音楽備忘録148 電子回路と音色の関係Ⅲ
今は寒いが前回暑さに負けたのには更に原因があり、それは室内配置とPCからの排熱もあったのだ。
それでも球ヲタとしてはメインモニタの方は球Ampを死守してるのもあって、サブの方は妥協を容認したのだ。
と又妙な話しを出して来たと思われるかもだが、メインのに球とした最大の理由は実は音色では無い。
機械は長く使えば部品の劣化等で必ず何時かは修理を要する物だが、その時に「元へ戻せない」のを嫌ったのだ。
様々な条件や要素もあっての結果なので断言すべきじゃないが、長ぁ~い私的体験では石のより球のの方がどれも長生きしてたからなのだ。
中学時代に初めて買った個人用オーディオコンポ(当然「石の半導体」)は色々手を尽くすも、生き残ったのはレコードプレーヤのみだ。
それに対しお休み期間も長かったが前回出の生まれてすぐからあった球のは、普段冬眠させてほっぱらかしてるにも拘らず未だに全く健全なのである。
価格からしたってコンポ君の方が高級だったんだが、諦めた最大の原因は部品の入手難だ。
音色や性能を無視すりゃ音を鳴らせる程度には回復出来たかもだが、故障→その時点都度最適部品が無くなるを繰り返せば修理ってよりゃ毎回大改造を要するかもなのだ。
そこ迄手間暇掛けても生き残ったのとその時点で売ってる部品との整合性が低下すりゃ、性能も音色もどんどん落ちるのを受入れなきゃなんない。
それが何故「球」だとあまり心配無いかってば、変な話しだがとっくに「過去の物」だからなのだ。
球やそれ用部品の珍しいのなんてとうの昔に死蔵品が発掘なんて位しか無く、今でも生き残ってる部品の多くはGuitar Amp等で将来的にも需要が確実なのだけと既になってるからだ。
それに対し石の半導体はまだまだ現在進行形なので、理論上の音や性能が同等だと古く大きいのは真っ先に抹殺されるのだ。
なので矛盾した話しだが「中途半端に新しい」方が先の保証が無いのが実情で、メインモニタの音=音の物差しをなるべく変えたく無いとなれば石では危険と出たのである。
もしこれを年寄りだの保守的だの言われたら反論の余地は少ないだろうが、道具として考えるとその人なりに事足りてるのであれば無益な変更は時間のロスにしかならんのよ。
「使う人」の観点に立てば道具性能より人の「加減性能」の方が大問題で、世間の進展次第でそれなりの革新は訪れるにせよそれ以外は「どう使うか」に集中して居たいのだ。
日本のそれも素人にとっちゃ恐らく縁の無い伝説の球コンデンサMic Neumann U47が、未だにリファレンスに君臨してるの等も同じ理由が含まれている。
近年一部スポーツ界では頻繁なルール改正が実施されてるが、正しくするの自体は良いし必然性があるが過去との比較って興味に対しては負の作用をしてそうだ。
それでもスポーツの場合選手の世代が離れると同時に存在出来ないからまだマシで、音楽だと誰でも例えば50年前のと今のが簡単に並べて聴き比べられるんだから。
しかも古いのも新しいのも聴き手にとってもし初耳だったら、何時作られたかとかも単なるオマケDataでしか無くなっちまう。
更に作り手観点では録れたてほやほやで御座居ったってもし過去によく似たのがあったら、例え著作権がクリアしてても聴き手に紛い物扱いされたって文句は付けらんないのよ。
音楽ってそもそもがそんなんだから、「新しい」と認識して貰えるのはその内容が中心なのだ。
では具体的に石の半導体のディスコン(製造中止)で苦労されられた内容を例示してくが、先ずは専用設計のとか一般領布が当初からされてなかった部品のだ。
近年バカ高くなった費用に目を瞑っても治して貰えるならまだ良いが、上記みたいな部品を使った大手メーカに限って修理扱い期間は短目に限定ってヤクザ商売なのが実態だ。
加えて酷いのが回路図を絶対公開・領布しないんだから、知らずに買ったのが運の尽きと思えってな按配だ。
次に音色維持面で困るのが「音の良いトランジスタ」の枯渇で、作る側と使う側での認識不一致もあるみたいだ。
石の半導体回路でもシンプルなのになる程音色も含め部品性能が表出し易くなるが、特に石の半導体パワーAmp回路では初段に使われてる石の影響が大きい。
音楽的音のニュアンス面では諸悪の根源たる現況主流の「負帰還増幅回路」方式は、スピーカ出力の一部を回路の先頭へ帰還させて誤差修正をして高性能を得ている。
なので「初段の石」は入って来た信号も出す信号もその全てを扱って居り、つまり一番全体への影響・依存度が高くなってるのだ。
だからここを意に反して変更しなきゃなんなくなれば自ずと音色も変化してしまうんだが、使用数が多くてもせいぜい4個と少ないからディスコンになり易い。
またFETですら大電流・低抵抗型は増殖中だが、小電流・高耐電圧タイプは減少まっしぐらだ。
音響Ampだと前者は出力段向けで後者は入力段には必須なんだが、上記の通りで今後益々入手難になるのが最早既定路線だ。
治してくれん上に資料(回路図)も部品も正規のが供給されんとなれば、使い捨て覚悟を持てずに買ったら悲劇なのだ。
しかし大手「ご商売メーカ」はそんな事は口外しないから、厳しい条件下で一定以上の長い体験をしてからじゃないとこっちには殆ど知るすべが無いんでごんす。😢
<つづく>
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