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2019年11月11日 (月)

音楽備忘録96 BassパートのフレージングⅪ

前回最後に出た「ベースは歌に弱い!?」の説明をさせて貰って、本件は一旦締めようかと思いますです。
歌とBassの関係は大き目音量の伴奏で歌う人なら分かりそうだが、特にハモり(コーラス)を付ける人だったら尚更と思うが如何だろうか。

もしそんなに伴奏音量が大きく無かったら、リードボーカルでも伴奏にハモらせる様な感じで音程を合せるのも可能だろう。
だが少なくとも各自の声量に対して倍以上の伴奏音量だと、次の様な現象が起きるのだ。
それは歌と近い音域の物では元からつられ易いのが、余計にそうなってしまうからだ。

ここで良く考察して頂きたいのが、観客聴点と奏者聴点での音量バランスの相違である。
他人に同音量に聴こえる様になるのは各奏者が物理的に合体or密着でもしてなきゃ、「自分の声だけかなり大きく」聴こえる若しくは感じられてる筈だ。

肉体の外部経由の音だって距離差で自分のの方が殆どの状況下で大きくなるが、内部経由の分は自分にしか無い
ので恐らく俺自身も含め普段無意識なんで気づいて無いだろうが、出した声量が同等だったら他人のより自分の声は必ずかなり大き目に聴こえてるのだ。

してハモらせ様とする場合に「微調整」をしようとするのは自分の声の音程等なので、只歌う時よりより大き目に聴こえるのが好都合なのだ。
これは視覚で言えばルーペ(虫眼鏡)や顕微鏡で拡大表示するのと同じで、細かい処迄把握するにはクローズアップが欠かせないからね。

因みに音響技師やプロのミュージシャンが「心地悪い爆音」でモニタする事があるのは難聴になってるからじゃ無く(一部例外氏は知らんわい)、誤って雑音が入って無いか等を確認する為だ。
実際には大きい方ばかりでは無く限界小音量等での試聴もしてて、音量のお陰で迫力が足りてる等の誤認が無いか等の検証をしている。

だが例えばMixing場面を報道等するのに蚊の鳴く様なモニタ音量では収録に難があったり、「一般との違いの分かり易さ」等の都合で爆音モニタの方だけが世間には広まってるだけなのだ。
妙な言い回しだがこの場合技師等は爆音で鳴らしてても爆音部はちっとも聴こうとしてなくて、その陰や隙間に何かちっちゃく変なのが鳴って無いかへ注力している。

それは恰も騒音の激しい工場内で上司の指示を必死に聴き取ろうとしてる部下みたいなもんで、下手な拷問より辛く苦しい。
それを毎日の様にこなしてくにはかなりの修練が必須だし、もし一歩間違えれば難聴に苛まれる危険と隣り合わせだ。

人より爆音を連発しといて語るのもなんだけど、皆さんの耳の為には「不要な大音量」は何としても避けて頂きたい。
そして音量は大きい方のみならず、普段より小さくする方にも同じ位違って聴こえる効果があるのを知ってご活用願いたい。

と予備知識も付いた!?処で戻ってくが特に声量に余裕が無い場合は、周囲音が大き過ぎればもうハモるのに必要な自声の音量確保は不可能となる。
ので近年ではその筋では「コロガシ」と呼ぶ個別モニタスピーカを配置しといたりするが、それだって耳の許容音量を越せば訳が分らなくなる。

と音量だけの観点では困難でも、そんな時に音域に着聴すると少しは余地も出て来るもんなのだ。
当然個人差千差万別ではあるが全体傾向としたら、誰でも低音より高音の方が「喧しく」聴こえてると思う。
故に音域が下がれば聴取音量限界が上がり、単にそれに耐えられるだけじゃなく分析力も存置されるのだ。

またハモりの音程が主旋律からある程度離れてれば良いが、モノに依っちゃ短3度よりも近いのもたまに出て来る。
そこ迄音程差が小さくなると例えモニタ環境が最適であっても、どっちがどっちの声かの分別が困難になる。
すると「近くて駄目」の反対で遠く(音程差が大きい)に何か適当なの無いかいなとなって、そこに丁度Bass等が該当する訳だ。

加えて「基準音」としては近隣音域に他音が無い程明瞭で好ましく、その面でもアンサンブル内に「1人しか居ない」パートが好都合となるのだ。
それでか無検証なのが毎度の如く杜撰で済まんが、私的印象としてはコーラスの上手いグループには良いBassistが居た記憶がある。

それどころかPaul McCartneyやChris Squireを始め、そもそもグループ内ではコーラスの達人はBassistに多い様な気もするが如何だろうか。
私的体験からすれば只声がデカいだけで大した歌唱力も無い割に、それなりに難しいコーラスも手に負えたのは自分がBassを弾いてたからかもと推察している。

だからブラック裏思考をすればBassistがヘボだったらコーラス付けるのは危険かも、なんて特にBassistが歌わない人の場合は要注意かも知れない。
処でインストグループには本件は一見不要っぽいが、音程微調整を演奏時にリアルタイムで行う楽器があれば同様と考えられる。
弦楽器ならフレットレスのとかトロンボーンみたいに、音階の間の音程が何でも出せる物が該当しそうだ。

近年本邦では楽器演奏について他所様では個別化が顕著な様だが、歌の入ってるのの演奏が多いのからすれば少し不足があるのではと筆者は感じている。
この点でも他パートと比すとBassは歌バックで「只大人しく」してやり過ごせず、従ってそのフレージングも歌を意識せざるを得ぬしするべきだ。

まさかこのせいで(歌無視Bass!?)近年本邦で、リードボーカルがBassなのが減ったんだとしたら残念だ。
奏者立場のみでの近年本邦は例えば歌詞90とメロ10なんかで聴かれてるのは、私的には悔しさ一杯だ。
しかし先ずBassが駄目になって聴き手の聴点がもしシフトしてたんだったら、嘆くばかりじゃ解決に繋がらないんだよね。

<つづく>

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