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2019年12月27日 (金)

音楽備忘録142 電子部品と音色の関係Ⅱ

何時も球球球ばかりでそんなん言うても現代の実情がってのも分かるので、今回は何処に使うかでプチ分類して行こう。
現代は集積回路全盛で自ら選ばねば大抵全部がそうなるが、真空管や集積されてない石の半導体もまだ絶滅してはいない。

先ず皆さんに訊きたいのは音色を作りたい或は実音にあったニュアンスを損ねたくないかどうかで、特に前者みたいに出来上がる前の音に対しては真空管の利用を強力に推奨する。
近年本邦では電子部品ってぇと物理的性能だけで判断されがちだが、更にその内容吟味にも結構不足があるケースが多い。

こうなった大元を勘ぐれば新しいのを売りたいが為に「都合の良い処だけを吹聴した」のもありそうだがそれはさておき、そもそもは単体部品価格にも発端が考えられる。
真空管は見ての通り決して小袈裟では無いので、幾ら頑張っても百均の店頭に並べるのは無理な価格になる。
対して半導体は最低価格の物は1個¥20や¥30なんてのもあって、安くても壊れにくいだけなら万々歳だ。

だが実際その内容には安いだけの事はあるもんで、特に音色等の面ではホントに値段通りの差があるのだ。
そんなチープなので何で球より高性能なのが作れるかってば、安く小さくて多数使っても平気だから大袈裟で本式な回路も難無く組めてしまうからなのだ。(真空管のは必要最低限の回路が主流)

だが楽器音みたいにオーディオより多少Lo-Fiが許されても雰囲気が変わっちゃ不味いのの場合、複雑な経路を辿らせる程どんな優秀な回路でも損失が増えるのである。
なので既に出来上がってる音色のを扱うならそんなに気にしなくてもなんとかなるが、刺身にしたい魚が鮮度不足だったり既に火が通って煮えてたりしたら困るのと似た様なもんなのだ。

趣味的にはどんなに後から球の機器を使っても問題は無いが、出来上がってるのに球を通して大きな効果があるのは打込みの場合等に限られるだろう。
それも生楽器や電気楽器の音が入ってる場合に有効性が高く、損ねた要素の復活は無理だがこれ以上削られるのを防ぐ事は出来る。

私的ではあるが体験からするとBeatlesのドラムや歌声(特殊加工無しの物)のナチュラルさは、未だもってして至高の存在と感じられる。
是又私的ではあるがその分析結果としては、最大原因は真空管コンデンサMicにあると思われる。

昔なので使われたどの機器だって今のよりゃ単純だから音声信号経路は短かったろうが、それにしたってあの程度の物理性能で劣化も多いのに良く元のニュアンスが残せたもんだ。
そう考えると今以上に最初の段階たる「音を拾う」処での音色性能依存度が高く、後からしこたま削られても残る位十二分に拾えてる必要があるのだ。

尤も真空管コンデンサMicは他方式のより高価だし、扱い等も面倒が掛るので何時でも何処でも誰でもってのは難しい。
けれどもなるべく音の入り口に近い部分に球を使うのが効果的で、それがMicならPreampだったり電気楽器ならAmpや歪ませEffectorって訳。

次の段階としては球や石等の所謂増幅素子→能動素子(電源が無いと働かない)では無く、受動素子(電源不要)の部分にアナログフォトカプラやトランスを持って来る作戦だ。
前回述の如くこれならバイアス電流なるガイドさんが居ない為、劣化に不利でも無改変には有利だ。

本件最後の第3段階としては半導体回路でもその構成が「ディスクリート」と呼ばれる方式ので、集積回路のより何処でも自由に調整が可能だ。
ここでの調整とは作る段階での話しで、買った人がやらなきゃなんないのでは無い。

集積回路は小型・省エネの他に出来上がってる分安定度抜群な代わり、その中のどれか1つの部品が気に入らなくても変更出来ない。
集積回路にも回路の途中からの足が出ていたりはするが、試してみて不要だったから3段目を抜きたいなんて思っても密封されてて不可能だ。

オマケに構造的に少量生産がコスト的に特に無理なので、選べる種類が思いの外少ない。
なんてごちゃごちゃ言うよりもっと決定打を出しちゃうと、集積回路で良いなら今更アナログなんて使う必要も無いのだ。
PCやスマホ(スマホでは同時に大量には使えんが…)で出来る分なら、用途の狭いのへわざわざ出費するのは勿体無い。

因みにアナログストンプ等で使われてるオペアンプICは集積されてるっても、その多くは増幅回路1個分なのでとてつもなくディスクリート寄りだ。
球でもプリ管と呼ばれる電圧増幅タイプの多くは1管に2個入ってて、電流・電圧・インピーダンス等に違いはあるがそれ以外はオペアンプにかなり近い。

<つづく>

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