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2020年2月21日 (金)

音楽備忘録198 リアルとバーチャルのせめぎ合い③

今はまだ当て振り動画の処で停滞してるが、それ以外のでも「何を売りにするのか」のテーマはとても重要だ。
特に何等かの事情で全部リアルだけでは行き難い場合、バーチャルとの棲み分け方が違って来る。

近年はカメラ性能の向上とデジタル合成も可能なので、例えばドラマ用のお茶の間の舞台セットなんてのも余り見掛けなくなった。
何故昔は一々そんなのを撮影スタジオの中に「新築」してたりしたのかだが、リアルは欲しいが撮影機材が普通の一軒家に持ち込めなかったのが最大の理由だった。

スペースや電源容量もだがそれ以上に、カメラの焦点距離と明るさの制約のせいだ。
つまり早い話しが部屋の4面の壁の1つを無い状態にしといて、眩しい位じゃ無いとマトモな画が撮れなかったのね。
それ以上に顕著な差があったのが「夜のシーン」で、撮影機の感度が低かったから夜っぽい演出をして凌ぐしか無かった。

現代に於いてそれに近いのはロケやエキストラの費用問題で、音楽でなら楽器や奏者の問題だろう。
本邦ではPianoに限っては世界的に珍しい位弾ける人が居るが、それ以外の特にClassic時代からの生楽器奏者は年々減ってると感じられる。

Classicオケだったら演奏集団としては今だって絶対全部生じゃ無きゃ駄目だが、ポピュラー系でたった1曲だけのバラードの為に楽団を呼んで来るのはかなり厳しい。
しかも小編成だから可能な狭い場所で演れなくなり、小回りが利く利点がパーになる。

それでも録音時位は何時かはの夢だけは持ったままだが、今度はアンサンブルの出来栄えも気になって来る。
俺の場合は編曲家として担当外楽器への要望も少なくないし、常に何か1つ位は今迄に無いのをすぐ演って貰いたくなる性分だ。

この点で参考になるのが晩年のElvis Presleyで、Back Bandへ指示を出すのに全てのパートを1つづつ全部実演して見せてた件だ。
勿論これは最極端な例だけれど、Paul McCartneyやStevie Wonderには自分なりの表現って意図もあってStudioでは全部自前なのもあったりするんだろう。

彼等は上手さよりも美味しさで勝負しようとしてるんだから、駄菓子でも美味しかったり忘れられない味のがあるのを見逃したくないんだろう。
超高級料理だったら少し位失敗してもその辺の弁当よりゃ遥かに旨かろうが、際どいレベルのだと僅かでも狂えば食べられない代物となってしまう。

すると特別演奏力に長けてる者以外は結局は「その人独自の味」で攻める事となり、それを一番出せ易いのは本人自身で賄う事だ。
なので先ず「人的バーチャル」を持出せるのは「どうしても本人に無理な場合」が、やはり基本と考えとくのが鉄板だろう。

楽器に関しちゃ一度「生楽器の生の音」の魅力に憑り付かれると妥協し辛くなるが、弾ける弾けない以前に普通は持てる楽器数に限界はあって然るべしだ。
今も個人的にはシンセをどうするかで相変らず逡巡する日々だが、魅力的な新シンセの登場がとても減ったのも気になっている。

実際何の工夫も無い弾き方をしちまうと、どうせ音源が同じデジタルなら打込んどいても大差無いのは確かだ。
けれどいざ本番となってからじゃないと見えて来ない部分も少なく無く、事前に全てを完全予測して打込んどくのも至難の業と感じられる。

現に今やってる曲のストリングスを打込みにしたら、Mixの段階に至ってもっとああしたいこうしたいが噴出して来た。
俺が古代人なだけかも知れんがこっちは生身の存在なんで、どうしても実体験しないと目覚めない部分があるらしい。

個人的にはこんなに「後の段階」に入ってから変更したくなったのは覚えが無く、しかも複雑な変更は試してから決定し更に打ち直しと手間数が多い。
ある程度以上に演奏可能ならこれ等はリアルタイムでなら纏めてその場で解決出来るので、求める音を実現するのに掛る手間暇は格段に時短化する。

録る時にミスが頻出すりゃそこで時間も体力も取られるけれど、どれだけのアイデアが盛り込めるかの点では実体験は大切だ。
只単にその音が入ってりゃ良いなら弾く迄も無いが、音源がデジタルだと弾き手に依る音色差が殆ど出せない処は見過ごせない。

<つづく>

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