音楽備忘録151 音響機器の寿命③
前回のを理想とすれば今回のは現実的な戦法となるが、電子工作のスキルの有無でコースは別れる。
俺のスキルアップの原動力は脆弱な経済力で、もしかしたら極一般的なのとは少し毛色が違ってるかも知れない。
スキルには適性だって含まれてるので誰にでもは勧められぬが、費用は増やさずに選択肢や手段が増えるのは確かだ。
最初は恐らく多数派のスキルに恵まれてない場合から行くが、確率的には機能の絞り込みが近道だと思う。
今では聴取方法が電気的には減ったので、唯スピーカを鳴らせるだけのパワーAmpでも事足りるのが多いだろう。
その「減った」のを挙げてくとレコードプレーヤ関連が筆頭だが、昔のオーディオ用のにはカートリッジのPreampが搭載されてないのが殆どだった。
その訳はカートリッジに主に2種あってユーザー次第でその両方もあるが、どっちかしか使わない人の方が多かったからだ。
この2種とはMM型とMC型の事で、後者は性能に勝るが高価な癖に低出力だ。
すると高感度なPreampを要すが、それだけ高増幅率となればより低雑音にしなくてはならない。
又そこ迄拘りがあるユーザーだと後に繋げるのも普通のでは無くなるので、価格上昇抑制と選択自由度確保の大義名分!?でプレーヤはPreampレスが主流だった。
近年ではレコードで聴く人の割合が少ないからこれがAmp非搭載・プレーヤ内蔵が多いが、レコードが一般的だった時代のは上記事情でPreampはAmpに内蔵が常識だった。
それでもパワーでなくプリメインAmpには、今でも多数繋げられる装置の切替機能やToneコントロール等を始め付属機能が盛り沢山なのがデフォルトだ。
だがCD・DVD・Blu-Ray等の物理メディアだってPCで再生可能だし、スマホやipodを直接繋げて聴く方が多数派になってるだろう。
そうなると音源機器側に音量・音質調整機能は必ず付いてるし、DVDを見た後CDを聴くにしてもその切替もPC等では内部自動切替だ。
依ってAmpは最低限スピーカが鳴らせれば良く、騒音問題からそんなに大出力も不要となれば低価格でもそれなりに高音質なのが入手可能だ。
そんな風に無スキルでローコストを狙うなら買うのは、取敢えずはどうしても無いと困るのに限定するのがお勧めだ。
ここ迄のは音楽を普通に楽しむ場合の話しだがそれでそんななんだから、録音のモニタ用等制作現場用ともなれば尚更だ。
そんなの思う人すら居ないだろうが、Ampに付いてるToneコントロールは録音にゃ使えないからね。
逆に録音目的で所持しててもPCやMixer卓のEQは、ひと手間増える場合もあるが再生時にも当然使えるから。
しかしそれ以上に節約はしたいが少しでもグレードは上げたいとなれば、やはりスキルを少しでも上げてくしか無い。
近年の世相は自作にゃ大分厳しくなってしまったが、もし挑戦意欲が少しでもあるなら簡単な処から始めるのがお勧めだ。
最近はそんな事態に遭遇する機会はかなり減ってるが、例えばGuitarシールドのプラグ内部でケーブルのハンダ付けが取れてしまった等のケースだ。
下手クソでも一応ハンダ付けが出来れば他はまだ全然使えるのに買い直したり、それが届くのを待たずにたったそれだけで解決出来ちまう。
ハンダ付については拙ブログ大昔の2つと次回記事を参照願うとして、電気楽器かアナログ音響機器を持ってたり使う場合は最低限で良いからマスターしとくのがお勧めだ。
もし中々上達しなかったとしても、どこが悪いのかが少しでも分かる様にはなれるんだよ。
修理する側にとっても依頼時に問題箇所を示唆されたほうが、助かるし早くに作業が完了出来る。
仮に俺ん処へそんなのを持参された場合、既に分かってればその場で作業してすぐに持ち帰って頂ける場合が多い。
修理依頼を受ける人と実施する人が同一人物であれば、多分他所でもカップ麺位の待ち時間位で終了すると思う。
因みに近年本邦でメーカ側が修理に消極的なのは、昔より買換え圧力を強めただけじゃ無いのも確かだ。
高度集積素子を用いた回路では、既に纏めて封印された内部は後から処置のしようが無い。
加えて小さくなった部品に合せて激狭に設計された基盤(部品の土台と電線を兼ねた板)は、再度のハンダ付に耐える強度が無かったりもする。
この手のは作る時もロボットが一括で一瞬で仕上げてて、その微妙な加減もコンピュータのプログラミングで最適化されている。
要は元から組立て以外は人手が手に負えぬ設計になってると言え、しかしそうでもしとかないと小型化・低コスト化・必要な精度等が確保出来ないからなのだ。
この面では楽器やオーディオ用の一部には旧式なのが残存させざるを得ないが、大手量販社の自社製品にはそんなニーズが無くなったから修理要員も大巾に居なくなったのだ。
それだけ世間でのニーズが減少傾向一辺倒なので、将来的には幾ら簡単でも治せる人は今より減りそうだ。
その意味でも少しでも自身で出来る様になれてた方が良いと、一寸昔とは事情が違って来た気もしている。
<つづく>
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