音楽備忘録152 ハンダ付のコツⅠ
前回後部で予告したのと過去記事2017年4月の2つの補遺も兼ね、なるべく具体的なコツの伝承を目指して記させて頂こう。
ハンダ付はタグ付けを♯電子工作とすれば他所様で幾らでも出て来るが、♯音楽♯楽器♯録音等とすると案外全貌の記載されてるのが無い様だ。
一部ヲタ様を除くと日常的に今でもニーズが多いのは、古い物やアナログ機器を多用・常用する分野だろう。
1.ハンダゴテの選び方
生れて初めての1本だったら40~60Wのが激奨で、これは扱える部品と種類が原因だ。
先ずハンダ付が出来る様になって一番ニーズの多いのは、実体験に基けばケーブル・プラグ等の修理・自作・改造等だ。
カナルイヤホンのだったらプラグもコードも小さいし、基板に小さい部品を付けるのだけだったらこんなのじゃオーバースペックだ。
だが電気楽器用シールドケーブルは大昔の電話交換機の規格そのものだし、キャノンコネクタも昔の産業規格だ。
その為ハンダ付する場所が結構大きく、コテがパワー不足だと充分に温度が上げらんないのだ。
理想としては用途別に数本揃えるとか可変出力のにするのが最適だが、入手性とコストを抑えるには兼用もありだ。
一応上記みたいなのの両方へ対応可能なのがこれ位のだ。
因みに一般電子小部品専用なら20Wもありゃ充分で、それより強いと部品を誤焼きする確率が高まるだけだ。
一方電子ってよりゃ電気って感じの大きさのに対しては最低60W、金属板同士の接着等もするなら最低80Wは欲しい。
本項冒頭で兼用のがこれ以下にしてるのはコテ先サイズの関係もあってで、パワフルなの程通常は太くなって周囲へ不要干渉したりするからだ。
2.必需用品
絶対要るのはハンダ自体だが近年は用途が明記されてて合せりゃ良いだけなので敢えてパスして、誰でも所持すべきだが特に初心者にはってのが過去述の放熱クリップだ。
これはアルミ製でオーソドックスな洗濯バサミを薄くした様な容姿をしてて、実にお安いので激奨だ。
上記の如く形状が形状なので最悪ハンダ付に挫折しても、便利小物として幾らでも使い道があるから損しないでっせ。
これを使ったからって部品誤焼きの完全防止は不可能だが、焦って失敗したり少しでも部品の熱劣化は確実に阻止出来る。
次にコテ先長寿命化に必要なのが「コテ先クリーナー」で、旧来のは湿式スポンジ・最新のはスチールウールみたいなヤツだ。
前者はその都度水を含ませる手間と同一場所だけで一定時間以上拭おうとすると焦がす事もあるが、コテ先のコーティングを痛める心配が無い。
過去記事でハンダ付する場所が酸化してると上手く付かないのを記したが、これはコテ先にも適用される。
コテ先が汚れててもコテをどっかに付けはしないから無関係と思うかも知れんが、その状態だと熱伝導率も低下してるんで半田が通常よりかなり溶かし難くなっているのだ。
熱くしなきゃ付かないが熱くし過ぎりゃたちまち部品破壊と、この矛盾を乗越えるにはコテ先の清潔さや消耗度の影響が非常に大きい。
なので最悪買わずに代用するにしても不要濡れ雑巾位(但しどんなにボロくても良いが汚れてたらダメよ)は用意しとかないと、作業を続ける内にどんどんやり難く上手く行かなくなるよ。(先日従兄宅での作業時にコレを実践したばかり)
因みにⅡで近年は大出力タイプのでもコテ先コーティングされてるのが増えたが、かつてはその熱量に耐えられるのが無かったから無コーティングだった。
その場合コテ先は「尖らせた銅」で作られてて熱劣化と酸化が進む度に削って使ってたが、接合部に「予備ハンダ」(次回述)が施されてない金属の前処理と同様だ。
コーティングの質や寿命は年々向上してる様だが寿命が無くなっては居らず、苦肉の策で延長使用する場合はもう削って行くしか無い。
だが細いコテ先を削ってると見る見る短くなって幾らも持たない(散々体験済み😓)ので、掃除で賄える限りは傷付けたり削ったりしない方が良い。
<つづく>
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