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2019年11月 3日 (日)

音楽備忘録88 BassパートのフレージングⅢ

引き続き「勘違いBass軽視」案件その2へ早速参るが、今回のは一寸本邦特有の悪癖かも知れない。
それは恐らく本邦に於けるエレキBass奏者黎明期の状況に、端を発してると私的には考えている。

これには主に3パターンが想定され、その1つは流行導入としてウッドベース奏者がエレキにも手を伸ばしたケース。
2つ目はアップライト(ウッド)では弾くのに難儀してたのが、小型化に依って演れる様になったケース。
そして3つ目が打算的だが演奏技術の低さからか、ギターを弾こうとしたがベースへ半強制的に回されたケースだ。

ここで問題視すべきは1と3のケースで俺的には従前からの意識革命を図れないと、エレキBassguitarのポテンシャルを引出せない可能性が高い処だ。
上でBassguitar とギターを付けた理由は概述且つ後に記すが、要は楽器認識が違えばそれが奏法へ及びひいてはフレーズの大差に繋がるからだ。

本邦ではエレキは極一部限定ではあったがギターの方は戦前から存在したが、環境差等のせいかBassのは西欧と比すと大分遅かった様に感じられる。
これはJazzのBassistでエレキ常用の大ベテランを探すと、Jaco Pastorius等に相当する様な人がこっちには殆ど居ないのに気付くだろう。

Jack BruceやStanley Clarkeは本邦ではRock寄り認識が未だ強い様だが、彼等はチャレンジングなだけで基本的にはJazz屋さん以外の何物でも無い。
そもそも彼等はエレキよりずっと以前から前者はチェロ・後者はコントラバスの名手で、Jazzの中で新しいとか独自のスタイルを築く為がエレキ主用の最大理由としか見えない。

ここでRock屋の俺がJazz話しを続けてるのはエレキ移行の具体的内容面で、Jazz屋さんは何を差置いても他のジャンルの人より自作フレーズへの拘りが断然強力な処にある。
つまり音量も無関係では無いだろうが、それよりも出せる音色や弾けるフレーズの拡大が目的だったと伺えるのだ。

それが証拠かは分からんもエレキBassを最初にあんなに歪ませたのはJack氏で、Jimi HendrixのFuzzにしても彼は元来Blues Manである。
過激さ元気さで先頭に立とうとしたRockの人じゃ無いのは意外感があるが、案外旧来のジャンルの人の方が新味を出すには必要性があったんだって事っだろう。

それがこっちじゃシンプルなフレーズだけでも辛うじて演れるジャンルが流行ってから普及したもんだから、例えば七徳ナイフ(万能ナイフ)の7つある機能のせいぜい2~3位しか使ってない様な状況となっちまいやがった。
私見として本邦でもBassフレーズが「活発化」したのは打込み全盛以降で、しかし今度は急に一気に完全自由化したからかベーシックがハチャメチャな事になってる始末とオォ嘆かわしやでありまする。

ほんで本件2と3の場合悪いのは本人以上に「左遷したつもり」の奴が癌なんだが、Bassを良く知りもしないエゴナルGuitarist等ならではの大失態の典型だ。
本邦では演奏技量を猿でも分かる体育会系速弾きに何時までも依存してる様だが、これはスポーツの記録更新と同じで短寿命な暫定チャンピオンに過ぎない。

近似形態でガタイの大きいエレキBassguitarは単純物理論では限界速がギターに劣るのは自明の理だが、音楽は=スポーツでは無いんだから稚拙な考え過ぎだがや。
なのでルート弾きベースを否定こそしないけれど、それしか演らないんならエレキBassである必要は無いのだ。

電気・電子の力を借りられる迄は低音を出すのはずっと大変で、演奏の都合を殆ど無視してですら辛うじて鳴らせる様な状況に近かったと思われる。
例に依って妙ちくりん比喩だが、素手で大音量Crashを鳴らせるもんなら鳴らして見せてでごんす。

Cymbalはそれ自体の硬さのせいか、叩く方も表面が硬くないと力が上手く伝わらんみたいですな。
小音量でも足りるストリートやカホンとの組合せなら兎も角、それでか昔Sheila Eは思いっ切り足で蹴飛ばしてたっけか。

拙者は割りそうで恐いし、そもそもそこ迄足が上がらんので圏外だが。
でもそれもバチ(ドラムスティック)を使えば、そんなにしなくても充分音量出せるよね。
そんな面で本邦エレキBass奏者に大影響が出てると私感してるのが、折角正式名称にGuitarって付いてんのに「まともなピック弾き」の出来る人がとても少ない処だ。

これは指にしても本邦ではピッキングのいい加減なのが氾濫しとるが、その最大原因にフレーズ問題が潜んでるとワシは睨んで居る。
例えルート弾きだって雑でムラだらけで良かぁ無いが、もしたった1回しか出て来ない音でそうなっちまったらと想像して頂きたい。

<つづく>

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