音楽備忘録59 寿命Ⅳ
前回はPCは外見よりは意外と余裕が無いの等を暴露したが、たかだか音声ファイル如きの軽作業で気にする必要があるのかが今回のお題だ。
動画編集や高級なネトゲと比べれば、明らかに全然大した事無いんだが…。
最初は音楽関係の作業でPCの高性能が要求されるのから行くが、せいぜい高級なソフト音源と膨大なトラック数を使った時の高級なマルチトラッカー程度しか無い。
依って音楽専用機とした場合その寿命は、余程放熱に劣る設置の仕方でもして無い限り ほぼ経年劣化依存となるだろう。
だが兼用機の場合音楽では如何に軽負荷でも、他の作業時に大きな負担を掛けてる可能性が高い。
ここで改めて精緻電子機器の熱劣化に触れとくとするが、半導体素子は凡そ75℃迄なら壊れない様に作られている。
だがその温度以下ならずっと連続で何の影響も出ない訳じゃ無く、大抵は寿命の長さに直結するもんなのだ。
これは材質が主な原因だがコストの他放熱性と作り易さの為、比較的膨張率の高い材が用いられてるせいだ。
物に依って差があるも何度も伸び縮みさせればやがてひび割れを起こすのが常で、それを避けるには極力一定温度を維持させるのが良い。
ではずっと電源入れっ放しにして稼働させてたらどうなのかであるが、これは電気代が嵩んでコスト的には利点が無い。
それでも蛍光灯程では無いが電流が僅かでも流れてる分素子温度は上昇するので、消さない方が素子の温度変化巾を狭く出来る。
なので30分や1時間程度のブランクならPCは起動・終了時が高負荷となるのも含め、点けっ放しにしておいた方が好ましいのは確かだ。
だが1週間も旅に出てて使わないのが分かってたりしたら火災予防等の観点からも消すのが当然で、するとその時素子温度は気温と同じとなる。
そこで上記Dataとしての75℃へ囚われず使う場所の気温との差を気にするのが良く、体験的私見としては熱くなるのでも55℃・そうじゃない素子はなるべく45℃以上にならない様に使うと素晴らしく長持ちする結果が出ている。
これも再三出だが何故か特に近年本邦では放熱に対するマージンが最低限過ぎる様で、悪の裏読みをすればそれでわざと寿命を縮めてとっとと次を買って貰おう等と見えてしまう位である。
さすれば自前で冷却強化をするしか無いが、ケースが小さ過ぎたりノートタイプに至っては後からでは根本的な改善は殆ど無理だ。
因みに機器の内臓と外観の大きさについて普通は「止まってる時の見た目」で考えがちで、ケース内がスカスカだともっと小さく出来るやんと感じてしまうもんだ。
しかし熱を伴う物の場合はガスコンロの周囲状態等の方が状況的に近く、炎が無い熱は音と同じ様に目に見えないせいでその存在は忘れられる事が多い。
冷却性能向上に限度や制約があるなら次の手で、「軽作業しかしない機」として熱劣化からの逃避を狙うとしよう。
この場合動画編集等は重作業とならざるを得ないので、PC自体を別け無い限り難しいだろうって寸法だ。
また上記悪の裏読みも含むが「吊るしのPC」では電源部が無余裕なのが多く、ユーザーとしては高価な癖に拡張性を下げてるのはケチ臭い話しだ。
一応公平性の為メーカ側の言い分も載せとくと、最大要因はコストであるがその他に大きさ・重さと消費電力の都合がある。
但し専門家と違って素人は必ず道具に余裕を与えたりはしないので、実際には無理をさせた方が大飯喰になるなんてのもよく起きている。
この辺はもっと意識の統一が求められるが、取敢えず現状としては上記の大飯喰時は発熱も通常より多くなるので寿命も当然縮めてしまう。
因みにⅡで俺はまだ使えるのを劣化させるのが惜しいので、最初から容量が怪しい電源は使う前に取替えてしまっている。
壊す前ならどうせ緊急事態用の予備は欲しいしPC用のATX電源は数種の電圧を出力できる物なので、一工夫すれば他機器への流用が可能だからだ。
一例を挙げとくとPCには最早どれにも容量不足でも決して小出力では無いので、ACアダプタだけ逝かれちまったLCD(液晶画面)へ転用したりしている。
こ奴が骨董品でそこそこ電力を食うので、ACアダプタを新調するのに意外とお値が張るのもある。
ってな事って性能向上も良いがスキルもコストも要りゃ機種毎の限界もあるしで、程々の中古機を音楽専用に調達するのが誰にでもすぐ出来る策ではと思うのだ。
<つづき>
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