音楽備忘録203 リアルとバーチャルのせめぎ合い⑧
前回のスパイクノイズの問題は、是迄の様子だとどうも通信混雑の可能性が高そうだった。
これは従兄と相談して対策を考えるとして、マスタリング段階迄は何故無コンプとなったのかの経緯を先に記しとこう。
それには一寸Mixの手順も交えて語った方が良いのでそうしてくが、別項で概述の通り初期段階では太鼓へのコンプは一応試してみている。
しかし掛け方も不味かったか知らんが、掛けてもこっちの思惑通りにちっともなってくれなかったので先にEQ等の処理をやった。
他パートについても個人的には当初はコンプもするつもりでいたが、太鼓がどうなるか次第で掛け具合を調整したかったから後回しにしていた。
中でもエレピは俺が正規の奏者じゃないのと楽器のチープコンディションもあって、意図よりムラが出てたのでコンプ必須と思っていた。
今回打込んだので完成品で聴けるのは、シンセBass・ストリングス・ホーン系シンセ・昔風リードシンセの4つ。
処がどっこいいざMixが進んでってみると手弾きしたのより、打込み物の音量レベルが安定はしていても曲の盛衰に合って無い部分が多かったのが露呈した。
かなり予測して打込んどいてこれだから、生若しくは手弾き楽器はやはり表現巾が遥かに広いんだろう。
打込みにはその他にもヘッドアレンジの確認と初期パート録りの為一応一通り全部入れてあるが、これは俺なりの太鼓最後録り対策でもある。
将来的に機会があればオール打込みのも公開するかもだが、昔だったら所謂デモテープで音も全部手弾きしてた処だ。
しかし大体週1顔を合わせられるのが限界なのもあってMIDIファイルであればメール添付が出来るし、全く同一のソフトが両者のPCに入れてあるのでテープスピードの誤差等で違って聴こえるのも避けられるからこうなった。
従兄と違って俺個人は今打込み物を演りたい願望はかなり希薄だが、作曲のメモ録りをするのに爆音を出さずに可能な点で最近は殆どが「打込み記録」となっちまった。
それは兎も角戻って「無コンプ」になった件だが、ハッキリ言や只の結果オーライなのは俺が手掛けたからには例外無しだ。
とは言え上述の如く当初は最低でもエレピには必須と感じていたし、打込んだのに関しては大巾な修正は要らないとずっと思ってた。
何しろ作曲の幾らかと編曲をした俺自身が打込んだんだし、全貌は既に脳内では完結してたんだからねえ。
もう1人の奏者の従兄だってとても長い付き合いでどんな音になるか大体予測が付いてたしで、そもそも打込むフレーズ自体に2人の癖みたいなのも盛り込み済みだったから…。
ありがちってばそれ迄だが、こんなベテラン2人でも想定外が頻繁に訪れるのが音楽ってもんらしい。
けれどこうなってみて力説しときたくなったのは、あのBeatlesのでもLiveではそんなにコンプなんか掛けずに再現出来てる処だ。
要約すればLive=リアルには不要でも、バーチャル=録音物にはコンプが要る場合もあったってこった。
その録音物でもLiveっぽい感じでも良けりゃ、ちっともコンプは必須じゃ無い訳なのね。
そこで本日の俺格言、「要らん物へ馬鹿の一つ覚えでコンプすりゃ本物も偽物になる」とでもしときますかね。
処で従兄がマスタリング段階で圧縮(レベリング)をしたのは、訊いちゃ居なくとも理由は簡単に分かる。
今回のはサウンドクラウド向けだが無設定だと(他でも自動連続再生のが多いが)、ページにアクセスすると関連曲が順に自動再生される。
その時真っ先に掛る曲(今回の)だけ小音量でそれに音量を合わせて聴いてると、2曲目が始まった途端に爆音になって聴者を苛めてしまう危険があるからだ。
折角オーディオのダイナミックレンジが広くなったってぇのに「上の方ばかりに寄せてる」のは何とも勿体無いが、後の曲の方が格段に大きくなるんじゃ仕方あるめい。
個人的願望としてはそろそろどのプレーヤにも、折角デジタルなんだから音量レベル正規化機能を載せといて欲しいもんだ。
一度狭いレンジに圧縮しちまうと後からエキスパンダを持って来ても殆どはちゃんとは戻せず、俺言いみみっちいラッシュアワーサウンドが嫌でも避け様が無くなる。
頻繁吠えだが音楽とか音は「その場での対比」で成り立ってるもんだから、幾ら音圧が欲しくても何処かにわざと隙間を持たせとかないと充分な効果は出せない。
もしかしたら誤った音圧競争のせいで、却って年々音圧感が出せなくなってんじゃね。
特に打込み等のバーチャルの場合は意図的に緩急を付けないと、人力演奏みたく火事場の馬鹿力で普段以上の音を出すのなんて絶対無理だからねぇ。
残念かも知れないけどこう云うケースじゃ、切り札は極力温存するしか無いじゃんか。
<つづく>
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