音楽備忘録64 寿命 内容編Ⅲ
音楽って物の性質を考慮すると薬に例えるなら即効性の抗生物質では無く、漢方薬の様にジワリと効いて来るのが適してるのを前回迄に記した。(比喩は今回がお初だが😓)
また音質より内容が先と言っても決してHi-Fiを放棄しろって訳じゃ無く、その辺に付いても追々ご説明させて頂きまひょ。
音楽作品は体裁・内容の両面で整っている程聴き取りや瞬時の理解に貢献しはするが、その方向性が問題なのだ。
演ってる人の容姿も全体印象に影響するから、ムサ男・ドブスよりはイケメン・美人の方が良いのも確かだ。
但しそれは音の内容がちゃんと水準を超えていて、音のレベルは同じだが演ってる人の容姿に差がある場合だ。
加えて音に見合った或はその音世界をより象徴化する様な容姿の場合に有効化するもんで、音と風貌が不一致ならミスマッチを売りにでもしなきゃ却って足を引っ張るだけになってしまう。
良い曲になる程音のみでキャラクターもはっきりしてる事が多いので、映画やドラマの役者のキャスティングと似た様なもんって寸法なのだ。
当節は1にヴィジュアルなので絶世の美女のポスターは最適だが、音がどうしようもないのだったら写真集は売れても楽曲はサッパリ。
Live Eventに集客があっても、籠に積まれたCDの山は幾らも低くならずに終るだろう。
因みに熱狂的なファンだとタレント関連グッズとしての購入はあるが、これはタレントとしての売上の一部で音楽家としての収益と同列視するのは考えものだ。
そこでグラビアアイドル等とミュージシャンの違いを考えると、グラビア系では誰と競合しても勝てる位容姿端麗じゃないと厳しいだろう。
が音楽の場合は少し違ってて音のイメージと完全一致してるとか、そのイメージを増強する様なムードの持ち主の方が只の美人より有利になるのではないだろうか。
そしてこれは音質やMixについても同じ事が言え、音楽的な高音質は得てして理論的なそれよりは何処かが劣るのが常なのだ。
特にポピュラー系の場合は歌ってる所では伴奏が目立ち過ぎては聴者の耳や頭の中が混雑しちまうから、舞台なら脇役へ当たってる照明をわざと落す等も状況次第で必要になるのと同じなのだ。
では具体的に音楽的高音質ってなどんな具合になるかっつうと、歌のある場所の伴奏だったら「聴こうとすれば何演ってるか分かる」位の明瞭度が最適なのだ。
音楽と聴者の出逢い当初聴者は聞き耳を立てるでは無く、何となく聞こえて来たから聞こえちゃったとなってるでしょ。
その段階では耳が特別に訓練されてる者等を除けば一度に全体を聴けはせず 、一番聴くのが簡単な1点を辿って行く事となるですねん。
すると曲中各部の最重要ポイントになってる音の出来不出来が、音楽的にも音質的にも唯一の得点チャンスなのだ。
となれば例えば3回出て来るサビで歌詞もメロも毎回同じなら、歌手はそのどれか1回だけでも絶妙に出来れば助かる可能性がある。
野球だったら3割打てば名打者なんて言われてるから、頻度の高いパートは打者みたいなもんだ。
だが目立つのはIntroだけの伴奏だったら、そこを外せばもうお終いだ。
上例に沿えばこっちはピッチャーで、大事な処での失投で試合に負けちゃったである。
これを逆視点にすると伴奏は「歌の無い場所」さえしっかりしてれば後は聴者にとっちゃどうでも良く、歌うのに困らない程度に収まってれば充分となる。
あまり酷いノーコンだと対戦相手は痛くて困るが、危険球退場を食らわんなら点さえ取られなきゃ味方にゃ頼れるピッチャーってな按配だ。
これに従えば伴奏の歌留守部分はかなり無理してでも修正する価値がありそうだが、それ以外の部分では露骨なミストーン以外は修正しても聴者に対しては殆ど無意味なのがお分かり頂けるだろうか!?。
しかも要注意なのは突然1音だけ外した場合なら良いが、徐々に落ちて来てとうとう外れたなんてなってる場合だ。
音楽では物理的絶対値より流れ等の方が遥かに重要で影響度が高いので、理屈で修正しようとすると大抵は全体を駄目にしてしまうもんなのだ。
そしてこれは近年乱用気味の録音でのClick使用時にも当て嵌まり詳細は例の如くまた次だが、ヒントだけバラしとくと「通常聴者にはClickは聴こえない」である。ムフフ
<つづく>
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