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2019年10月27日 (日)

音楽備忘録81 寿命 編曲耳!?編Ⅸ

はてさて漸く本題へ戻って行くが、編曲耳の核心は敢えて大雑把に聴く処がスタート地点だ。
いきなりこんな言葉を出すとバカにしてんのかみたいに誤解され兼ねないが、変な先入観から解放するのって案外難しいんですよ。

自らアレンジを意識して手掛けてみようかと思える位の時期に達してるってのは、それなりに音楽にある程度詳しくなってる証拠だ。
それだけ聴く能力も上がっていてあれは○○のこれは○○の音なんて聴き分けられる様になれてるって事なんだが、目だけじゃ無く耳だって何処かへピントを合わせると他はボケちまうもんなのだ。

これを無策に放置してると困るのは、複合技が検知し難くなったりする処だ。
近年は打込みやデジタルシンセのお陰で紛いもん(おっと失礼)でも、実に多彩な音色を自由に幾らでも使える様になった。
だが実はアンサンブルサウンドの真髄はそんな安易な物量作戦では無く、「コラボの魅力」なのである。

目でも耳でもそうだが細かい処迄把握しようとすれば、入って来る情報からその一部を自動的に抜粋している。
そうでもしないと分析・解析処理が追付かなくなるからで、マクロと全体を完全に同時に捉える事は出来ない。
これが編曲では全体が最優先ではあるけれど、実際に音のパズルを完成させるには隣同士のピースを詳細に比較したりしなきゃなんない。

それにはマクロと全体の両方が要るが同時は無理なので、個別に情報収集したのを脳内合成すればOKか!?。
っつうとそれでは問題が残って、個別の時と他のと同時に鳴った時の「聴こえの違い」をロスしてしまう。
そんなん言うても全部は無理言うたやないけでどうしろってば、例えばギターとベースをわざと1つの楽器と思い込ませて聴いてみるのだ。

こんなの急にだと無茶振り感満載かも知れないが、実は誰だって「ド素人時代」は寧ろある程度のまとまりでしか聴けてなかった筈なのだ。
各楽器音に疎い内は近似な音色のをもし同じ音域で鳴らされたら、映像無しで音だけでだとハッキリ区別なんか出来なかったでしょ。

これが楽器をやり出してそれがエレキギターなら、間違って途中でエレキベースのパートをコピーしたりしちゃってると大恥をかかされる。
だけど聴者或は編曲者の立場では何が出したんだろうと、聴いて同じならそんなの知ったこっちゃ無いんですよ。

それより妥協出来ないのはこの曲のこの場所で兎に角「ガーン」てなってなんてので、音楽とか表現を大事にするってなそう云う事ですがな。
尤もそれを意図的に画策するつまりアレンジするには、どれにやらせると一番良いかとか足りるのか等の知見は勿論必要ではある。

アンサンブルの編成・構成次第で実際には有限だけれども、コンビネーションのバリエーションは幾ら頑張ったって全把握出来る程少なくは無い。
なので幾ら知見を高めても事前に完全に「読む」のは不可能に近く、最後は弾いて聴いてを試して行くしか無い。

しかしその実験量と実験ポイントが、知見がある程絞り込めたりして無効量を減らせるのである。
万一あまりにも膨大になると今俺等が一寸壁と対峙してるが如く、時間や情報量の過多で元のイメージがボヤけてしまう場合すらあるからね。
そしてこれに効果的なのが俺言い「コンビサウンド」で、複数が同時に鳴ると単独時とはどんな風に違って聴こえるか等の点なのだ。

それが従兄は日常的に手掛けるパートが少ないせいか、或は常時編曲を手掛けてはいないからかどうも聴野が狭いのが災いしてる様だ。
もし現行プロジェクトが担当分野を完全分離してれば問題とならないかもだが、Band系音楽の面白味は「担当に輻輳がある」のも利点と思ってるから直ちに変えようとは思えない。

ここで今チト苦労してるのは耳で分かって貰う事で、それには普通なら兎に角色々弾いて聴かせれば良い。
だが従兄がその色々の夫々に深く入り込み過ぎる性格なので、一度に比較対象を羅列して聴かせられず時間が掛って適わない。
どっこい雑でも良いから全体の感じで比較して貰えないと困る案件なので、その方策を探ってる処だ。

直上で「時間が掛って…」で懸念されるのはこっちが待てないとかじゃ無く、なるべく等しい条件で比較・選択して貰いたいからだ。
例えば俺は幸い音感はある方だが今みたいに体や気持ちがOFF状態だと誤差が大きくなる様で、これが「ラ」と思ったのが確かめてみたら実際は半音低かった。

依って各自が現況で可能な範囲へ感度を落して構わないから、比較の場合はなるべく聴くタイミングの時間差を無くすのも大切だ。
音痴なんてのも普段は気持ち悪さや不自然さで感知してると思ってるだろうが、稀にはそう云う曲やアレンジのだってあるのだ。

だからもし変態趣味をお持ちであればそっちの方が良く…なんてのは例外だろうが、誰でも等しく音痴判定を出来るのは歌われてるメロディを既に知ってたりする場合だ。
比較対象が無いと音の様に姿が見えない物は、ウチの従兄の深層心理みたいに!?何とも分り難いもんだ。

<つづく>

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