音楽備忘録140 ただ新しけりゃいいの!?⑦
前回も含めここでは入手難のだったり少なくとも表面的には時代錯誤なのを称賛するかの如くとなってるが、その理由は唯1つでそれが原典(大元若しくは本家本元)だからだ。
残念乍ら海外比だと恐らく誰もが試したり体験出来る機会が無い様だが、音だけなら過去の名作に含まれてるのを聴く事は出来る。
ここで考えて頂きたいのが一般聴者は「聴くだけ」なので、音源が残ってる限りは無意識の内にも比較出来てしまう処だ。
演る側としては体験不可だと勝手が分からず苦労させられるが、そんなのは飽く迄「舞台裏の話し」なのだ。
それでもClassicのViolinなんかと比べりゃRock等は歴の浅い分まだ楽な筈で、しかもそれが古いEffectorだったら硬く考えなくても大丈夫。
要はツボを見付けてそれが押えられれば大体OKで、これは古いの程最初から個体差がかなり大きかったからだ。
尤も企業が今日商売としてやるには変な差があればクレームの元となるから、完成品を買うだけでなんとかしようとしてもそうはいかない。
だがこれだって尺八奏者なら自分で竹から作るのも珍しくは無く、失敗さえ恐れなけりゃ時間は掛ってもその内なんとかなるだろうなのだ。
そして俺が経験が深まる程歴史や古いのにより拘るのは、十二分に知っとかないと何だったら新しいかの判断が出来ないからなのだ。
それといきなりだとキツいだろうがもし全面的に新しさを求めるなら、既存のジャンルや楽器なんかじゃ全然役不足なのを指摘させといて頂こう。
海外で生まれたRockでさえ、それから遅れて日本人で初期に演った人達の多くが既に鬼籍に入っている。
と能書きも程々に前回の内容の続きだが昔のMXR Phase100みたいな音色が欲しけりゃ、フォトカプラって部品を使ってるかどうかが鍵だ。
これはかなり以前に記したCompressorでも関係性が高く、好みは別として真空管式以外ではフォトカプラを使ってるのが一番音色が柔らかく出来る。
コンプの方なら幸運にもJOEMEEK MC2ってのが約¥4万で売られてて、正規の録音に耐え得るレベル且つStereo仕様だからちっとも高価では無い。
とは言え経費だけに着目すれば殆ど全部がPC内等で賄えるご時勢なんだが、実は現代の超高性能・精度デジタルも音楽的には依然「穴だらけ」なのも付記しとこう。
例えば生楽器でも近年のコンピュータ活用設計のはかなり理論に忠実だったりするが、その性質を例えるならどんな大声を出しても声色が殆ど変わらない歌い手の様な感じになっている。
現実には先ずそんな人は居ないし万一居ても音楽的にはあまり面白く無いんだが、特に生で聴けない場合にそれは顕著となるのだ。
現代に音楽を聴く場合音量は千差万別且つ自由になってるから、音色変化が少な過ぎると元の音量の想像すら上手く出来ないのである。
個人的には最近の国産ドラムにこの傾向が強く感じられるが、聴取方法と楽器の関係を考えると逆行してるが如くなのは何とも皮肉な現象と思わざるを得ない。
理論的には不完全の権化みたいな曖昧なアナログで作られた音を幾らシミュレートしても、デジタルにはせいぜい限定されたファジーData位でしか対処出来ていない。
また同じアナログ回路でも誤差の少ない半導体だけでマトモに対抗させ様とすれば、例えばNEVEの本式なのみたいに自動車並みの価格となってしまったりする。
因みに何故そんな高価なのでも一応商品として成立したのかってぇと、俺言い「負の曖昧」の出る心配が無いからだ。
電子回路なんて大袈裟な事言ったって単純でアナログチックなのだと、例えば気温や湿度等でも特性に簡単に変化が出たりする。
デジタルの無かった時代に仕事で、「絶対に何時も同じじゃないと困る」様な場合に重宝したのだ。
但しそれも演奏には一切関知出来ない場合の話しで、これから自分で弾いたりして作るなら加減は機械だけに頼る必要も無い。
なので細かい面や精度よりも音色の大枠の性質や方向性の方が重要で、それが違う方向を向いてでもいなきゃ結構大雑把でも事足りちゃうもんなのだ。
<つづく>
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