音楽備忘録114 Guitaristの指事情
指事情だなんてへんな題だが体格の都合で弾けっこ無いと思い過ぎると困るので、近回の親指押えから他の指迄広げてみただけの事だ。
ベテランの癖に他人に無頓着な方なんで実情はよく分かんないけど、指のサイズや関節の可動域が演奏に影響するのだけは分かってるつもりだ。
そこで先ずはどんな影響があるのかから考察してくが、最初は身体的適正度についてから。
Pianoでも大男のFranz Liszt自作曲では自分が弾けるからって、小柄な人とか女性では指が届きそうにないのもある多い。
Guitar系でもご同様ではあるが、本来そう云う類のは例外曲なのだ。
それでもどうしてもやってみたいとなれば越え難い壁には違いないが、前回迄述の通り大きければ何でもOKってもんでも無いのが忘れられがちだ。
本邦では稀だろうが多分概述のStanley Clarkeみたいに指先が大き過ぎて、Guitarじゃ弦1本だけを押えられない事だってある。
しかし例えば鍵盤系と弦系のどっち向きかの体験からの私的分析結果では、指は長さより太さ・それ以上に第一関節の可動域が鍵盤系かGuitar系かに問題と出ている。
これは鍵盤系では両手10本の指が使えるから稀そうだが、Guitar系の一般的なのでは4本しか無いのに依っている。
故に1指で2本以上押えられるかどうかでかなり様相が変化し、伴奏でもSoloでもこれ次第で前後に鳴らせる音が相当異なって来るのだ。
コード弾きの場合は次への移動の楽さ以上に、テンションノートの追加や同時にプチフレーズを鳴らす範囲が広がる。
又Solo部の場合で一番考えられるのは「ハモらせる都合」で1指2押えが無理な場合もあるが、却ってそんな時こそ出来る分は使えると状況に大きな変化が訪れるのだ。
俺知りで最初にこれを積極的に活用した印象があるのがChuck Berryで、可能な処は1指2押えをしなきゃあんなスタイルは不可能だ。
それでは人に依っちゃ悲報ともなり兼ねんが、先ずは肉体的適正を拙図を交え説明させて頂こう。
少し前に披露したのは平面方向のだったが今回は断面方向ので、フレットの端が尖ってたり指板がフラット貼り・指の描写…は諸事情でクレーム非対応で願います。😓
誰でも先ずは指の長さ等を気にするだろうけど、ここで考察して欲しいのは指内側の形状と第1関節の可動域だ。
取敢えずも少し図説しとくと左が6弦・右が1弦側で、飽く迄概念とお考え頂きたい。
では各番の内容へ進むが①は指内側の関節裏と指の腹の高低差が大きいケースで、図の状態では2弦と5弦がフレットから浮いてしまっている。
現実には極力そうならん様に手加減するのは言う迄も無いが、体形ならぬ指形で負担や自由度に差がかなり生じるのは確かだ。
他の指が何処をどう押えるか次第で、人差し指が最適位置へ置き辛くなるのも考えられる。
②と③は1指で欲張って一気に3本押えた状況で②では1弦も鳴らせるが、③では指と弦は触れてるが弦がフレットから浮いてるので鳴らせない。
これがミュートしたいならごケッコーだが、第1関節が逆反りさせられないせいならチト深刻だ。
私的には1指3押えは極普通のコードでも頻用してるが、そうなった原因は細目ネックのローポジションで全部別の指で押えた時の弱点を嫌ったのに依る。
俺の指先はちっとも太く無いが、それでも3つ隣り合わせに並ぶと狭苦しいには違いない。
その場合普通は弦の前後方向へ各指を順に少しズラして回避させるんだが、フレットから一番遠くなった弦がビビリ易くなる。
それを気にして無理に並べると今度は3本の両端を押える指先位置がベストを外れたり、更にその両隣の押えて無い弦に誤って触れたりの危惧が出て来る。
俺らしい邪論でだとうっかり爪を切り損ねてた場合、伸びた爪が指板につかえて指の角度が制限されて…なんてのも。
因みに①はこの呼称流儀だと1指6押えとなるが、本拙図以外に1指4押えや1指5押えも当然存在する。
但し俺知りではこの手の押え方で1弦だけミュートのケースは少なく、従って1指4押えや1指5押えをする時は殆どは指位置を1弦側へズラすだけだ。
③の状態から少し第1関節を意図的に曲げてやれば、押えた1弦の音を鳴らせるのでこれは簡単だ。
だが第1関節が硬かったりすると②の状態が作れず、前述「普通のコード」への応用も無理となってしまう。
昭和的暴論なら根性で克服・平成的無関心論なら止めちまえとでもなるのかだが、成長期終了前から挑戦したりそれ以外の方でも長く続けてればある程度は柔軟性は上げられるもんだ。
<つづく>
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