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2019年12月28日 (土)

音楽備忘録143 電子部品と音色の関係Ⅲ

ここまで音色が理由で球→フォトカプラ・トランスと骨董品で粘って来たが、現代ではそれが難儀なのも分かっちゃいるのよ一応ね。
そこで石の半導体に限定しての適正も記しとくとして、その中で有用なのはFETってヤツだ。

今回のには明確な科学的根拠があって、それは増幅素子の種類にある。
音色改変の危険度は本項初回で提示した如く受動素子→能動素子の順に原理的には高くなるが、能動素子の中にも大まかに2種類あって危険度に差があるのだ。
1つは真空管やFETの電圧増幅素子、もう1つはトランジスタ等(厳密にはFETも含まれるが性質が違うので本件では除外)の電増幅タイプだ。

これが音楽とどう関係するかったらスピーカを鳴らすの以外は、音から変換した電気信号はとっても量が少ない点だ。
それ故雑音等にからっきし弱くて参るが、だからって極端なローインピーダンスにするのも割りが悪くてアカンのや。
例えばEqualizerでちびっと低音を増やそうとしたとして、それをするのにスピーカが鳴らせる必要は無い。
これを鳴らせる程量を増やせばエネルギーは大飯喰になるし、部品も全部大電流に耐えるゴツくてでっかいのにしなきゃなんない。

一寸の度に一々そんなじゃ非実用的になっちゃうから不安定でひ弱でも量が少ないままで何とかしなきゃなんなくて、電流は幾らも要らん代わり電圧にはなるべく正直な部品が望ましい。
FETと比べると電流を沢山流せるトランジスタは電圧面ではどうしてもアバウトになるが、走るのでも人夫々得意な距離があるのと同じなのだ。
その昔FET登場時に、一部で球と性質が似てるから音が良いなんて吹聴されたのはこの事だ。

因みに一口にローインピーダンスと言っても扱う信号の種類に依って桁が違ってて、音声信号なら数100k~600Ω・Mic出力は10k~数100Ω・スピーカ出力だと数10〜2Ω位が今の相場。
また近年では膨大な電流が流せるFETも開発されてスピーカ駆動等の力仕事にも使う様になったが、トランジスタとの基本的な性質差が変わった訳では無い。

トランジスタが電圧面でFETよりアバウトなのが何処かってば、音の立ち上がり部分と小さい部分に対してだ。
前者の大電流を「大きい」と捉えれば機敏な動き(リニア)をさせるのは、小さいのより苦手なのは誰でも想像に容易いんじゃないかな。

後者については水道の蛇口を比喩として持って来るが、トランジスタは大電流対応なので業務用のFETのは家庭のだと想定しとくれ。
一度に沢山流すには水道管からして太くそのバルブ(蛇口)もでっかくなるが、そんなのでチョロチョロ流れる様に微調整するのは至難だ。

一寸捻ったらもう一気にドバッと出ちゃったりするでしょ。
もう少し具体的にすればトランジスタでは一瞬遅れてその後一気に水が噴き出すイメージで、FETの方は最大流量は限られるが、蛇口を捻り始めると同時に水滴が落ち始めるイメージだ。

実際の音は空気の振動でその空気には弾力があるので、原理的に一瞬で最大量に到達する事が無い。
なので人耳には瞬間と聴こえても、厳密には最大到達迄極僅かだが時間が掛っている。
しかしこんなのが自然な大音量で、感覚的にはバカでかい割にはドギツくない音色だ。

一方原理に反した一気全開のは実音とは違うので不自然な感じがし、音色としては現実より硬く余計な刺激が加わった様な感じに聴こえてしまう。
因みにⅡで物理的速度では石の半導体に劣る真空管だが、音の都合からしたらその測定基準に問題がある結果に過ぎない。

これは例えば1Vの電圧を入れて何秒後に5V(増幅素子なので電圧が増えている)になるかを測てっるが、何秒後から出力が出始めてるのかは無視されている。
なので音の様に急激な変化が起こり難い信号に対しては、実はトランジスタの方が鈍足で反応が悪いのだ。

公平性確保の為敵(トランジスタ)!?の擁護もしとくと、極少電流と云う不得意な扱いをするから弱点だけが余計悪目立ちしちまうのだ。
近年は大電流を流せるFETが開発されたが、それでも基本的に膨大な電流を流したい用途ならトランジスタの方が得意なのは変わっていない。

今はどの素子もその弱点を弱めるべく努力が重ねられたので、登場時程の極端な差は無くなってはいる。
だが向いてるか向いて無いかってばそこは何も変わって居らず、選べる場合はより合ってる方を選んでおきたい処だ。
音響機器のデジタル度が高まるにつれ選べる範囲や場所はかなり減ってしまったが、そこでしか違いが出せなくなったのも確かですんでね。

<つづく>

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