向きのプレイスタイルの方が便利かもだが、ストリートとかだったらMic無しだ。
故に選択可能な場合迄闇雲にOn Micにしがみ付く必要は無く、もしOff Mic収録が未体験だったら兎に角試してみるべきだ。
これにはもう1つ少し意地悪かも知れん効能があって、OffでもOnでも駄目だったら只の腕不足が分ります。
がどっちかの方が明らかに良さげに聴こえたら、それがその奏者により合った収音方法だ。
これを試すに際し一番理想的なのは「一度に両方のを録る」ので、そうすりゃホントに「聴こえ方の問題」だけが両者の音の違いとなって表れる。
ここらでお題に沿って俺的秘策へ進めてくが、収音方法を選ばない人になりたかったらもっと「昔からの奏者」の演奏のし方を学ぶのがお勧めだ。
典型例としてRingo StarrとBuddy Richを挙げとくが、彼等程あらゆる収録方法を実践した者は中々居なさそうだ。
その中でも注目すべきは何時どうやって録ったのでも、「あの音」がしてる処だ。
更にこの件で気を付けて頂きたいのは楽器の音じゃ無く、誰が演った音に聴こえるかの部分だ。
楽器は道具として別のや使い分けをする事もあるが、個人の音色は今昔や収音方法とは無関係だ。
これを勇気!?を持って断言出来るのは、実に単純な理由だ。
今の流行りのとは毛色(音色)に少し違いがあるにせよ最初はPA無いしMicの本数無いしで、だからってBeatlesより大規模なLiveをしょっちゅうやれてるヤツは未だ幾らも居やしない。
つまり今より遥かに劣悪な音響環境下でも何とかしてた訳で、明瞭度とかパワーと一口に云ったってその重さは段違いだったんだからさ。
なので道具も含めて何処をどれだけ取り入れるかは夫々として、全く知らないままに頑張るのは大損ってもんなのよ。
彼等みたいな突出した天才が散々苦労して牽引して来ても、今に至るのにはこれだけの時間が掛ってんザンス。
最低でも彼等と同等かそれ以上の才能がある保障でも無いなら、今から同じ道を辿ったって追付かん処か死ぬ迄に間に合わへんがな。
それと本案件では全部をマスターする必要は皆無で、一番普通に鳴らす時の「音の出し方」(それが叩き方にも依ってはいるが)を参考にするだけで良いのよ。
その目的は「無造作に演っても」安定と明瞭度が確保し易いからで、演奏してる最中に体調激変とか起こらん限りは余計な意識はして無い程その人なりのナチュラルバランスがそのまま継続させられる。
後録音時特有の神経の使われ方では緊張度合は千差万別なので除外するとして、不慣れな曲を演らなきゃなんない機会が多そうなのが挙げられる。
完璧を期すには充分な習熟をしとくのが良いが中々困難な場合が多いだろうし、鮮度の点で却ってマイナス作用する事だってある。
それであればこそ只音を出すだけに気を使おうとしてもそんな余裕殆ど無いから、もうその段階で普段よりムラが出易くなってると思われる。
生耳で平気なムラがOn Micでは拡大するってのが基本だが、「同じにしてたつもりが違ってた」の最大原因は技術より意識・認識の影響が大きいみたいだ。
<完>
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