音楽備忘録115 Guitarist「等」の指事情
前回到達出来なかったBassの場合から続けるが1指複数弦押えは、概述の如くBassではあまり要らんし不適切な場合も多い。
それなら不要かってば邪道だがそうとも限らず、別の使い道があるとも言えなく無い。
Bassの場合Guitarより遠いから頻繁に動くのも大変だが、殆ど動かないのも別面でかなり大変だ。
太くて硬くて弦高もGuitarより高いから、押えっ放しはかなり草臥れるもんなのだ。
そんな時に違う指に変えたりもするが、物理的法則に従えば指が長い程負荷が大きいのも確かだ。
Bassでスケールを奏でるには指長さは必需品なのに、それが時に仇となる訳だ。
奏者意識がどんなに指先に集中してても、実際指は「付け根」から動かさなくてはならない。
そこでもし擬似的に指を短く出来たら楽なんじゃって事で、敢えて押える場所が指先を放棄させればって魂胆だ。
等とほざきつつ実際は演ってる内に勝手にそうなってただけで、これぞ杜撰大王の面目躍如ってか???。
しかしこんな与太話し以外でも、弦楽器の押えでは必ず指先が垂直に立ってるばかりが理想じゃないのも確かだ。
単音を鳴らす方だけを考えたら立ってる程色々良いけれど、少しでもクリアな音を出すには不要弦のミュートも大切だからだ。
しかし弾いてる最中は右手はミュートより弾く方が優先で、爪の切り忘れ等だけが指先寝かせ気味の理由では無いのだ。
Guitarでは弦間隔が狭いから大抵は寝かせるだけで止められるが、Bassの高いフレットの方へ行くと場合に依ってはそれだけでは両隣弦に触れられない場合も出て来る。
なのでGuitar比ではオマケみたいなもんだが、弾く方じゃ無くミュートの為に第1関節逆反りは出来た方が良さげと感じている。
では逆反りさせられなきゃ全く向かないかってば、前回最後に記した通りそれなりの期間挑戦し乍ら様子を見てみないと判決を下すには早過ぎる。
もし不幸にも何十年も毎日必至でトライして駄目ってんならご愁傷様としか言えぬが、それは飽く迄Guitar系に対してのみの話しで別面では明るい未来が見えたとも言えるのだ。
例えばPianoに対しては反らない方が有利で、音の粒立ちを安定させ易い可能性が高いのだ。
打鍵の安定には指の各関節が一直線より内側へ丸まってるのが望ましく、腕や手の重さ伝達が安定する。
もし第1関節が逆反り出来てしまうとそれが「不要なバネ」となってしまい、力や重さの伝達が打鍵の瞬間から遅れてしまう可能性が出て来る。
これを避けるには関節の柔軟性がどうあれ、指先は鍵盤に対して立ってる程良い。
のだが、打鍵する鍵盤の間隔が遠い場合充分に立て難い場合が生じるのだ。
手が大きい程これは起き難くなるが大ききゃ良いかってばその限りに非ずで、今度は狭い範囲を打鍵する際指同士が干渉し易くなる。
現に何処ぞの音大生の凸凹コンビの姉さん達が夫々の苦手のボヤいてたが、おチビさんはLisztが届かない・ノッポさんの方はChopinだとこんがらがったり突っかえると耳にした。
指先の大きさ(太さ)にしてもPiano鍵盤だとエレキの弦間隔よりは広いし、万一触れてもカスっただけで直ちに音が出るもんでもない。
これがGuitarだと触れたら最後即ミュート状態となる訳で、しかるに大抵はPianoとGuitarのどちらかに「向いてる」って寸法に出来ているのだ。
各自の好みと適正が不一致なのも多々だろうが真に適正が問題となるのは、最低限の労力で弾ける様になりたいとか世界一を取りたいとか位だ。
現実には適性がホントに問題になる様なレベルへ到達出来るのは稀で、適正を理由に愚痴るなら平均的な音大生のせめて10倍位練習してからの方が恥を搔かずに済むと考えている。
上述の如く同じ楽器でも条件が反転する場合も多々であるし、どっちも出来る位ならその代りどっちへも指形が最適では無い証しでもあるのだ。
唯一大切なのは指以外も含めて「実情の正しい自覚」で、外出前に天気予報を見て傘を持参したりするのと同じ事ね。
それ故今回案件みたいなのはどうも思ったより上手く行かないなんて時に、そうかそうだったのかと活用されるのが宜しかろう。
処で上で「10倍位練習」って言ったのは最悪時の場合で、最良時の場合はやってみたら出来たなんてのも普通にアリだ。
何がどれ位で出来る様になるかは実に千差万別で、現実的にはそんなに練習しなきゃなんない事は滅多に無いだろう。
只「何時」かが出来てみてからじゃないと分からないので、かなり大袈裟な覚悟をしといた方が惜しい処で止めちゃったなんてのを避けられるのだ。
クドくて済まんがこの「惜しい処」すら、出来てからじゃないと分からないので…。😓
<つづく>
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