音楽備忘録57 寿命Ⅱ
個人的には設計段階から修理の可能性を一方的に低く設定されてる物は感心しないが、最近の電子機器がそうなったのにもそれなりに事情はある。
それは人件費の高騰もだが何と言っても部品の種類が桁違いに増えたのと、様々な理由で小さくなっておいそれとは人が手で弄れなくなったのも原因だ。
操作が割と簡単なのだったりしっかりした規格を設けて共通性が維持されれば、一般用途ではトータルのコストアップが無ければ機種変を迫られたってさして問題は無い。
これからすると音楽ってある意味特殊用途で汎用品を利用する場合に、何とも面倒な状況に遭遇し易くなる。
その筆頭はPCでスマホと比較すると使用者が少ないせいか、共通規格たる「お約束」が緩いのが仇となる。
PCもハード面ではかなり強固な規格があるので、余程特殊なのか古いので無ければ手間は掛るが代替品はそこそこ入手可能だ。
だがOSを作るメーカが中途半端に少ないせいか、ソフト面の互換性や共通性が不足してるままだ。
セキュリティや性能向上等の大義があるにせよこれではOSが更新する度に、何度も新ソフトやその操作を覚えなきゃならない。
従前のソフトで事足りててもOSのせいで余計な手間が掛る訳で、熟練を要する様な作業をするのにこの点はとてもマイナスなのだ。
では好相性のソフトが使え本体もまだ健全な場合、サポート切れのOSは使えないかってば決してネットへ繋がないって条件付きだったら無問題なのだ。
大昔のを除けばPCの強みはインターネットに繋がっている処だろうが、以前記した如く録音作業の従事中だと却って有難く無い場合もある。
これがスマホだとその基本は無線電話機なのでネット切断が色んな面で困難だが、PCで有線接続の場合だといとも簡単に切断可能だ。
また1台で何でも出来るのは便利だが、それがもし人だったらシリアスな曲を例えば歯磨きし乍ら録っても良いのかってな問題がある。
万一の不要干渉を避けるには出来るからって何でもやらせては駄目で、結局の処PCだって極力専用化出来ない限りリスクは付いて回るのだ。
それと機種やOSのせいでソフトの変更も必要になる場合が多く、ネット接続と近年の高級なソフト音源を除けば新しかったり最高性能である必要も無い。
因みにPCにとっては極端なハイレゾとかを求めん限り、音を弄るだけなんてのはとても軽重な作業に過ぎない。
処がその簡単が災いしたかPCは音と画像では飽く迄画像優先とされていて、一例として宅のWIN8.1がギリギリ載ったPCで今これを書いてるだけだとオーディオ機能が勝手にお休みされられている。
汎用の反対が専用なのだから仕方無いけれど、すべからくそのまま普通に使っていては音楽に対してはちっとも専用化してくれない物なのだ。
なのでPC内部でそれなりの設定も出来はするが、普段使い用とは別に音楽用にもう1台用意しとくのが一番手っ取り早いのに違いは無い。
しかも前回言及した如く劣化や極僅かな故障が検知し辛いのの対策として、半ば自動的にスペアを持ったのと同じになるのだ。
因みにⅡでPCやスマホのライフサイクルの短い真の理由はセキュリティで、インターネットはバーチャルな存在なだけにかなり危険な場所にもなり得るのだ。
悪から守る為にOSを高性能化させるとそれまでのハードでは性能不足になるのが多く、しかし裏を返せばネット不接続→悪者居ない・来ないとなれば全く話が違って来るのである。
これ等の事はどれだけPCに対しても「音楽寄りに考えるか」って話しだが、汎用用途でも普通の金額で入手可能なPCで4k動画編集と重いネトゲを同時にこなすのはどうせ厳しいからね。
クリエータの端くれだと新しい物への好奇心は強い方が良いが、それへばかり気を取られては木乃伊取りが木乃伊になるの典型となってしまう。
楽器を手弾きするのは勿論今となっては打込みだって随分昔に登場した物で、そんなのを延々やってる音楽なんてそれ自体が古い物なのだ。
その点で新しさで勝負出来る範囲はかなり狭く、その代り普遍性があるので練度では他のよりかなり武器になると思う。
だから音楽に適した道具は、新しさより使い勝手等なのではないだろうか。
<つづく>
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