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2020年1月 9日 (木)

音楽備忘録155 ハンダ付のコツⅣ

突詰めるとキリが無いので締めへ掛らせて頂くとして、予備ハンダ案件の残りに加え感覚・心理面と並の設備でどれ位まで行けるかも。
今回その「残り」ってのはハンダゴテの「コテ先」の事で、さてどうしてでしょうかねぇっと。

先ずコテ先予備ハンダ必須なのが最近はめっきり減った、コテ先が無コーティングの銅製の場合だ。
ではコーティングされてるのだったら不要かってば、必須じゃ無いがしといた方が良いと答えとこう。
コーティングの材料は勿論酸化し難いのが選ばれてるが、それ以上に必要な条件が耐熱と耐久性だ。

ハンダ付する相手は金属だからそれなりに硬いし、素手で触れる物でも無いから端っこが鋭利になってたりする。
すると尖ったのがコテ先を擦ったりするが、それで簡単にコーティングが剥がれては困る。
結果的にハンダよりは酸化に弱い場合が多いのと、ハンダでコーティングをコーティングしとけば2重になるからより長持ちさせられるのだ。

ハンダはコテ先コーティングより柔らかく保護力は弱いけれど、幾らでも後から追加したりやり直せるのも強みだ。
万一コテ先表面を傷付けたり汚損したりしても、前者は浅けりゃ後者はハンダを溶かせば一緒に流れてさよならさせられる。

この辺で次へ行くが近年では小型化の為どんどん部品も基盤も小さく狭くなってるが、そんなのは熟練工でもハンダ作業は至難の業だ。
それがどうして低コストで供給出来るかってば、もうそんなの人間がやってなんかいないからだ。

前々回後部で第二候補≒最終手段としたのはこれに依ってて、どうしてもの場合は部品本体へはアルミ製ヒートシンク(放熱器)を密着させ先端が極細のピンセットで足を掴んどいて…なんてのも無くは無い。
けれど設計上想定外となるから何の保証も無いし、配置等の都合でそれすら不可能な事も多い。

しかし不幸中の幸いかその手の構成のは故障時、元から人力修理が不可とか不向きなのが多い。
どうしてもの際はハンダロボットかなんかの設備を持ってる業者で依頼を受けてくれるかもだが、普通とは違う修理の仕方をするからには費用が高額化するのは不可避だ。

それからすると折角ハンダ付の達人になれても全部は治せないが、だからって出来る価値が減るもんでも無いのだ。
そもそも自分で出来る最大の利点は、修理に持ってったり来て貰ったりするより簡単な場合に一番効力を発揮するんだからさ。

部品の足・基盤の銅箔パターンもだがハンダ自体も金属なので、温度に依って収縮する物だ。
これが経年等でひび割れて接触不良を起こすケースも多く、こんなのだと「唯くっ付ければ治る」のである。
そこで「ハンダ付のハードル」とでも銘打って続けるとして、何が人に面倒とか厄介と感じさせてるかだ。

私的には1に必須知識2に感覚伝達の普及が不十分だからと感じられるが、俺を筆頭にどうしても理系人は説明下手が多いのもあるからだろう。
必須知識の纏めみたいなのから行くが、その根幹は「付き易く溶かし易くしとく」だ。

具体面は前回迄に記したが要は関係する場所全てを付き易くしとくのが要るので、部品足や基盤パターンを折角綺麗にしといてもコテ先汚損等があるとそれで上手く出来なくなる処だ。
俺知りではこれを同時掲載してた覚えが無く、片方だけ散々やったのに上手く行かなくて挫折してたら勿体無い話しだ。
この第一関門がクリア出来てると本来ならハンダは2~3秒もあれば溶かせるもんだが、そうならなかったらコテ容量が合って無いのが原因だ。

ハンダの適正量にも感覚的には独特の癖があり、小さいの同士だと想像より全然少なくて足りてしまう。
のに大き目のになると急に想像より沢山くれてやっても足りなかったりするが、これはどっちにも多くの場合「同じハンダを使う」のが原因だ。

今は普通の場合ハンダは中心部にペーストを入れた線状のを巻いた形で売られてるが、用途別に太さや成分・配合の違うのが色々あるのだ。
だからそれぞれに最適なのを使えば大体使用感も同じになる筈で、しかし消費量の少ない状況で代用可能な限りは事足りさえすれば全部買い揃えなくたって全然構わない。
只無事付けられればどうしたって「代用意識」は薄らぐので、変な癖みたいに感じるんだと思う。

次に作業の手間と時間の割合に言及しとくと、準備とハンダ付の割合は最良で5分5分・最悪は100:1なんて位準備の方の比重が重い。
特に古く汚れ切ってて劣化も激しいのを相手にするとなると、清掃だけでも晦日の大掃除的覚悟をしないと全うし兼ねる。

ここでの注意点は加熱すると溶けて流れて来る汚れも多いので、通常時よりかなり広範囲に綺麗にしとかなきゃなんない処だ。
そこ迄しといても金属の劣化が酷いと最悪は交換するしか無いが、磨けど磨けど中々非酸化面が出て来ずと我慢比べ大会の開催だ。

こんなのを何で忍耐力に乏しい俺みたいのでも長年耐えてるかってば、そうしとかなきゃ上手く付きっこないからだ。
俺の中での最悪チャンピオンは古い被覆電線で、芯線の隙間と周囲が緑青(多くは芯線は銅なので)と不明な油性汚れでびっしりになってるヤツだ。

見える処を幾ら綺麗に整えといても加熱すると中から幾らでも汚れが滲み出て来やがって、だからって被覆を余計に剥いてはショートの危険度が上がるだけって…。
そこ迄酷きゃ電線自体を交換するのがベストだが、部品の中から線が生えてる様なのだと不可な場合だってある。😢

<ひとまず終了>

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