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2019年11月 7日 (木)

音楽備忘録92 BassパートのフレージングⅦ

我国でリズム隊(ドラムやBass)が過少評価されるのは由々しき事態で、少なくとも俺の若い頃はそれはかなり酷かった。
しかし妙なもんでフレージング的にはそんな時代の方が面白かって、人権が認められたらつまらなくなったのは一体何でなんだろう?。

等と昔を思うのは年寄りの典型現象?、そりゃそうかもだがそれだけだったらわざわざ恥晒して迄書きまへん。
評価が得られる迄にとてつもなく時間が掛るが、涙ぐましい努力も後で効いて来る場合もあるんで御座居ます。
それがもしかしたら音楽をやる自由の待遇改善のせいかもと思い始め、何らかの足跡を残したい意欲に差が出てるのではと思ったのでがんす。

踊りでも演奏技術でも今の方が間違い無く向上してるんだけど、どうもその使い方がよろしく無いみたいなのです。
何でも出来る様になればそれが軽く感じられてしまうのは仕方無いもんだが、使い方が悪過ぎれば出来る価値は無くなっちまう。

ポピュラー音楽では元々そんなに何でも次から次へと演れる場面は多く無く、簡単でも大した事なさそうに見えてもその1つ1つの比重は案外重いんですぜ。
そこで今回はフレージングの「流れ」へ言及したいんだが、近年本邦では「無理なコード進行」が乱用されてるのは大変気掛かりだ。

それもセミプロやデビューしたての人だったら未だしも、それなりの実績のある職業作曲家がそんなのを不特定一般大衆向け(特に子供を含む)に平気で出してしまうのには開いた口が塞がらない。
その曲は節操無く転調を繰り返した挙句元のキーへ戻れず仕舞いで、巧い間奏を作れなかったからか暫く音程を無くしリズムだけにして誤魔化していた。

音楽的挑戦には時に禁を破るのも必要だとは思うが、下手に拠り所を無くして「音痴製造曲!?!?」みたいなのを子供へ聴かせるのもどうかと思った。
しかも俺が常時吠えしてる如く同時或は凄く短時間の内に聴ける「比較対象」となる音が無いと、折角風変わりな事をやらかしても聴者には伝わり難い。

そんな曲ではもう手の施しようが無いが、これは編曲やフレージングにもそのまま当て嵌まっている。
その原因は人耳にあり、実質的には脳の解析力の都合に依っている。
人の目や耳は感度その他が自動調整となっているが、必要時に細部迄把握可能とする為に急激な変化には非対応となってるからだ。

電気・電子系音楽や音響に詳しい人なら分かると思うが、コンプリミッタの反応設定がそれに近い。
つまり反応が急峻過ぎると音色や音質迄大巾に変化してしまい、元の音とは似ても似つかなくなっちまう。
だが反応鈍めにしただけでは急な過大入力に対応し切れず、Effectなら歪むだけで済むが目や耳だったら壊れてしまう。

そんな状況下では今度は電灯線のブレーカの如く、一旦データをシャットダウンさせて対処してるのだ。
それが曲・編曲・フレーズ等の音で起きれば、問題箇所の後の暫くのデータは頭へ入って来なくなる。
故にどんなに奇抜に行くにしても人間コンピュータの画面が、ブルースクリーンにならない程度に抑えておくのが大事なのだ。

これが本件に関わるのが急に離れた音階へ飛ぶ等で、全体として特段の配慮が為されてでもいない限りは聴者耳が着いて行けなくなる。
演ってる方はどうだビックリしたか凄いだろなんて思ってても、井の中の蛙もイイ処なのだ。

「特段の配慮」については関連事項とセットにして次回以降へ譲るが、んな事言ったってルート音が離れちゃってんだけどのアナタへ助け舟。
そんな時こそ「経過音」の出番で例えば階段の段数で、一段の高さが高過ぎたら段を増やして段差を縮小するのと似た効果が得られるのだ。

だからって段数が多過ぎると歩数が増えるのを億劫に感じる場合もあるが、階段を昇降する人を一般聴者に置き換えれば子供と年寄りしか居ない様なもんになる。
この場合のタフな働き盛りや元気な若者はってぇと、音楽を演る側の人がそれに値している。

サッサと戻ってこの経過音が要る場合、コード進行や他パートが出してる音に依って制約があるのは確かだ。
でもたった1つの音しか選べないケースは少なく、となれば使える内のどれを選ぶかがプチだがフレージングや編曲って事となるのだ。

又これはどんなにルート弾き教の熱心な信者でも避けては通れず、従ってこの手の状況下ではフレージングをサボろうとしても不可能だ。
無理に省けば脇見か居眠り運転するみたいなもんで、どんな大事故になってもワシャ知らんよ。

<つづく>

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