音楽備忘録161 真空管コンデンサMic
拙ブログでは度々記してるが、今回は最大入力音圧にフォーカスするだに。
予告通り体験談で機種にも依るだろうが、爆音自慢の俺がどう頑張ってもMicを生まれて初めて過大入力させられなかった件だ。
誤解回避で前説しとくとコンデンサMicは風には滅法弱く、吹いて良いなら件のMicだっていとも簡単にそれこそオーバーブロウする。
しかし風の戦いならMicじゃ無く風車や防風林が相手に相応しく、飽く迄「音で勝負」の話しだ。
又音楽用高音質の限定での事で音が変わったり何処かが欠けても良いなら、他にも対抗手段があるからそれも除外だ。
前回後部で少し触れたバスドラ低域をウーハで拾うのなんかがそれで、マトモな音色が要る場合殆どはMicとの併用となっている。
ウーハは低音は得意だが高音には反応出来ないので、それだけにしちゃうと昔のアナログ回路のリズムボックスみたいな音となってしまう。
ここで一見関係が薄そうなウーハ拾いを持出したのは、どうすれば低い音が拾えるかが視覚的に明示されてるからだ。
だから低音用だとMicだって振動板が大きくなってるが、スピーカみたいに大きくすると音の力では動かせなくなるからMicのの方が小さくなってるのだ。
これも前回述だが例えばMicは実際出てる音(震えてる空気)の1000/1とか、極々一部しか拾えてないからだ。
しかも幾ら爆音専用にした処で余韻の一番最後はとてつもない微小音量となるから、結局は小さい音も拾えなくては使い物にならない。
故に物理面での限界を上げるべくダイナミック型の研究も日夜進められかなり向上するも、それ以上を望むなら電気力の方で対処するしか無い。
それとCymbalの倍音みたいな高域となると空気振動がとても細かくなり、必然的にその振幅巾もとても小さくなる。
これも物理力だけで対処するのは厳しく、高域専用のダイナミック型が存在しない原因だ。
本題へ戻るが増幅素子は許される範囲で電源電圧が高い程増幅率が大きくなる性質があり、これは球でも石でも共通だ。
増幅率が高まると相対的に雑音が小さくなるが、微小音の為にその枠を一杯迄使っちまうとどうなるかが問題だ。
微小音で枠一杯って事ぁそれより音が大きくなったら、Mic物理部では全然平気でも電子回路で歪んじまう。
となると全く非効率も甚だしいが、電源電圧が幾らでも高い程良い事となる。
実は技術的には今だと電車の制御回路や変電所用途に、何千ボルトにも耐え得る石の半導体は作られている。
が石は良くても電灯線電圧より大巾に昇圧するにはその回路が必要となって、感電の危険は増えるは機器は大型化するはで石の小さく出来る利点が損われてしまう。
これを実用面で天秤に掛けたのが今の状況で、その中から音色印象改変の少なさ等でこの手のニーズで負担に耐えられる人達は多くが球を選んでるのだ。
漸く本題核心へ迫るが、何とドラム用のダイナミック型より大音響でも全く歪ませられなかったのだ。
尤も最大入力音圧を意図的に考慮された設計のじゃないと必ずしもこうなってないが、追及して何処迄行けるかと言ったら元から高電圧の球の独壇場なのは明らかだ。
因みに近年の高性能ダイナミック型でも微小音に不向きなのはコンデンサ型より未だ低感度だからで、Preampの増幅度がもっと要る分雑音も増えちゃうからだ。
仮に雑音自体を気にしなくても目的音が小さいと、最悪はそれが雑音に埋もれて聴き取れなくなるんでね。
兎に角俺知りで一番大きい音でも歪まないMicってば、真空管のしか無かったのだ。
最後に番外編だが宅では無予算でCymbal収音用に改造したコンデンサMic(エレクトレットタイプ)もあって、これはHeadampはFETの物だ。
元はどれも単3電池1本で稼働させるタイプので、電池が減って来ると大きい音が歪む様になった体験がキッカケだ。
全部成功とは行かなかったが、電源電圧が原因で耐入力音圧が制限されてた物はそれが解消出来た。
これ等の改造ネタはかつてオーディオや一時ブームだった生録に使ってたのがたまたま残ってたからなので、スキルがあってもネタ不所持なら非推奨だ。
Mic自作で一番大変なのは本体筒部や金網等の入れ物で、これの設計が悪いと音に影響するがそれ用の一発で答えが出せる公式みたいなのが無いから計算が大変だ。
<つづく>
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